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81話 アディアと魔王始動!

 挟み撃ちをする前方でリィンが騎士等との戦闘を開始する少し前の時間。既に後方へ移動して物陰にひそむアディアと魔王は、騎士達の様子を窺いながら雑談を交わしていた……


「なぁ。今一度に訊くんだが、本当にそんなみっともない格好で戦う気なのか?」


 ある種の不安を抱えたままの魔王は、神妙な顔でアディアへ話しかける。


「格好って、この(漆黒の)ビキニアーマーのこと? 呪われて外せないから仕方ないじゃない」

「う、うむ……まぁ、事情はそうなんたが……余としては……その……戦いの場に似つかわしくないというか……」

「ハイハイ。要するに、私の身体に見惚れて興奮してるって言いたいのね?」

「なっ! そんなわけ………っ!」


 本心では「そんなわけあるかぁぁぁぁーーーー!!」と大声で怒鳴りたいところだが、今は状況が状況なのでグっと堪える。


「ところで……私からの質問といいかしら?」

「なんだ?」


 今度は逆にアディアが魔王へ訊ねた。


「魔力の弾丸は、何発まで撃てるようになったてるの?」

「そうだな……連続で撃ち続ける場合は三十後半くらいが限界だな。まぁ、休憩を挟んだり魔力を調整したりすればもう少しいけるとは思うが」

「ふ~ん、ならせいぜい四十までがいいとこね。サポートは頼める?」

「魔族が人間の後塵を拝するのは癪だが、いいだろう」


 不服そうにしてるが、現状には納得して了承。


「じゃあ私は先に仕掛けるとして、あとは……あっ!」

「どうした?」

「見て! 前の方では戦闘が始まってるわ!」


 遠くの方を眺めると、確かに前方での動きが騒がしくなっているのが見てとれた。


「リィンのヤツ、さっそくやってるみたいだな!」

「こっちも出遅れてはいられないわね!」

「ああ。支援は万全にしてやるから、貴様は目一杯に暴れろ!」

「言われなくても、そうするわ!」


 言い終えて物陰から飛び出すアディアは、騎士の集団へ向かって走る!


「……オイ! 後ろから誰か接近してるぞ!!」


 いち早く気づいた一人が振り向くが、彼が身構えるよりも早く……


 パァン!

「ぐはっ!」


 額の真ん中は撃ち抜かれ、呆気なく沈む。


「やるわね魔王。私も負けてられないわ!」


 彼女はニヤリと笑みを浮かべ、大槌を高く持上げて勢い良く地面へ振り下ろす!!


「割れろ! デス・インパクト(死の衝撃)!!」 


 すると叩きつけられた地面の箇所からは、騎士等に向けて一直線に亀裂が走り、彼等の足場を崩して機動力を奪う!


「動きを封じたわ魔王! 今の内に数を減らして!!」

「うむ、任せろ!!」


 合図を受けて引き金を引く魔王、立て続けに五人の騎士の額を撃ち抜く!


「くっ、ひ、怯むな! 全員、剣を抜けぇーーーー!!」


 他の者は慌てて戦う体勢を整えるが、残念ながら対応が遅過ぎた!


「ほらほら! そんなにまごまごしてちゃあ、何もかもが終わっちゃうわよ!!」


 大槌を振り回して果敢に攻めるアディア。騎士達は必死に立ち向かうものの、全ては圧倒的な実力差によって一方的に捩じ伏せられていく!


「ぎゃあああーーーー!!」

「ひぃいいいーーーー!!」


 情けない悲鳴を上げる騎士達。しかし、そんな怯える中にも腕の立つ者は存在する!


 ガキィィィーーーー!!

 激しい大槌の一撃を長く太い槍で受け止めたのは、二メートルと半分を越えるスキンヘッドのとんでもない大男だった!


「へぇ、私の一撃を受け止めるなんて……何者?」

「バグタスだ。ここで死ぬテメエには覚える必要がない名前だかな!!」


 武器を合わせて鍔迫り合いで牽制し合う二人。彼等の間には、わかりやす過ぎるくらいにわかりやすい火花が散る!!

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