呉編 呉軍最強の男
呉編 呉軍最強の男
陸遜と共に呂蒙と周泰は呉軍の駐屯所に呂蒙達は到着した。
呂蒙「おーい! 皆ー! 帰ったぞー!」
呂蒙は大きな声で帰還したことを叫ぶ。
凌統「呂蒙おかえり」
甘寧「遅せーよ。待ちくたびれたぜ」
凌統と甘寧が呂蒙達を出迎える。凌統は女性と間違うかのように長い髪と綺麗な顔をしている。甘寧は赤い髪に赤い鎧を身に纏う。
凌統「甘寧。呂蒙は遊びに行っていた訳ではない。そんな言い方するもんじゃない」
甘寧「だってよー。サボりは俺の十八番なのに呂蒙がいねーからサボれなかったんだ。おかげで兵の訓練をずっと見るはめになったんだぜ」
呂蒙「何だよ甘寧。私がいないと寂しくて一人でサボれないのか? その太々しい態度は実は私に対する照れ隠しか?」
甘寧「んな訳ねーだろ! ん? そいつが陸遜か?」
甘寧が陸遜に気が付く。
陸遜「あっ、はい! 陸遜と申します……宜しくお願いします……」
威圧的な甘寧に陸遜は萎縮する。
甘寧「聞こえねーよ! もっとでっかい声で喋れ!」
陸遜「ひっ!」
陸遜は甘寧の言葉の強さに怖気づく。
周泰「おい甘寧! 陸遜を怖がらせるな! お前みたいにみんな耳が悪いわけじゃないんだぞ! もっと小さな声で話せ!」
甘寧「馬鹿な言うな! 俺は普通に話してるし耳だっていいんだぞ!」
周泰「ほう……なら私が小さな声で二択の質問するから答えてみろよ」
甘寧「おお、いいぜ! 聞き取ってやらぁ!」
周泰「………………」
周泰がぼそぼそと何か言っている。
周泰「分かったか?」
甘寧「よっ余裕だぜ!」
甘寧は周泰が何をしゃべったか全く分からない。
周泰「よし。じゃあ聞くぞ。陸遜と呂蒙のどっちだ?」
甘寧「はっ? えっと……えっと……」
凌統「甘寧。周泰からの二択なんて絶対に何かあるぞ」
凌統は甘寧に助言する。
甘寧「そうか! それもそうだな! 二択なんてケチなこと言わねぇ! 呂蒙と陸遜の両方だ!」
周泰「ははははは! 私が言ったのはどっちのお尻がいいかって聞いたんだよ! 下心丸出しだな甘寧!」
甘寧「周泰てめぇええええええ!」
甘寧が吠える。陸遜の顔が赤くなる。
呂蒙「甘寧。皆がいなくなった後でな」
ポンと甘寧の肩に呂蒙は笑顔で手を置いた。
甘寧「なんのことだよ!!」
甘寧は動揺した。
凌統「陸遜すまない。こいつに悪気はないんだ。俺は呉軍の凌統。甘寧はこう見えて結構優しい奴なんだ。許してやってくれ」
陸遜「あ……はい」
甘寧「凌統! 俺のことはいいってんだ!」
周泰「何だか随分、陸遜に当たりが強いなー。ああーー! さては甘寧! 陸遜が可愛いからって照れ隠しかーー!」
甘寧「周泰! ぶっ殺すぞ! てめー!」
周泰「訂正して欲しかったら陸遜に優しくしろよ! やーい」
周泰は甘寧をからかうのを止めない。
呂蒙「なっ伯言。楽しい連中だろ?」
甘寧と周泰のやり取りを呂蒙は楽しんでいるようだ。
陸遜「えっええ……」
陸遜はとても不安になった。
呂蒙「さてと自己紹介も終わったことだし始めるか」
陸遜「お姉様……始めるって何をですか?」
呂蒙「うん? 今から伯言の力を示す為に野盗の根城見つけて叩き潰すんだよ」
陸遜「見つけて? しかも陽も傾いていますが……本当に今から捜索するのですか?」
後、数刻で完全に陽が沈む時間帯であった。捜索をするには決して適さない時間に陸遜は戸惑う。
呂蒙「そう。最近、表れた野盗はでねどこかに潜んでいるのは間違いないんだ。私と伯言と周泰の三とで甘寧と凌統の二手に別れて捜索する。まぁ競争だね」
甘寧「俺達が負けるわけねーだろ。なっ凌統」
凌統「どーかなー? 相手に呂蒙と周泰もいるし分からんぞ?」
甘寧「はっ! 凌統と俺の組み合わせは最強だろーが!」
甘寧は勝気でいる。
呂蒙「伯言。調子に乗ってる甘寧に一泡吹かせてやろうか」
陸遜「そうですね。甘寧さんには申し訳ありませんが」
陸遜の顔から不安な表情は消えていた。
甘寧と凌統は軍を率いて駐屯地を出発し呂蒙達も軍を整え出発しようとしていた。
呂蒙「甘寧と凌統も行ったな」
周泰「呂蒙。早く行かなきゃ先を越されるぞ」
呂蒙「いいんだよそれで。こちらが先に動いて付いて来られても困るしね」
周泰「ふーん。じゃあ出発を遅らせたのはわざとか」
呂蒙「そういうこと」
呂蒙は無邪気な笑顔を周泰に向けた。
呂蒙「伯言。野盗が表れたのは数か月前。主に商人の物質が狙われているが、時には町に現れ強盗までする連中だ。呉軍としても何度も捜索をしたが一向に根城が掴めない」
陸遜「被害にあった場所は一定の場所だけですか?」
呂蒙「そうだ。建業から少し離れた場所の被害が多くて救援に向かった時には既に野盗は逃亡している状況で捜査は難航している」
陸遜「地図を見せていただけますか?」
呂蒙「これだ。記のある場所が被害があった場所だ」
陸遜は呂蒙と地図を見る。
陸遜「野盗が捕まらない理由はおそらく根城を持たず絶えず移動しているからでしょう」
呂蒙「それは私も考えた。それに伴いそれなりの調査はしたが手掛かりが見つからない」
陸遜「殺人などの被害は?」
呂蒙「金品の強奪と女が攫われていて殺人はない。おとなしく金品を渡せば命までは取らないようだ」
陸遜「女性を? その女性達の素性は分かりますか?」
呂蒙「遊女が多いな」
陸遜「性欲を満たす為に攫うというよりも資産価値から攫っている可能性があります。人身売買は呉では認められているのですか?」
呂蒙「いや重罪だ」
陸遜「恐らく野盗は陸地にはいません」
呂蒙「……」
呂蒙の目が鋭くなる。
呂蒙「何故そう思う」
陸遜「被害のあった場所には必ず川の支流があります。強奪した物質を船で流し農民に扮して呉軍の追ってを躱していたのでしょう。でなければ手掛かりが掴めないなんてことはありえません」
周泰「ほえー……凄いな陸遜。そんなことまで分かるのか……」
周泰から驚嘆の声が漏れる。
陸遜「お姉様。川下に隠れましょう。物質を回収する野盗を叩くのが一番だと思います」
呂蒙「分かった。幾つかの支流があるが的を絞れるか?」
陸遜「流れの緩やかな川に行きましょう。おそらく無人の船に積み込んでいるはずです」
呂蒙「了解した。直ぐに向かおう」
呂蒙達は兵を率い川の中でも最も流れの緩やかな川の川下に向かった。
陸遜「お姉様! あれを見てください!」
呂蒙「ん? あれは……魚を捕る為の罠か?」
陸遜が指を指した先には木の棒が出ている。
陸遜「あの罠を調べて下さい。おそらくあれは罠ではありません」
呂蒙「分かった。周泰頼む」
周泰「ええ!? 私が行くのか? 兵にやらせればいいだろう!」
呂蒙「泳ぐは得意だろ?」
周泰「お前だって得意だろ!」
呂蒙「頼むよ。私は兵を伏せる為の準備をしなきゃいけないからさ」
周泰「何だよそれ……今回だけだからな!」
周泰が川に飛び込み木の棒がある場所まで泳ぐ。
その間に呂蒙と陸遜は数か所の伏せる場所に兵を分散させた。野盗が現れた時に取り逃さない為だ。
周泰「呂蒙!」
水から上がった周泰は呂蒙に叫ぶ。
呂蒙「何かあったか?」
周泰「あの罠、何か変だ。水面下の棒の間に魚を獲る為の網が張られていない。代わりに太めの棒が横に取り付けられてる」
陸遜「流れ着く船を止める為のものですね」
呂蒙「決まりだな。後はいつ現れるかか……」
陸遜「お姉様。ここは私と周泰さんに任せて直ぐに駐屯地を撤去して下さい」
呂蒙「なるほど。分かった。周泰、伯言のことを頼むよ」
周泰「任せな」
呂蒙は駐屯地を撤去する為に向かった。日が暮れ月が上る。周泰と陸遜は兵達に交代で仮眠させた。
周泰「陸遜。寒くないか?」
陸遜「私は大丈夫です。周泰さんこそ大丈夫ですか?」
周泰「へっちゃらさ。それにしても野盗の連中、来るなら早く来ないかな……」
陸遜「周泰さん。直に現れそうですよ」
小さな船が流れてくる。
周泰「やっとか……」
周泰は退屈な時間が終わることを喜んだ。
陸遜「野盗が現れてもすぐには攻撃しないで下さい。必ず水の中に入ってからしましょう」
周泰「了解した」
遠くから馬の足音が聞こえる。野盗達が強奪した金品を回収しに来た。数にして十人程の野盗達は馬から降り水の中に入る。
陸遜「今です!」
周泰「よっしゃ! さぁ行くよ!」
周泰の言葉に呉軍が一斉に野盗を包囲する。野盗は水の中に入っており逃げ出すことが出来ない。
周泰「観念しな! もう逃げられないからな!」
野盗達は逃げられないことを悟り抵抗せず呉軍に捕えられた。
陸遜「周泰さん! やりましたね!」
周泰「はは! 流石だよ陸遜!」
周泰と陸遜は喜んだ。
陸遜「直ぐにお姉様の元へ向かいましょう」
周泰「……」
陸遜の声が聞こえないかのように周泰は何かに意識を傾けていた。
陸遜「周泰さん? どうかしましたか?」
周泰「来る……」
陸遜「お姉様が向かっているのですか?」
周泰「敵が来るぞ! 備えろ!」
周泰は兵達に激を飛ばす。
野盗達の本体と思われる集団が周泰と陸遜に迫る。
周泰「陸遜! 圧勝だと思うけど私から離れちゃ駄目だからな!」
陸遜「はい!」
本来であれば決して負けることなどない戦い。軍が賊に負けることなどないと言うよりも軍に向かう賊などほぼいないからだ。
だがその予想は裏切られた。数にして百を超える賊が現れる。
迫りくる野盗を周泰は戟で薙ぎ倒すも予想以上の数に苦戦を強いられ兵達も応戦するも苦境に立たされた。捜索部隊として編成された兵は三十程しかいない。兵達に不安と恐怖が襲いかかる。
戦いが始まり時間にして十分くらい経過しただろうか野盗の後方から悲鳴が聞こえた。
甘寧と凌統の部隊が駆け付ける。
甘寧「周泰! 陸遜! 大丈夫か!」
甘寧が野盗を大剣で切り倒す。斬馬刀、甘寧の愛用する馬ごと叩き斬るその巨剣に野盗達は恐怖のどん底に落とされた。甘寧が巨剣を振るう度に野盗は欠損した死体へと姿を変えた。
凌統「甘寧! 全部殺すなよ! 出来るだけ生け捕りにするんだ!」
凌統が甘寧に忠告する。凌統は白馬に乗って野盗達を追い回す。凌統は甘寧に忠告するも自分はしっかり野盗の首を刎ねた。
周泰「甘寧! 凌統!」
周泰は二人の名を叫んだ。甘寧と凌統の出現で形勢は逆転し野盗はほぼ殲滅した。
凌統「間に合ってよかった」
周泰「助けてもらって言うのもなんだけどさ。どうしてここが分かったん?」
凌統「呂蒙が駐屯地を撤去する時に俺達は捜索を断念して戻っていたんだ。そこで呂蒙から話を聞いて作戦に参加させてもらったのさ」
周泰「そうだったの? それならもっと早く合流すればよかったじゃんか」
凌統「呂蒙に止められたんだ。一緒に退却することで野盗を騙せるんじゃないかって。だから遠回りになってしまった」
陸遜「結果として助けていただき感謝します。凌統さん。甘寧さん」
凌統「礼を言うのはこちらの方だ。なっ甘寧」
甘寧「まあな」
甘寧はそっけなく答える。
呉軍兵士「周泰様! 水の中の野盗達が舌を噛んで自決を!」
「!!」
陸遜達は驚く。
周泰「こんなこと初めてだ……」
甘寧「一生牢獄行きだ。死んだ方がマシだったんだろ」
陸遜「……」
陸遜はこの一件が一筋縄ではいかない予感がした。
陸遜達は呂蒙と合流する為に建業に向かう。
呂蒙「みんな。おかえり」
呂蒙が建業の城門で出迎える。
周泰「なんだよ一足先に帰るなんて随分薄情じゃないか」
呂蒙「ごめんごめん。どうしても確かめたいことがあってさ」
周泰「確かめたいこと? 何だよそれ」
呂蒙「はっきりと分かったら話すよ」
呂蒙は話を濁す。
呂蒙「それよりどうだ甘寧? 伯言の凄さが分かっただろ?」
甘寧「俺達が行かなかったら危なかっただろ!」
呂蒙「確かにそうだが。それでも伯言の必要性を理解出来ただろ?」
甘寧「まあな」
凌統「いやに素直じゃないか甘寧。散々走り回っても野盗を見つけることが出来なかった俺達には陸遜は本当に必要な存在だと思わざるを得ないもんな」
陸遜「……」
陸遜は顔を赤くする。
周泰「なぁ。早いところ休もう。疲れちゃったよ」
甘寧「周泰の意見に賛成だ」
周泰「腹ごしらえもしなきゃね」
凌統「そうだな。陸遜の歓迎会も兼ねて」
呂蒙「私は伯言と少し話があるから先に行ってくれないか」
凌統「分かった。汗を流してから宿舎の食堂に集合しよう」
凌統達はその場を去り呂蒙と陸遜だけがその場に残る。
陸遜「お姉様。野盗達ですが捕らえた者達は自決しました」
呂蒙「だろうね」
陸遜「どういう意味ですか?」
呂蒙「強盗の被害があった場所の近くの農民に軽く尋問したんだ。結果はそちらと同じだ。私はこの野盗共が普通ではないと思い甘寧と凌統を向かわせたんだよ」
陸遜「この事件には何やら秘密がありそうですね」
呂蒙「ああ。私は建業に出入りする者を調べる為に一足先に戻って来た。だが的が外れたようだ。特に怪しい者は見当たらなかった」
陸遜「そうでしょうか。おそらくは見落としているだけだと思われます」
呂蒙「伯言。その物言い……何か思うことがあるようだね」
陸遜「奪われた金品の所有者は分かりますか?」
呂蒙「呉で商いを生業とする商人達だ。同じ商人だけなら怪しいが全て違う商人達だ」
陸遜「余計にひっかかりますね……」
呂蒙「取り敢えず今は凌統達が待っているかも知れないから行こうか」
陸遜「はい」
呂蒙達は汗を流し食堂に向かう。
呂蒙「お待たせ」
甘寧「先にいただいてるぜ」
甘寧が料理をつまむ。
凌統「俺は待とうって言ったんだがどうしても腹が空いたって甘寧が言ってな」
呂蒙「気にしないでくれ。伯言、私たちもいただこうか」
陸遜「はい」
呂蒙達は食事を始める。
周泰「陸遜。一発目から大活躍だったけど呉軍はどうだ?」
陸遜「お姉様が私を呉軍に迎え入れたい気持ちが分かりました。呉軍は危ういですね」
甘寧「は?」
甘寧は陸遜を睨んだ。
凌統「陸遜。どうしてそう感じたんだ?」
陸遜「兵達が武将達に依存し過ぎている気がします」
甘寧「武将を頼るのは当然だろ。何言ってんだ」
呂蒙「そう伯言の言う通り。呉の君主、孫権様に付いて行く将兵は少なく、まだまだ経験が浅い者が多い……私を含めて井の中の蛙なのさ呉軍は。実戦と言えば山賊や海賊との戦いが多い。訓練はしているものの曹操軍相手に戦えるかどうか……」
甘寧「曹操軍なんざ俺一人でどうにでもしてやらあ」
凌統「それが出来ればいいんだがな」
甘寧「みんなが曹操軍を抑える。俺が曹操の首を刎ねる。それだけだ」
朱桓「ああ! 何かいい匂いすると思ったら!」
呂蒙「朱桓。戻っていたのか。徐盛と蒋欽は?」
徐盛「ここにいるよ」
蒋欽「さっき戻ってきたところだ」
朱桓、徐盛、蒋欽が現れる。
周泰「曹操軍の偵察任務だっけ? どうだった?」
蒋欽「劉表が亡くなったことで荊州は曹操軍に降った。南荊州も曹操軍の支配下になり呉の隣に危険な連中が居座ることになったってところだ」
呂蒙「劉備軍の動向は?」
徐盛「凄まじい大軍から追撃されながらも命からがら逃げ切ったみたいだ」
朱桓「甘寧さん。それ何食べてるんです? 私も一口もらってもいいですか?」
甘寧「何で俺のを分けなきゃなんねーんだ。呂蒙から貰えよ」
朱桓「うわぁ……けちだ」
甘寧「俺がけちなんじゃねー! お前が浅ましいんだよ!」
陸遜「私のでよければどうぞ」
朱桓「本当ですか! ありがとう! あれ? あなたは?」
呂蒙「新たな呉軍の仲間の伯言だ」
陸遜「陸伯言と申します。よろしくお願いします」
凌統「陸遜はいきなりの大活躍だった。あの野盗共を陸遜のおかげ仕留めることが出来た」
徐盛「それは凄いな。腕っぷしが強そうには見えないが」
甘寧「俺と凌統でやったんだよ。陸遜は野盗を見つけることに貢献しただけだ」
蒋欽「今まで見つけられなかったんだ。一番の功績だろ」
みんなが話をする隣で陸遜の料理を朱桓はがっつく。
朱桓「陸遜さんの分、少し残しておきました」
陸遜「あっありがとうございます」
皿には八割方食い荒らされた料理が残されていた。
呂蒙「伯言。私の分を食べるといい」
陸遜「大丈夫です。色んなことがあってお腹いっぱいです」
朱桓「じゃあ私がいただいてもいいですかぁ?」
朱桓は呂蒙の料理に釘付けになる。
呂蒙「好きなだけ食べるといいよ朱桓」
徐盛「食べ過ぎると豚になるぞ朱桓」
朱桓「育ち盛りの女の子は豚にはなりませーん」
甘寧「徐盛。言ってやれよ既に豚だってよ」
朱桓「甘寧さん。口悪い!」
凌統「甘寧なりの親睦の深め方なのさ。その内慣れるさ」
甘寧「俺が朱桓と親睦を深める? ないね」
甘寧は吐き捨てる。
徐盛「ところで戻ってくる途中で海賊を見かけた。こちらは川下にいたから追いかけなかったけど。早い内に退治しておいた方がいいだろう」
呂蒙「分かった。明日、早々に討伐に向かおう」
呂蒙の言葉に皆が頷く食べ続ける朱桓を除いて。陸遜は呉軍の武将達を挨拶を済ませ宿舎に向かった。
長い一日を終え眠りにつこうとする陸遜と呂蒙は布団に横になる。
陸遜「お姉様。まだ少し話せますか」
呂蒙「ああ。構わないよ」
陸遜「甘寧さんの武は頭一つ出ていますね」
呂蒙「事実上。呉軍最強の男だからね」
陸遜「驚きました。あんな大きな剣で人が薙ぎ払われる光景を目にして」
呂蒙「怖くなったかい」
陸遜「いいえ……私の知が甘寧さんの武に遅れをとるわけにはいかないと思いました」
呂蒙「ふふっ……頼もしい言葉だよ伯言」
陸遜は呉の武将達を従え曹操軍との戦いを思い描き、呉軍の初日を終えた。




