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69話 奇襲!

 馬車内の騎士達が戦う決意を固めるなか、アディアとリィンは既に彼等の間近にまで迫っていた!


「目標までの距離、約十メートル。やろうと思えばいつでもやれるわ!」


 肩車に乗ったアディアは大槌を握り締めて奇襲の是非を問うが?


「まだダメです。馬車には魔王様が乗ってる可能性がありますから、まずは作戦を立てて慎重にいくべきてす!」


 リィンはそれに対して冷静な行動を促す。しかし……


「作戦?慎重? 悪いけど、そんなものは臨機応変でどうとでもなるってもんよ……とぉ!」

「ちょ、アディアさん! どうとでもって、そんな無茶苦茶は……あっ!!」


 アディアはその意見は聞き入れず、勝手に肩車から脱して馬車の屋根へ飛び移ってしまった!


「よし!」


 持ち前の運動能力が遺憾なく発揮されて安堵……したのも束の間!?


『今だぁぁぁーーーー!!』


 間髪を入れないタイミングで、足元から一斉に飛び出る三本の剣による奇襲を逆に受ける!


「危なっ!!」


 アディアが串刺しにされかけて肝を冷やす一方、馬車内では?


「くそっ! 避けられたか!」

「ああ。だが相当に面を喰らった感じはあったから、次は当たるはずさ!」


 やる気満々な三人の騎士が、次なる攻撃へ移ろうとしていた!


「二撃目、かまえ……」


 殺気を込めた目で馬車の天井を見つめ、そして……


「ってぇぇぇーーーー!!」


 合図と同時、屋根の上にいるはずの何者かへ向けて剣を貫かせる!!


 グサッ!

 グササッ!!


「また外れた!?」

「焦るな! 当たならかったら当たるまでやればいいだけだ!!」

「ハイ!!」


 二度外れたら三度、四度と続ければいいとする隊長のアドバイスに二人の部下が頷いたその時。馬車が激しく揺れる!!


「うわああああ!!」


 何とか転ばぬよう必死に耐えるも、揺れはひどく収まる気配がまったくない!


「オイ!何があったんだ!?」

「……」


 堪らず隊長が窓から顔を出して、馬の手綱を握る御者の男へ訊ねるが、声が届いてないのか返答がない。


「くっ、手綱に夢中で聞こえてないのか!?」


 それならば仕方ないと、もう一度声をかけようとするも……


「なっ!!」


 何と御者は手綱を握ることなく、頭から大量の血を流してぐったりとしているてはないか!


「マ、マズい!!」


 直ちに自分達の危機的状況を察知した隊長は、急いで馬車を止めようとする。しかし、それをやろうとした途端に馬車は右側へ大きく傾く!


「うおおおおおお! 全員何かに捕まれぇぇぇーーーー!!」


 大声で部下達に注意を呼びかけるも、スピードに乗った馬車は馬に十数メート先まで引きずられたところで転倒!、


「―――はぁ、はぁ……全員無事か?」

「な、何とか……」

「こちらも問題ありません」

「そうか……ならば一旦外に出て態勢を整えるぞ!」


 周囲の状況を確認しつつ、順番に外へ出る騎士達。そんな彼等の視界に真っ先に映った光景は、変わり果てた御者でなければ、片方の車輪が破壊されて無様に残骸を晒す馬車でもなかった。


 彼等の視界に映るもの。それは……


「あ、あの赤髪の女……もしや!?」


 重量感むき出しの大槌を肩に担ぎ、不敵な笑みを浮かべて佇むアディアの姿だった!

じつは今日で50歳になる、なめなめです!


こんな年齢になりましたが、まだまだがんばっていきたいと思ってます!

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