53/54
第53話
テントは陛下から賜ったものだ。
ずいぶん昔、俺らが勅命部隊として着任してからしばらくして、陛下から呼ばれてそれぞれに手渡されたものだ。
そのとき、この装備がテントと称するというのも初めて聞いた。
「それじゃあ、まずは頼んだ」
テントは1人につき1つある。
俺のはほかの隊員よりも一回り大きなもので、他のは同じ大きさをしている。
「了解。何かあったら起こすから」
最初に起きて寝ずの番をするのはハークだ。
ハークは女性特有のすこし甲高い声で、それでも優しく俺に伝えた。
ちなみに、ハークの次はロカペスが担当することになっている。
「それじゃあ、おやすみ」
「はーい、おやすみなさーい」
伝えながら、テントの中に潜っていく。
あっという間に夜の冷たい空気も消えていき、そのまま眠りに落ちた。




