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雷子  作者: 三幸
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魏編 赤壁の戦い 中

赤壁の戦い 中




 曹操の一室で曹操と夏候惇が地図を広げ呉攻め後の方針を決めていた。


曹操「惇。呉に上陸した後、俺は建業を目指すが惇は会稽に向かってくれ」


夏候惇「ええ……」


曹操「どうした? 気分が優れんか……」


 夏候惇の気のない返事に曹操は尋ねる。


夏侯惇「いいえ……孟徳、長坂の戦いで劉備を討ち取れなかったこと……」


曹操「終わったことだ。惇、お前が気にすることではない」


夏侯惇「次はうまくやるわ……」


曹操「それでいい。今は劉備のよりも呉を手中に納めることを優先する」


夏侯惇「分かってるんだけど。孟徳……邪晶のことなんだけど……」


 夏候惇はどこか落ち着かない。


許チョ「曹操様……ご飯の用意が出来ました……」


 許チョが曹操に食事の用意が出来たことを伝えに来た。


曹操「惇、その話はまた後でにしよう。先に食事にする」


夏侯惇「えっええ! そうね……」


 曹操はその場を離れる。


許チョ「夏侯惇」


夏侯惇「なに?」


許チョ「私は曹操様の親衛隊隊長だ……」


夏侯惇「それがどうしたの……」


許チョ「邪晶とは何だ……」


夏侯惇「聞いてたの? 邪晶ってのは、まぁ何と言うか……許チョには関係のないことだから言えない……わね……」


許チョ「関係ないとは何だ……」


夏侯惇「私じゃなくて孟徳に直接聞いて」


許チョ「夏侯惇から聞きたい……」


夏侯惇「あのね許チョ。私は許チョのことが大好きなの」


許チョ「知ってる」


夏侯惇「だったら私の気持ちも察してよ。邪晶のことは本当に言えないのよ」


許チョ「夏侯惇……許チョは悲しい……」


夏侯惇「ううっ、許チョは女でしょ? このことは女の人には絶対言えないことなの」


許チョ「夏侯惇も女……」


夏侯淵「どうしたんだ? 惇に許チョ」


 夏侯淵が現れる。

 

許チョ「夏侯淵……夏侯惇が許チョのこと苛める……許チョに言えない秘密がある……」


夏侯淵「はははっ! 許チョ。そんなことはない。許チョのことを苛める奴なんて、ここにはいない」


許チョ「だって……」


夏侯淵「許チョのことを大好きな惇が、許チョを苛めるわけないだろう? きっと、今は言えないだけだ。時が来れば話してくれるさ」


許チョ「夏侯惇。そうなのか?」


夏侯惇「そうよ許チョ。隠しごとはしたくないけど。いずれ話せる時がくれば話すから……ね」


許チョ「分かった……曹操様とご飯いく……」


 許チョは曹操を追いかけた。


夏侯淵「ああ。行っておいで」


夏侯惇「淵、来てくれてありがとう。助かったわ」


夏侯淵「どうしたんだ?」


夏侯惇「孟徳と邪晶のことを話している所を……」


夏侯淵「そうか……許チョには言えない。いや誰にも言えないことだからな」


夏侯惇「えぇ」


夏侯淵「しかし、素直に言えないなんて言うなんて。誤魔化すことも出来ただろうに……」


夏侯惇「そうなんだけど許チョに嘘をつきたくなくて」


夏侯淵「許チョも惇も俺が必ず守ってみせるさ」


夏侯惇「淵、あんたに悪気がないことは分かっているんだけど……その言葉を真剣な顔で言われると……ちょっと……」


夏侯淵「ちょっとどうした。長い付き合いなんだ遠慮せず言ってくれていいんだぞ?」


 視線を逸らす夏候惇に夏侯淵は不思議に思う。


夏候惇「なら言わせて貰おうかしら」


夏侯淵「どうぞ」


夏候惇「悪気がないのは分かっているけど、あまり女に好意的な言動は控えることね」


夏侯淵「すまない。理解出来ないんだが……」


夏候惇「荊州制圧した時のこと聞いたわ。兵の突入時に泣き叫ぶ女官達が一斉に淵に助けを求めたそうね」


夏侯淵「はははは! そんなことか! 俺を味方だと勘違いしたのだろう? おかしな話だ!」


夏候惇「どこまでお人よしなの淵? 全て計算づくに決まっているじゃないの……現に筆しか持ったことのない女達が淵の部隊に入隊したいって殺到したのよ!?」


夏侯淵「ほう。嬉しい限りだ。矢を扱う者として俺が優れた指導者だと認識してくれているのか」


夏候惇「呆れた……そのお人よし振りを孟徳に分けてあげて欲しいわ」


夏侯淵「だが俺の部隊には新兵は配属されていないんだが……受け入れなかったのか?」


夏候惇「全部、受け入れたわ。于禁と満寵の部隊に振り分けたけど」


夏侯淵「おいおい……新兵育成であれば俺だって……」


夏候惇「ある程度の実力を伴えば淵の部隊に転属させるって伝えてあるの。生き残ればその内、一人か二人は配属されるでしょうね」


夏侯淵「それは意味があるのか……」


夏候惇「で? 私の言いたいこと理解してくれた?」


夏侯淵「まったく」


夏候惇「そういうところが大好きよ淵」


夏侯淵「俺も惇のことが大好きさ」


夏候惇「…………」


 何も理解していない夏侯淵に複雑な想いが沸き上がる夏候惇であった。





 食堂では曹操と許チョが夕食を摂っていた。


許チョ「はむはむ。うん……美味しい……ん?」


曹操「……」


 夢中に食を進める許チョを曹操は眺める。


許チョ「曹操様……どうかしましたか」


曹操「いや。質素な食事だが許チョが美味そうに食べるのを見ていたら典韋を思い出してな」


許チョ「曹操様……確かに典韋は双子の姉妹ですが許チョは許チョです」


曹操「もちろんそうだとも」


賈ク「曹操様。お食事中失礼致します。おっ許チョ殿もご一緒でしたか」


 賈クが曹操の元を訪れる。


許チョ「賈ク……曹操様……許チョは見回りに行ってきます」


曹操「もう食わんのか?」


許チョ「ごちそうさまでした」


 許チョは箸を置きその場を去った。


賈ク「随分、嫌われてしまいましたな」


曹操「過去のことだ気にするな。許チョはどう接していいか分からんのだろう」


賈ク「そうであって欲しいのですが」


曹操「で、何か報告があって来たのだろう」


賈ク「はい。やはり劉備軍は呉に亡命しました」


曹操「だろうな。その為の報告か?」


賈ク「いえ。呉に対する方向性をお聞きしたく」


曹操「降ると思うか」


賈ク「呉軍には周瑜が居りまする。投降は無いかと……」


曹操「では滅ぼすまでよ」


賈ク「船団の用意は出来ております。それから劉備軍の奇襲を受けて、数万本の矢が奪われました」


曹操「敵に矢があろうとなかろうと負ける戦ではあるまい」


賈ク「はい。圧倒的な物量ではございますが……」


曹操「何だ? 言いたいことがあるのであればば申せ」


賈ク「敵将の一人。黄蓋が投降の申し出に来ております」


曹操「ふむ。埋伏の種と考えておるのか」


賈ク「はい。おそらくは周瑜による罠かと」


曹操「黄蓋一人にそこまで警戒するのか? 賈ク」


賈ク「何分、慎重な性格なものでして……それに黄蓋は呉の重臣です」


曹操「話は変わるが呉に男の軍師はいるのか?」


賈ク「男の軍師でございますか?」


曹操「そうだ」


賈ク「聞いたことがございません」


曹操「ならば無理に投降を促す必要はない。呉は滅ぼす……地名を変え呉の痕跡を消し去ろう」


賈ク「分かりました……孫権の処遇は如何様になさいますか」


曹操「僻地に隠居させるか……言動によっては処刑する」


賈ク「そう言えば以前、孫輔と言う孫権の血縁者が曹操様を訪ねて来ましたが……統治が難しいようであれば孫輔に呉の統治を任せるのはいかがですか?」


曹操「はぁ……思い出したくもないこと思い出させるな」


賈ク「申し訳ありません。何かありましたか?」


曹操「俺と同等と言わんばかりの態度で面会に来てな。一喝したら腰を抜かしおったわ」


賈ク「はははは!」


曹操「その後、惇に欲情したのか知らんがジロジロと変な視線を惇に送り続けてな」


賈ク「夏候惇殿はとても綺麗な方ですからな」


曹操「俺には理解出来ん……そした惇がキレて孫輔の股関を掴んで恫喝したのよ」


賈ク「ほう……温厚な夏候惇殿が怒るとはよっぽどだったのでしょうね」


曹操「話の本題はここからだ。孫輔の奴め漏らしおった」


賈ク「はい!?」


曹操「惇の手は小便まみれになり激怒した惇にバチバチにしばかれた。俺も淵も大爆笑だった」


賈ク「よく殺されなかったものですな」


曹操「俺が止めた。余りに面白かったのでな」


賈ク「ですがそれがどうして思い出したくないことなのですか?」


曹操「惇にこれでもかと言う程の衣服を買わされたのよ……余計な出費だ」


賈ク「面白かったと言うだけで百害あって一利なしですか」


曹操「そういうことだ……」


于禁「曹操様。報告します。ホウ統と言う者が面会を申し出ております」


 于禁からホウ統が陣中に来たことが知らせれる。


 「ホウ統だと!」

 ホウ統の名に曹操と賈クは驚く。


賈ク「何故、ホウ統が……」


曹操「ふっ、鳳雛か……俺に用いて欲しいのか。于禁、通せ」


于禁「はっ!」


ホウ統「流石は中原の覇者だ。大した軍容だ」


 ホウ統は曹操の元に案内され現れる。


賈ク「ホウ統。お主、何しにここに来たのだ」


ホウ統「よぉ賈ク。久しいな」


曹操「知り合いか?」


ホウ統「あんたが曹操殿かい?」


賈ク「ホウ統! 馴れ馴れしいぞ!」


ホウ統「賈ク、相変わらずだな。俺は曹操殿の家臣ではない。へりくだる必要等ないだろう」


曹操「面白い男だ」


賈ク「曹操様、申し訳ございません。昔から掴みどころのない男でして」


曹操「構わん。才があれば用いるまでよ。ホウ統、お前がここに来た理由は何だ」


ホウ統「このままだと曹操軍が負けると思ってね。忠告しに来たのさ」


曹操「ほぉ。この曹操軍が負けるだと? 面白いことを言う……勿論、それなりの根拠があってのことだろうな」


賈ク「ホウ統よ。私がここにいる以上、いいかげんな言葉は通じんぞ」


ホウ統「いいかげん? 賈クよ。お前だって今の状況全てが曹操軍の味方になっているとは思わんだろう」


賈ク「ぐっ」


 賈クはホウ統の言葉に詰まる。


ホウ統「慣れぬ土地での風土病、水上戦の訓練不足」


賈ク「だが、私達にはそれよりも大きな味方がある」


ホウ統「風か」


賈ク「そうだ」


ホウ統「愚かだな賈ク。曹操軍の最大の敵は絶対的な兵力と火計を防ぐ風向きからくる慢心だ」


賈ク「水上戦の訓練不足や風土病も私の策で補ってみせる」


ホウ統「鎖で船をつなぐのか?」


賈ク「な!」


ホウ統「当たりだな。さしずめ連環の計と言ったところか」


賈ク「くっ」


曹操「ホウ統、お前の知が優れていることは分かった。では具体的に呉軍に負けない為にはどうすればいい? その知に見合った報酬を払おうではないか」


ホウ統「それほど難しいことではありません」


賈ク「……」


ホウ統「賈ク。黙っているところを見ると興味があるようだな」


賈ク「ある……お前の考えを聞きたい」


ホウ統「いいだろう。呉にとって最大の武器は何だ? 賈ク」


賈ク「それは精鋭の水軍だろう」


ホウ統「そして勝つ為に用いる策は?」


賈ク「火計しかあるまい」


ホウ統「曹操軍に風が味方している様に、呉にも大きな味方がいる。それは?」


曹操「ふむ、呉に有力な支援者がいるのか」


賈ク「そうか……大河か……」


ホウ統「流石だな、賈クよ。大河は長年に渡って呉を豊かにした。その財で最も警戒すべきは……」


賈ク「大河で採れる魚……言わば魚油か……」


ホウ統「今の曹操軍の大船団に、たっぷり魚油を染み込ませた船団が突っ込んで来たら? 言わなくても分かるよな。曹操軍の被害は甚大だ」


曹操「続けてくれ」


ホウ統「呉と決死を競うのは今ではございません。このままこの地に留まり下さい。さすれば戦を恐れる呉の民が、曹操軍の土地に亡命してくるでしょう」


曹操「賈クどう思う」


賈ク「最も安全な策でございます。しかし、ホウ統の策を用いるのであれば補給線を太くし更に自給出来る仕組みも早々に持ち兵站を見直さねばなりません」


司馬懿「お師匠様! 横から失礼します」


 突如、司馬懿が現れる。


賈ク「司馬懿」


曹操「誰だ?」


賈ク「私の弟子で司馬懿と申します」


司馬懿「曹操様。初めての謁見がこの様な場所であることをお許し下さい。私は賈ク様を師匠と仰ぎ、軍師として日夜、知を磨き曹操様のお役に立てるよう精進しております司馬懿と申します」


曹操「賈クの弟子か……分かった。で、横から出て来たからには何か言いたいことがあるのだろう? ホウ統、相手にどこまでやれるかやってみるといい」


司馬懿「はい。では早速、ホウ統殿に一言申したく……」


曹操「面白くなってきたではないか。そう思わんか賈ク?」


賈ク「はぁ……少し心配ではありますが」


ホウ統「何だかめんどくさいのが来たな」


司馬懿「ホウ統殿。先見の眼をお持ちのようですが、あなたの策を用いるほど曹操様は甘くはありません」


 司馬懿はホウ統を指さし力の入った口調で言った。


司馬懿「これ程の兵を遊ばせて置くことは覇者としてありえないからです!」


ホウ統「最小限に被害を少なくし、王道での策を捨てるねぇ……」


司馬懿「そうです。鳳雛と呼ばれているあなたには分からないでしょうが私から言わせて貰えば、後十年も経てばあなたも老害の仲間入りでしょうね」


曹操「はっはっは! 賈クよ! 面白い弟子ではないか!」


賈ク「才能は申し分ないのですが……性格に少し難がありまして」


 曹操は大いに笑う。


ホウ統「司馬懿殿。呉を滅ぼしてからどうするんだ? 捨てるのか? 凌統治するのか?」


司馬懿「捨てる訳ないでしょう。当然凌統治します」


ホウ統「ならば曹操殿はまた悪名を被ることになるな。お前さんの知に。曹操殿を担ぐ気概は無いのかねぇ……」


司馬懿「なんですって!」


 司馬懿はホウ統の言葉に納得出来ない。


ホウ統「司馬懿殿。良く聞けよ。戦いってのは将兵の命を削るものだ。残された家族が、新たな統治者に簡単に帰化すると思うか? お前の策には心が無いんだ! そんなことでは男が寄り付かんぞ!」


司馬懿「おっ男は関係ないでしょ! それに私には知を磨く環境があれば男などいりません! むしろいつでもどうにでも解決出来る問題です!」


賈ク「司馬懿。お前の負けだ。相手の語りの本質から外れた言動で返した時点で」


司馬懿「お師匠様! こいつが男がどうこう言ったからであって!」


賈ク「それも話術の一つだ。すまんがホウ統。司馬懿の相手はここまでにしてもらえるか?」


ホウ統「ああ。そうしてくれるとこちらも助かる」


司馬懿「ぐっ……」


曹操「中々実のある時間であった。ホウ統の策を用いるかは後日判断する」


ホウ統「そいつはどうも。ところで今の兵糧庫は一つですか?」


賈ク「どうしてお前にそんなことを言わなくてはならない」


ホウ統「俺の策を用いるなら兵糧庫は二つにするんだな。補給と自給自足を考えれば船団の両端がいいだろう」


賈ク「呉軍にわざわざ兵糧を奪えと言っているようなものだ」


ホウ統「曹操軍の大船団を突破してか? 自信がないんだな賈ク」


賈ク「くっ! 分かった」


曹操「ホウ統よ。少しお前と話がしたい。奥の部屋に来てくれ」


ホウ統「出来れば酒があると助かるんだが」


曹操「用意させよう」


ホウ統「へへへへ。ありがたい。それと司馬懿殿、あんたは黙っていれば可愛くも見える。男も寄ってくるだろうよ」


司馬懿「うるさい!」





 曹操は空きの天幕にホウ統と賈クを招いた。


曹操「ホウ統よ。中々楽しい時間であった」


ホウ統「そう言ってもらえると、こちらも来たかいがあったと言うものです」


曹操「賈ク。アレを持って来てくれ」


賈ク「アレとは……あの書でございますね」


曹操「そうだ」


ホウ統「書?」


賈ク「これでございますな」


 賈クは一冊の書を出した。傷んだ書物のようだ。


曹操「ホウ統。これが読めるか?」


ホウ統「んん? これは一体……肝心の中身が白紙でしかない。これでは読めるもなにも読みようがない……」


曹操「そうか。鳳雛と呼ばれたお主でも読めんか」


ホウ統「一体これは何なんです?」


曹操「俺にも分からん……この書が一体何なのかが」


賈ク「私が初めてお会いした時にも見せて頂きましたな」


ホウ統「賈クは読めたのか?」


賈ク「白紙にしか見えん。色々と研究したのだが、何の変哲もない白紙の書だ」


曹操「ホウ統すまなかった。手を煩わせた。後は寛いでくれ、俺は休ませて貰う」


ホウ統「お気遣いありがとうございます」


 曹操は寝室に向かった。




賈ク「泊まるのか?」


ホウ統「駄目か?」


賈ク「お前は客人だ。泊まっていけばいい」


ホウ統「なぁ。賈ク」


賈ク「何だ?」


ホウ統「俺には曹操殿が世間に聞こえる鬼には思えんぞ」


賈ク「あの方の懐の大きさは計り知れない」


ホウ統「そうか……お前は曹操殿を殺そうとしたんだったな」


賈ク「そうだ。しかし今はこうして曹操軍の軍師としている」


ホウ統「威圧的かと思えば他人を気遣い、人の意見を聞く耳も持っている……だが、どこか心に強い闇がある……」


賈ク「曹操様はいつもどこか急いでいる」


ホウ統「そう見えるな。地盤を固めれば、王道を歩む力を持っているのに……」


賈ク「まぁゆっくりしていくといい」


ホウ統「何だ? 久しぶりの再会だと言うのに酒に付き合ってくれんのか?」


賈ク「お前の進言の為にやることが出来た。何なら司馬懿を寄越そうか?」


ホウ統「いや……それは勘弁願おう……」


 賈クは天幕を出た。



ホウ統「取りあえず周瑜の頼みごとは何とかなりそうだ……しかし、曹操軍相手に周瑜はどうやって火計を成功させるんだ? 曹操軍の兵糧庫までの道のりは、簡単に突破出来んぞ……」


 ホウ統は曹操に用意された酒を器に注ぎ口に運ぶ。


ホウ統「うお! これは上物の酒だ! 流石は曹操軍だ……何てことだ……こんな量、直ぐに飲み干してしまう……」


 曹操軍の天幕で一人晩酌を楽しむホウ統であった。




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