表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世「降霊術師」の村娘Bは、亡き侯爵夫人の霊と事件を解決する ~婚約破棄されたけど、今世こそ普通に結婚したい!~  作者: 三多来定


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/21

12.ニール様を助けたい

 私がクレアール公爵夫人様に伝えに行くと言ったものだから、ニール様は驚いて席を立って「いけません!」と叫んだ。


「公爵夫人ともなると、一人で行動することはありません! 平民のココが会いに行っても、話をすることさえ出来ません!」


 そんなことは、私だって分かっている。

 この世界は前世と違って、身分がものを言う。


「クレアール公爵夫人様は、ニール様と同じく霊感が強いのですよね。でしたら、ジュリー様のことが分かると思うのです」

 ニール様だけを立たせておくのもと思い、私もソファから立ち上がって言う。


「あ……!」

 ニール様はハッとした表情になる。


「先程から、ジュリー様のクレアール公爵夫人様を心配する気持ちが私に流れてきています。ジュリー様とクレアール公爵夫人様はとても仲が良かったと推測します!」


 私の言葉に、ニール様はうつむき、私の中のジュリー様は「はい、そのとおりですわ」と言った。


「何とか公爵夫人様に近づけさえすれば、ジュリー様だと気付いていただけると思うのです! そして、ジュリー様のお言葉でしたら、受け入れていただけます!」

 私は両手をぐっと握ってニール様に力説する。


「し、しかし、それでは、ココとお母様に任せきりにしてしまうことに……」

「ジュリー様は良いと言っております! もちろん私も大丈夫です!」


 ニール様は顔を上げて私を見た。


「ココは、何故そこまで……?」


 私はニール様に見つめられて、思わず目をそらした。

 だって、お顔が良いのだもの!


「……ニール様は、私をケビンから解放してくださいました。私、情けない話、本当にウジウジ泣き暮らしていたのです。しかも、やり直さないかと言われそうになった時、少し絆されそうでした。そんなことをしたら、最悪の結果になると分かっていたのに、です。だから、ええと、これは恩返しなのです!」


 私は胸を張って答えた。

 そうだ、これは、恩返しだ!


 ニール様はふふっとほほ笑んだ。


「……ココは、本当に素直ですね。私もココくらい情けなく後ろ向きになれていたら……」


 うん、それ、全然褒めてないよね!

 やっぱりニール様は性格が悪いかもしれない!


 すると、さっき出て行った執事様が慌てた様子で戻ってきた。


「ニール様! クレアール公爵家に、ここ何年か医師が何人も訪問しているようです! 確実に病気の方がいらっしゃると思われます!」


 私とニール様は顔を見合わせた。

 

 これは、あまりのんびりしていられない!






 クレアール公爵夫人様は、殆ど外出せず、王家や他の公爵夫人との交流もあまりしていないらしい。


 私は、25歳のニール様の婚約者だったという情報で、勝手にクレアール公爵夫人様を25歳くらいだと思っていたのだが、クレアール公爵夫人様は現在30歳、クレアール公爵様は40歳だった。


 メイド仲間のリリアンから、ニール様の婚約は10歳の時だと聞いている。

 ニール様、年上好きだった!


 ニール様が婚約破棄された年齢は19歳。

 その時夫人は24歳。

 つまり、24歳まで、未婚だったということだ。

 この世界では、女性の24歳は完全な行き遅れだ。

 まあ、前世25歳まで彼氏がいなかった私に言われたくはないか。


 年下イケメンの成長を24歳まで待ち続けた女性が浮気か……


「何か気になりますの?」

 私の中のジュリー様が尋ねてくる。


 今私は、倒れたこともあり、あてがわれた使用人部屋(なんと個室!)で休憩中だ。

 とりあえず、ニール様と執事様が情報を集めてくれるまで待機である。


「勝手な想像ですけど、シンディ様……とこの場ではお呼びしますね、その、5歳年上だったシンディ様は、もしかしたら不安だったのでは……と思いまして……」


「不安? 何に不安なのでしょう?」

 ジュリー様の疑問の感情が流れ込んでくる。


「上手く説明できませんが、本当に私でいいのかしら……とか、ニール様にはもっと若い令嬢が相応しいのではないかしら……とかですかね……」


「そんなまさか! シンディは美人で奥ゆかしく申し分ないご令嬢でしたわ! ニールから申し込んだのですよ!」

 ジュリー様が大反論してくる。


 うお! ニール様、10歳で15歳のシンディ様に申し込んだのか!


 ニール様はシンディ様に惚れ込んでいた。

 シンディ様の念は、激しい後悔だった。

 あんなに強い念なのだから、シンディ様もニール様が好きだったに違いない。

 じゃあ、何故、浮気をしてしまったの?


「あの、ジュリー様。ニール様とシンディ様はいつご結婚の予定だったのですか?」

 私は「マリッジブルー」的なものかと思い、ジュリー様に尋ねる。


「……結婚はいつとは決まっていませんでした。ニールが先延ばしにしていたのです……」

「ええっ!? 何故ですか!?」

「自分がしっかりした大人になってからと思っていたようです」


 それ、ダメなやつーッ!!


 世間的に行き遅れた女性が、結婚を先延ばしにされるストレスを分かっていないな!?

 いや、私も知らないけどね!?


「そ、そうなのですか!?」

 ジュリー様が私の思考を読み取って疑問を投げかける。


「少なくとも私の元いた世界ではそういう状況が多数ありました(ネット情報)!」

「まあ! わたくしは17で嫁いで参りましたのでその状況がよくわかりませんわ!」

「既婚の友人から、『彼と結婚はまだなのー? その気がないんじゃないの? あ、私2人目出来たのよー』とかマウントを取られるんですよ(ネット情報)」

「な、なんだかよく分かりませんが、恐ろしいですわ!」


 そう、マウントというやつは、なんだかよく分からないのに、恐ろしいのだ!


 これは、ニール様とシンディ様の気持ちがすれ違った末の悲劇かもしれない……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ