76話 漆黒のビキニアーマー
降って湧いたキッカケにより、リィンから漆黒のビキニアーマーをリィンから受け取ったアディアだったが?
「では、さっそく装備してみてください」
「えっ!?」
いきなりの要求に思わず怯む。
「どうしました?」
「そ、その……これだけ大胆な防具だと……さすがに装備するのは恥ずかしいというか……記念に持ってるだけじゃダメ?」
「防具ですよ。実際に装備しないでどうするんですか?」
「そ、それは……そうだけど……」
躊躇するアディア。しかし衣食住をはじめ、リィンには色々世話となっている弱味がある。よって……
「ううう……わかったわよ。けど、こんなのは初めて着けるから手伝ってよね」
「もちろん、喜んで力を貸します!」
渋々彼女の願いを承諾してしまう。
「―――え~と、ここをこうして……」
「ちょっ、アディアさん動かないでください! はみ出してますよ!」
「ほ、ホントだ! これじゃあ、ただの露出狂になっちゃうわ」
「まったくです。そうならないように気をつけてくださいよ」
なんて恥ずかし気もないやり取りを交わしつつ、アディアはビキニアーマーを装着していく。そして……
「―――最後にここをはめて……これで良し。どうですか着心地は?」
「……案外悪くないわね」
意外にも着心地の良さを気に入り、試しに手足を動かして色々なポーズをとって感覚を確かめる。
「すごいわね。見た目から予想はしてたけど、動きにぜんぜん制限を感じないわ」
「そうでしょ!そうでしょ! マーガレット様もこれを装備してる時は、すこぶる身体が軽くなると話されてましたよ!」
「へぇ、そうなんだ!」
そんなふうにビキニアーマーの性能に満足してると、リビングの扉が突然開く。
「あ~疲れた。リィン、すまないが何か飲みもので……も……ハァーーー!?」
現れたのは魔王。どうやら銃の稽古を終えて飲みものを欲してるらしいが、予想だにしない場面に出会してひどく驚愕!
「な、何だそのイカれた格好は……?」
困惑する魔王。そこにリィンが慌てて発言する。
「も、申し訳ありません! 我が独断で譲ったんです。戦士の彼女ならば有効に扱えると思いまして……」
この説明に対し、魔王は表情を引きつらせながらに言う。
「か、かまわんさ……リィンが自ら判断してそうしたなら、余に何かを言う筋合いはない。ないんだが……なぁ?」
「なぁ……とは?」
「リィンよ……貴様は、それがどういった時にどう使われていたかを知っているのか?」
「え、えっと、奥様からはここぞって時に使われていたと聞いてますが?」
「その“ここぞ”についてだが……ちゃんと確認したことはあるのか?」
「い、いえ、我はあくまでも奥様から聞かされていただけでして……」
「ふぅ……だろうな。貴様が余の教育係だったとはいえ、ああいった場面をおいそれと他人に披露するわけがないからな」
魔王がタメ息交じりに言うと、リィンは不思議そうに訊ねる。
「あの、“ああいった場面”とは? 奥様は一体どんな場面でこの漆黒のビキニアーマーを使われていたのですか?」
質問を受けた魔王は、数秒の間をおいて問い返す。
「聞きたいのか?」
「ぜ、是非……」
「はあぁぁぁ~」
魔王は盛大なタメ息を吐いて答える。
「……余を作った時だ」
「は?」
「だから余を作った時に、それを使っていたと言っているんだ!」
「ええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーー!!??」
あまりの赤裸々な真実を聞かされ、リィンは赤面で絶叫!!
尚、彼女の隣で一連の話を聞いていたアディアはというと?
「なるほどね……要はコスプレして、雰囲気を盛り上げるためのアイテムだったわね」
ホントの本当に嫌そうな顔で呆れてしまうのであった……




