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雷子  作者: 三幸
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魏編 天下の先に

魏編 天下の先に



 許昌に戻ってから司馬懿は城内で為政を取り仕切り中々、外に出ることがなかった。


 司馬懿は淀んだ空気に包まれた許昌を眺める。原因を調べる暇がなかったが中華を統一したことにより心に余裕が出てくる。


司馬懿「この瘴気は一体、どこから来るのかしら……」


魏軍兵士「司馬懿様。徐晃様と満寵様が呉の攻略を終え帰還致しました」


司馬懿「分かりました」


徐晃「司馬懿! 鄧艾と鍾会が謀反を起こしたんだって?!」


 徐晃は挨拶の前に謀反の話を司馬懿に問う。


司馬懿「ええ、謀反は真実です。既に鎮圧しましたが」


満寵「天下を獲ったこと……一緒に祝えると思っていたのに……」


司馬懿「私も同じ気持ちです。本当に残念でした……ところで、曹仁と張コウ殿は?」


徐晃「呉に留まっているわ。あの二人に限って謀反はないわ」


司馬懿「そうですね」


徐晃「これからどうするつもり?」


司馬懿「人材登用が急務となります。即戦力となる文官を招集し政の基礎を固めます」


徐晃「あんまり手伝えることないと思うけど何でも言って」


満寵「出来れば頭を使わない方向で……」


司馬懿「お二人には成都に軍を率い向かって下さい。詳しいことは後で話します」


満寵「分かったわ。それとね。賈ク殿達のことなんだけど」


徐晃「そうそう。許昌に戻ってくる途中に信じられない話を聞いたの」


司馬懿「何か分かったのですか!」


徐晃「詳しくはまだ分からないんだけど……賈クを葬った男の話を小耳にはさんだ」


司馬懿「では……お師匠様はもう……いえ、どこかで分かってはいました」


満寵「その話には続きがあってですね。その男は気が狂って死んだそうなの」


司馬懿「では、只の狂人の妄言かもしれない。ということですね」


徐晃「そういうことね」


司馬懿「今まで全く手掛りが掴めなかったのです。一応、調べてみましょう。案内してくれますか」


徐晃「もちろんよ」


 司馬懿は徐晃と満寵に連れられ許昌の郊外に向かう。


司馬懿「瘴気が濃くなっています……こんな場所から街に瘴気が流れていたのですね」


徐晃「瘴気? よく判らないけど……いい空気じゃないのは確かね」


満寵「あっ! あそこです! あそこが狂人の死んだ場所です!」


 満寵が古墳を指さす。


司馬懿「何でしょう? 古墳の様なものがありますね?」


徐晃「ここは何? 埋めようとした形跡があるわ……」


満寵「どうします?」


司馬懿「入ってみましょう」


満寵「古い建物ですねー。何か怖いのが出て来たらどうしますー?」


徐晃「天下を制した私たちに怖いものなどないわ。何が出て来ても私が倒して見せるわ!」


司馬懿「ふふふっ。徐晃殿の言う通りです。この三人に勝てる者などおりません」


 三人は古墳の奥深くに足を運ぶ。だが数刻経過しても古墳から出てくることとはなかった。


 日が暮れ夜になり朝日が昇り始めた時古墳の入り口が開く。とてつもない濃度の瘴気が溢れる。瘴気を撒き散らしながら邪晶は古墳を出た。


 そして日の光に身体を預けるように手を広げた。邪晶は獲物を探すように歩き始めた。



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