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雷子  作者: 三幸
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魏編 暗雲の許昌

魏編 暗雲の許昌



 賈ク達の捜索に走る鄧艾と鍾会は許昌近郊まで戻っていた。


鍾会「ねぇ鄧艾。おかしいと思わない? お師匠様達の足取りが全く掴めないなんて」

 

鄧艾「確かに……夏侯惇殿と張遼殿が許昌に入ったことまでは確認出来た……お師匠様と許チョ殿は許昌から行方が分からなくなっている……」


鍾会「今の状況……いえ、これだけ長い間、居場所が掴めないなんて」


鄧艾「まるで消えたかの様だな」


鍾会「ちょっと気持ち悪いこと言わないでよ。消えるなんて非現実的よ。鄧艾、あなたらしくないわ」


鄧艾「ははっ、そうかもな。カク昭がここにいたら笑われるな」


鍾会「一度、許昌に行ってみましょう」


鄧艾「ああ」



 鄧艾と鍾会は許昌に入る。


鍾会「ねぇ……ここって、許昌よね……」


鄧艾「そうだが……一体何なんだ。許昌に蔓延するこの瘴気は……」


 許昌に辿り着いた二人は驚く。自分達の知っている許昌が別の場所に見えるからだ。空気は濁り許昌の民は咳をしている。


鍾会「お師匠様達が消えたことと関係しているのかしら……」


鄧艾「断定するにはまだ早い……だが時系列から考えると……」


鍾会「でも……こんなに瘴気を感じたのは初めてだわ……この悪意に満ちた空気……こんな瘴気の中で暮らしていたら頭がおかしくなりそう」


鄧艾「陰と陽の理……存在するかどうか分からない妖魔撃退の心得と知識。ずっと無駄だと思っていた……お師匠様は、必要になる時が来るかもしれないと教えて下さったが……まさか本当にこんな怪異な現象に出くわすとはな」


鍾会「この瘴気の元を辿れば、お師匠様達の行方も分かるんじゃないかしら」


鄧艾「そうかもしれん。一度、調べてみる必要があるな」


魏軍兵士「鄧艾様! 鍾会様!」


鍾会「どうしたの?」


魏軍兵士「司馬懿様より至急、五丈原に向かうようにと!」


鄧艾「五丈原に? 何かあったのか?」


魏軍兵士「街亭を攻略後、蜀軍の侵攻から陳倉が陥落しました。カク昭様が討ち死にし司馬懿様が諸葛亮に戦いを挑むも敗れました」


鄧艾「カク昭が! それに司馬懿さんが敗れただって!?」


鍾会「そんな……お師匠様の高弟として、共に学んだ三人なのに……」

 鍾会は衝撃を受ける。


鄧艾「カク昭は決して弱くはない……それだけ蜀軍が強いと言うことだ。司馬懿さんが我らを呼び戻した理由も頷ける」


鍾会「鄧艾。この瘴気の原因究明は後回しにしましょう。今は急ぎ五丈原に!」


鄧艾「うん! 急ごう!」


 鄧艾と鍾会は五丈原に向かった。



 その光景を眺める者がいた李儒である。


李儒「あれは鄧艾か……」


武装集団「やり返しますか? あの男にはことごとく拠点を潰され仲間がやられました」


李儒「いや。今は巫女を探すことの方が優先じゃ……この瘴気、間違いなく巫女は近くにおる。曹操め、一体、何処に巫女を隠した」


武装集団「今、手分けして探しております」


李儒「曹操が亡くなったとはいえ、未だその軍事力は大きい、くれぐれも慎重にするのだ」


武装集団「はっ」


 李儒、率いる武装集団は邪晶を探す。


 司馬懿は諸葛亮に破れ命を落としそうになる。軍事力こそ上であれど油断出来ない状況から鄧艾と鍾会を呼び戻した。






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