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佇む彼を見つめる四つの瞳があった。見た目彼女と彼女に抱えられた相棒のパンダのぬいぐるみ――シロである。紅白パンダのぬいぐるみであるから、彼がそう名付けた。
「アイツに見られるとはなぁ……」
「いい様だ」
「潰すぞ」
「綿が出るから断る!」
「なら黙ってろ。にしても、アイツときたらウケる」
突如、彼女はケラケラと笑い出した。それはそれはおかしそうに。
「――美陽はやっぱり面白いな」
屋根から飛び降りた時、彼は目を見張ったのだ。当たり前だとは思うけど。そんなことをしたら、誰だって驚くだろう。彼女自身ももちろん。 そうして目を逸らすその慌てた様子が笑えるのだ。何人も見てきたが、一番笑えたのは友人の彼である。
「なぁ、アイツも魔法技術者になることは可能か?」
「お前がなれたくらいだからなれるんじゃね? ま、選定されればの話だけど お前も前代未聞だけどもねー」
シロは肩を竦めながら鼻で笑う。ぬいぐるみであるが、人間くさい動きをする。そもそもこのぬいぐるみは、ぬいぐるみではあるがぬいぐるみではない。魔法技術者を導くナビゲーターである。
シロの言葉に、「そうか」とにやりと笑う彼女。
「俺だけこんな格好じゃあ、割りに合わねぇからな」
生き恥を曝すのなら、一人よりは二人がいい。どう考えたって、それに尽きる。




