↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世「降霊術師」の村娘Bは、亡き侯爵夫人の霊と事件を解決する ~婚約破棄されたけど、今世こそ普通に結婚したい!~  作者: 三多来定


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/23

17.ギルバート医師宅潜入

 どうも。

 前世で彼氏いない歴25年、「インチキ降霊術師」として25歳で殺され、今世で初恋の婚約者に婚約破棄を言い渡され、ひょんなことから侯爵夫人のジュリー様を降霊させ、たまたま、イケメンご子息のニール様の問題を解決したら、何故かニール様の婚約者になりそうな、前世25歳+今世16歳。つまり合計41歳の侯爵家使用人Bのココです。


「41歳でしたら、わたくしは享年44歳ですので同年代ですわね。どうりでココさんと気が合うと思いましたわ!」


 ジュリー様と気が合うのは嬉しい。

 しかし、30代を経験しないまま不惑の年齢になるのはいかがなものか。

 ていうか、惑いまくりですよ!

 なんですか!

 ニール様と婚約って!?


「ココさん、今はそんな場合ではありませんわ。薬を探さなくてはいけませんのよ」

 私の中のジュリー様が、私をたしなめるように言う。


 

 そうでした。

 私と私の中にいるジュリー様は、今、ギルバート医師の仕事部屋を捜索しているのでした!


 ニール様との婚約話が持ち上がった10日後、私はギルバート医師を直接訪問し、ぜひ弟子にしてください! と拝み倒したのだ。


 婚約者を寝取られ、醜聞のあまり村を出て、ある医師の助手になったもののセクハラを受けそうになり、今現在ものすごーく困っているのです! と涙ながらに訴えたのが良かったらしい。

 多種アルバイトを経験した私だけど、演技経験はなかった。

 でも、演技もいけるかもしれない……


「ココさんのは演技ではなく、度胸と気迫ですわ……」

 私の中のジュリー様は呆れたように言う。


 私は引き出しを一つ一つ開けながら、度胸と気迫なら、やはり前世の経験かもしれないと納得していた。


 降霊術師なんて、結局は真っ当な仕事ではない。

 依頼者も真っ当ではないことが多い。

 降霊させる霊も荒ぶっていることが多い。


 今こうやって、ギルバート医師がもしかしたら戻って来るかもしれない状況でも、堂々と探索出来ている。


 しかし、仕事部屋と言いつつ、書類ばかりで薬の一つもない。

 薬は別管理なのかもしれない。


 前世のミステリーでは、こういうデスクの引き出しは二重になっていて、その下に重要な証拠が隠されている……、いや、この引き出し、浅いな!?

 私はペーパーナイフを、引き出しの底と側面に入れる。

 すると簡単に、底が浮き上がった。


「ココさん! よく分かりましたわね!」

「はい。でも、薬ではないですね。紙ばかり……」

 

 こうやって隠しているということは、秘密のものには違いない。

 私は紙に書いてある文字を追う。

 手紙か?

 指示書?

 ワーネキー公爵から?


 ワーネキー公爵家とクレアール公爵家とグローカル公爵家は王国の三大公爵だ。


「ココさん! これは大変ですわ!」

 私の中のジュリー様が驚愕の声を上げる。


「大変?」

「実はコイラーン侯爵家はグローカル公爵家からある事業を任されているのです。その事業を阻止できないかという内容ですわ!」

「え? えーと……?」


 私は首をひねった。

 王国の上層部が関わる事業の阻止なんて、一介の医者に出来るのだろうか?


「実はわたくしは隣国から嫁いできたのですけど、その隣国との貿易に関することなのです。わたくしが亡くなったことで、現在この事業は一時中断しているのです!」


「な、なん、じゃあ、ジュリー様は……」

 事業を阻止するために殺された……!?


「でもわたくしが亡くなったからといって、事業がなくなるわけではありませんわ!」

「遅らせることが目的……!? どちらにしても、私利私欲のためにジュリー様をってことですよね!? 許せません!!」


 私は手紙を全て引き出しから取り出すと、持っていたカバンに入れた。


「ココさん! 手紙を盗んではバレてしまいますわ!」

「どうして悪くない方がバレてはいけないのですか!? 悪い人ばかり堂々としているなんておかしいです! 薬も見つけてやります! 私の霊感をなめないで下さい!」


 私は意識を外に出した。

 そう、これは、かの有名な、「幽体離脱」である!!


 「幽体離脱」は、前世から普通に出来た。

 しかし離脱してしまうと私の体が空っぽになり危険なので、あまり使用することはなかった。

 でも今は、私の中にはジュリー様がいるので空っぽにはならないのだ!


「いっちょコレで薬を探してきます! ジュリー様は部屋にお戻り下さい!」

「ココさん!?」

「幽体なので、壁を通り抜けることができます! 全ての部屋を調べてやります!」


 私は言い放ち、すうっと壁をすり抜けた。

 

 許せなかった。

 ジュリー様を殺した奴らが、ただ許せなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。