49話 今後について
すっかり回復を果たしたリィンが仲間に加入したことで、三人パーティーになったアディア達一行。彼女達は今、屋敷のリビングにて重大な会議を行おうとしていた。
「―――えっと、私達がめでたく三人パーティーとなって既に三日が経ってるけど……二人共、今後の展望ついてはどう考えてるか聞かせてくれる?」
テーブルを挟んだソファーに座るアディアは、対面に並ぶ魔王とリィンへ問う。
「そうだな。まずは兎にも角にも物資の補給だろうな」
魔王の意見にリィンが続く。
「それならば、この村で大抵の物は揃えられるので問題ないかと思います」
「そうか。ならば勇者の情報についてはどうだ?」
「既に数名の部下達を密かに街へ潜入させて探らせてます」
「手際が良いな。なら他に我々がやることは……」
「装備の充実ね!」
粛々と話が進むなか、アディアが提案。
「装備の充実……と言いますと?」
リィンは訊く。
「まんまの意味よ。私の場合は大槌にけっこうガタがきてるから一度修理に出したいわね。それから魔王が扱う銃については弾丸の補充が急務になるわ」
「あの……大槌の件はわかりますが、銃と弾丸とは?」
「これだ」
魔王は何も知らないリィンに銃を見せる。
「これが.……銃? 初めて見ますね」
「だろうな。何でもかなり昔に使用されていたものらしいが、魔法の発展と共に人々から忘れられた存在になってるからな」
「そうですか……っで、それが何故魔王様の手に?」
「コイツから譲られたんだ」
魔王はアディアへ視線を向けてから言う。
「なるほど……あ、その銃とやらを拝見してもよろしいですか?」
「余はかまわんが……いいか?」
アディアが頷いたのを確認し、銃をリィンへ手渡す。
「これは……金属の部品を複雑に組み合わせたものですね。使い方は?」
「弾丸を装填し、敵を狙って引き金を引く……それだけだ」
「弾丸? さっき言ってたものですか?」
「ああ、これだ」
テーブルに数発の弾丸を無造作に転がす。
「これが弾丸……数は足りてないのですよね?」
「ぜんぜんだな。今の手持ち分を使い切ればそれで終わりだ」
「終わり……新しい弾丸が必要になりまね」
「その通り。調達できるか?」
「残念ながらこの村では無理だと思います。ただ……」
「ただ?」
「上手くやれば、その問題は解決できるかも知れません」
「何だと!?」
「それ本当!?」
まさかの展開に魔王とアディアは目を丸くして驚く。
「な、ならば教えてくれリイン! その手段とやらを!!」
「かしこ参りました。ですがその前に場所を変えますね」
リィンはそう断ると、テーブルの裏に隠されていた秘密のボタンを押す。
ゴゴゴ……
足元から稼働音が聞こえて数秒後、テーブルが床ごと横にずれて地下への階段が現れる。
「これは?」
魔王は不思議そうに訊ねる。
「秘密の部屋への入口です。とは言っても本当はただの地下室になりますが……」
「地下室……ここに弾丸の代わりになるものがあるのか?」
「ハイ!」
頼もしい返事に期待するなか、三人は暗い地下へ降りていく。
「―――明かりをつけますね」
リィンが柱に備え付けられたランプに火が灯す。すると彼等が五メートル四方程度のスペースがある部屋に立っていたことが確認でき、その周囲にところ狭しに設置された棚には、大小問わず様々な物が整頓されて並べられている。
「確かこの辺りに……ありました!」
リィンが棚から見つけてきたのは、ビー玉より少し小さいくらいの緑色の丸いガラス玉みたいなものだった。
「これは?」
「魔法石といいます」
「魔法石?」
「いわゆる魔力を増大させるためのアイテムなりますね」
「増大って……できるのか!?」
「できます!」
「おお!!」
魔力の増大と聞いて歓喜の声を上げる魔王。彼はかつての自分を取り戻せるかも知れないという期待に、胸を大きく膨らませる!!




