↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷子  作者: 三幸
19/134

鳳雛参戦 下

鳳雛参戦 下


 関羽とキョウは零陵に向かう。ホウ統の指示通り零陵が見えるか見えない場所に陣を構え関羽とキョウはホウ統が来るのを待つが一向に現れない。


キョウ「ホウ統さん。遅いですね」


関羽「ふむ……このままでは日が暮れてしまう」


キョウ「ええ……関羽さん。城攻めに夜襲をかけることどう思います」


関羽「悪くはない。だが零陵から遠すぎる……夜道を進むことは敵の伏兵に襲われることも想定しなければならん。得策ではない」


キョウ「では敵が夜襲を仕掛けることも向こうにとって同じことが言えるわけか」


関羽「今日のところは休もう。兵に食事の用意をさせてくれ」


キョウ「分かりました」


 兵士達が松明を付け夜襲に備える頃、陣営からは食事の用意が進められた。


関羽「キョウと二人で食を取るのは初めてだな」


キョウ「ええ。いつもみんなと一緒ですから」


関羽「キョウは何かそれがしに聞きたいことはあるか?」


キョウ「以前、周倉君から黄巾の乱の話を聞きました」


関羽「黄巾の乱か……一体、何が正しいのか分からなかった戦いだった」


キョウ「……」


関羽「曹操と呉の孫権殿の父、孫堅と共に乱を鎮めるべく戦った……今となれば何故、守るべく者達と戦わねばならんのか……」


キョウ「周倉君を仲間に入れたのは関羽さんですよね」


関羽「ああ……黄巾の乱が終息しようとした頃だ。多く黄巾の兵が討たれ、子どもが戦場に駆り出された。死の恐怖……いや……大人達に命令され止む無く戦場に立たされ悲しい顔をした子ども達だ……」


キョウ「黄巾の乱の首領は一体何を考えていたのでしょうか……信じられない」


関羽「黄巾の乱の首領は張角と言ってな。決して悪人ではなかったよ。少なくとも張角が健在の時は黄巾の兵は暴徒と化さずにいた。張角が亡くなったと聞いてからはもう悲惨なものだ。やりたい放題の惨状で同時に頭を失い烏合の衆と化した」


キョウ「そうだったんですか……」


関羽「その後が悲惨だった……中華史上最悪の男が都を占拠した。その者の名は董卓と言って残酷な男で誰もあの男には逆らえなかった」


キョウ「その男は今どうしてるのですか?」


関羽「死んだよ。中華全土で打倒董卓を掲げ劉備軍、曹操、孫堅……またも共に戦うことになった。だが董卓は義理の息子である呂布に殺された」


キョウ「義理の息子に殺されるなんてその呂布は義憤で……」


関羽「呂布に義憤? そんなものあの男にはない」


キョウ「え……」


関羽「武の化身……それがし、劉姉、張の三人がかりでも討つことが出来なかった」


キョウ「信じられない! その三人で倒せないなんて!」


関羽「そう……だが呂布は曹操に敗れた……武の終わりを感じたよ。戦争は量で決まり、謀略で窮地を乗り越える時代になった」


キョウ「……」


関羽「それがしは思うんだ。武とはそれほど弱いものか。決してそんなことはない。前線の将兵を奮い立たせる武は単純明快で美しいものだと」


キョウ「関羽さん……」


関羽「強くなりたいという願望を捨て、強くならねばならないと己を追い込む。それこそが日々の生活に表れ清く研ぎ澄まされた自分に成長していくものだと思っている」


キョウ「僕はやっと分かりました。長坂の戦いの時、張飛と趙雲さんが物凄くカッコよく見えましたその理由は純粋で……」


関羽「キョウ。そこから先は言わないでくれ……長坂の場にいなかったこと……それがしにとっては本当に悔しい思いだったのだ……」


キョウ「……」


 キョウは関羽のやりきれなかった思いを知り口を閉じる。


関羽「さてと……少し話が長くなったな。明日にはホウ統殿も来るだろう。もう休もう……」


キョウ「はい」


 関羽は休む為に鎧を脱ごうとするが……中々脱げない。


関羽「キョウ。すまんが鎧を脱ぐのを手伝ってくれないか。いつもは周倉に手伝ってもらっているんだが……」


キョウ「構いませんよ。これですね……この紐を解けば……っと」


 キョウは関羽の鎧の結び目を解く。


キョウ「!」


関羽「どうした?」


キョウ「いえ! 何でもありません!」


 キョウは驚いた。鎧で全く分からなかった関羽の身体は引き締まった身体に

似つかわしくない? いや、女性らし全開の身体に。


キョウ「関羽さん……凄いですね……」


関羽「ああ。これか? 昔はこれが嫌でな……小さい頃からよく揶揄われたものだ」


キョウ「揶揄う……関羽さん相手に? その後は……」


関羽「はははは! 決まっているだろう! 鉄拳制裁しかあるまい!」


キョウ「ですよね……」


関羽「今ではそれ程気にしてはいない。鎧を着ていれば気づかれないしな」


キョウ「曹操軍の斧使いの人も凄かったけど……関羽さんも負けてない……」


関羽「斧使い? ああ! 徐晃のことか! 流石にあんなに大胆にはなれんな」


キョウ「このことは内緒にしておきますね」


関羽「そうしてくれ、キョウだからこそ気を許したのだからな。ははははは!」


 こうして関羽とキョウの二人だけの時間は終わりそれぞれ床に就く。






劉備軍兵士「関羽様! 零陵の城門が空いております!」


関羽「なんだと! 直ぐに支度する!」


 日が昇り始める前、空は白くなる頃に兵からの報告に関羽は急ぎ支度をする。


キョウ「あっ関羽さん!」


関羽「キョウ。既に起きていたか」


キョウ「はい。報告を聞き急いで準備をしました。しかし驚きですね……昨日までは確かに閉まっていた城門が何故……」


関羽「いつから空いていたんだろうか……敵の誘いかもしれんが進もう」


キョウ「はい! 全軍にいつでも後退できるように指示を出しておきます」


関羽「うむ」


 関羽とキョウは兵を率い零陵に向かう。


キョウ「あれ? 誰かいる……あれはホウ統さん!?」


 零陵の門の前でホウ統が立っている。キョウと関羽は急ぎホウ統に駆け寄った。


ホウ統「待ちくたびれたぜ」


関羽「ホウ統殿。何故あなたがここに」


ホウ統「零陵ならもう落ちました。さぁ関羽殿あなたが先陣で門をくぐって下さい」


関羽「一体何を……」


ホウ統「行けば分かります」


キョウ「ホウ統さん! 零陵が落ちたってどういうことですか!」


ホウ統「その答え合わせは後でしようや」


キョウ「……」


 キョウには何がどうなっているのか分からなかった。


関羽が城門をくぐる。


「関羽様ぁあああ!」


一斉に歓声が聞こえる。零陵の民そして将兵達が関羽の到着を歓迎したのである。


関羽「ははっ……これは一体どういうことだ……」


ホウ統「関羽殿。この歓声が聞こえるでしょう。応えてあげてください」


関羽「あっああ」


 関羽は馬に乗りながら前へ進む。零陵の民に手を振ると大きな歓声がまたも上がった。


キョウ「何故、これほどの歓迎を受けるんだ……ここは敵なんじゃないのか」


ホウ統「答え合わせをしようか。元々ここは亡くなった劉表殿の治める地だった。だが曹操に帰順するしか道が残されていない民は止む無く曹操に従っていた」


キョウ「仮にそうだとしても!」


ホウ統「ここで外せない急所が二つある。一つは関羽殿の人気と陣を構えた場所。関羽殿は義の人だ。民に手を出すことなどしない。そして布陣した場所。俺は零陵に単身入り込み、民にこう言って回ったのよ。関羽将軍は零陵の民が怯えているのではないかと思い。敢えて遠くに布陣した。零陵は曹操に怯え苦しんでいる。その民をまたも怯えさせてはならないと関羽将軍はお考えになっている」


キョウ「!」


ホウ統「これは関羽殿の人望があってこそ出来たことだ」


キョウ「二つ目は一体……」


ホウ統「ははははは! 言わなくても分かるだろう! 当ててみな軍師みならい!」


キョウ「分かった……関羽さんに投降すればこの地は劉備さんが治めることになる」


ホウ統「正解だ。ちょっと簡単過ぎたかな。その二つのことを明確に民伝えそして仕上げの言葉よ」


キョウ「仕上げの言葉?」


ホウ統「ああ。でっかい声で熱く言うのよ! このままでいいのか! 今ここで関羽様のご配慮に応えなくては零陵は三代に渡る恥を残す! ってな」


キョウ「言葉だけで城を落としたのですか!」


ホウ統「この戦いは条件が整いすぎてる。やらない方が馬鹿だぜ?」


キョウ「これが鳳雛……」


ホウ統「よせやい。俺は昔から人の心を読むことが得意なんだ」


 答え合わせが終わりキョウは感動すら覚えた。孔明とは質の違う考え方に……関羽は歓声に気分を良くし手を振り続ける……その時、関羽は急いで支度したことから鎧を結ぶ紐が解け鎧ははだけた。


関羽「おわぁああああああ!」


 関羽の胸が民衆に晒れた。着物の上からでも分かるその大きさに零陵の民と同行していた劉備軍の兵から最高潮の歓声が上がる。


ホウ統「ははははは! 流石は関羽殿! 一気に零陵の民の心を攫っていったな!


これは俺にも読めんかったわ!」


キョウ「うん……これはもう秘密に出来ないな……」


 キョウは昨晩の約束を反故することに決めた。


関羽「キョウぉおお! 早く! 早く鎧を!」


赤面する関羽は手で隠し切れない旨を必死に抑える。


キョウ「もうそのまんまでいいんじゃないですか?」


関羽「馬鹿なことを言ってるんじゃないぃいいい!」


 馬上の関羽は真っ赤な顔で叫んだ。


 こうして零陵は敵味方共に一兵の犠牲を出さず攻略に成功した。同時に関羽の隠していた魅力は一年と経たず中華に広まることになる。


キョウ「先生。零陵攻略を終え只今帰還しました」


諸葛亮「報告は聞いています。無血開城に成功したようですね」


 キョウと関羽は零陵の攻略を終え陣に戻り孔明に作戦成功の報を伝える。


キョウ「はい。ホウ統さんの知略存分に堪能させていただきました」


諸葛亮「それは良かった。先程、趙雲殿と張飛殿も無事に攻略に成功したようです」


関羽「随分あっけなかったな」


キョウ「確かに。今までが本当に厳しい戦いだったので余計にそう感じるのかも知れませんね……」


諸葛亮「赤壁の戦いで曹操軍は敗れました。元々ここは、劉表殿が治めていた土地。完全に曹操に帰化したわけではありません。それに曹操軍からの援軍が来ないことを分かっているので士気が低いのです」


諸葛亮「しかし南郡最後の長沙だけは簡単には落とせそうにありません」


キョウ「何かあるのですか?」


諸葛亮「南郡最後の城には名将黄忠殿がいます。油断していると痛い目を見るでしょう」


関羽「神弓の黄忠か。それは厄介だな」


キョウ「黄忠……劉備軍には関羽さん、張飛、趙雲さんもいるのに。先生が心配するほどの武将……一体どのような怪物なんだ……」


 関羽が厄介だと言う黄忠にキョウは不安を感じた。


諸葛亮「キョウ。長沙攻略は弓の対策は必須です。木盾の準備が出来次第、攻略を開始します」


キョウ「分かりました」


 キョウは孔明の指示に従い長沙攻略の準備に向かう。


劉備「キョウ君。探しましたよ」


キョウ「あっ劉備さん」


 兵達と共に木盾の準備を進めている所に劉備が現れる。


劉備「飛ちゃんから話を聞きました。キョウ君が皆に構って欲しくて拗ねてると」


キョウ「なんだか全く違う意味で伝わっているようですね」


劉備「そうなのですか? 拗ねてないのですか?」


キョウ「拗ねてなどいません。劉備軍の皆さんには本当に良くして貰っていると思っています。只、凄い人達に囲まれてると……」


劉備「そういうことでしたか。キョウ君が凄いと思っている者達は自分自身のことは凄いとは思っていないでしょうね」


 劉備はもくもくと話始めるも強い口調で語る。


劉備「頭が良ければ凄いのですか? 武に長けていると凄いのですか? 他人に対して凄いと思っても己を卑下する必要はありません。凄いと思う者達に追いつく努力をすれば良いのです。最も大事なことは他人を評価するよりも己を磨こうとすることですよ。『凄い』とはキョウ君が作り上げた偏見の一つです」


キョウ「はい。ありがとうございます」


 張飛とは違う励ましにキョウは礼を伝える。 


劉備「別に怒っているわけではありませんよ」


キョウ「分かっています」


劉備「因みに私のことも凄いと思いますか?」


キョウ「はい。凄いと思います」


劉備「どこがですか?」


キョウ「えっ? それは優しくて皆に好かれているし……声望もあって」


劉備「もーキョウ君! 止めて下さいよ! 優しくて美人で劉備軍で一番可愛くてキョウ君が一番大好きな人だなんてーー!」


キョウ「何一つ言っていないのですが……」


劉備「早速このことは雲ちゃんと飛ちゃんと孔明に伝えてきますね! キョウ君が私のことを大好きだって!」


劉備が全力で走っていく。


キョウ「劉備さん! 待って下さい! それは大きな誤解を招きます!」


 劉備の背中にキョウは叫ぶも劉備は止まらず走って行った。


キョウ「やれやれ……このおちゃらけた感じも劉備さんの魅力なんだろうな。しかし劉備さん……走るの早いな……」


 キョウは兵達と共に木を切り草で作られた紐で繋ぎ合わせ盾を作る。木の盾は火に弱いことから水を掛けてから使用されることが多かった。キョウは兵達と共に二百を超える盾を用意し長沙攻略に備えた。





ホウ統「趙雲殿」


趙雲「ホウ統殿。自分に何か御用ですかな?」


 馬の世話をする趙雲にホウ統が声を掛ける。


ホウ統「先程の戦いお見事でしたなー。戦果を聞きました」


趙雲「ありがとうございます。ホウ統殿に言われると嬉しいですな。ちょうどいい。ホウ統殿に少しお聞きしたいのですが」


ホウ統「どうぞ何でも聞いて下さい」


趙雲「先日まで呉におられたようですが、呉に自分と同格の武将はおりますか? 自分はこの大きな中華でどの程度の存在かと思いまして」


ホウ統「勇将趙雲殿からそんな言葉が出るとは……いいでしょうお答えしましょう。まず趙雲殿は中華の中でも五本の指に入ります。それは断言できます。それと趙雲殿のような武将は呉軍にはおりません。曹操軍百万の中を単騎で掛けれる者などおりません。しかし油断は出来ません。呉軍は趙雲殿に及ばずとも良将揃い。そして何より連携を得意とした戦が非常にうまい」


趙雲「ふむ……連携か……」


ホウ統「軍師その物の力もあるでしょうが武将の絆が非常に強いのが呉軍の特徴です」


趙雲「そうですかありがとうございます。呉軍と戦うことはないでしょうが連携を断つには確実に武将達を倒さねばならんか……なるほどな……」


 趙雲は一人納得する。


ホウ統「趙雲殿。あなたは劉備軍の要です。強いだけの武将よりも個々に課せられた任務を全うする武将がこれからは必要になります。孔明は誰よりも趙雲殿を必要としている。それだけは忘れないで下さい」


趙雲「孔明軍師が? 嬉しいことです……」


ホウ統「劉備軍は役割が完全に別れていることから足りない部分を個々が負担する形になっています。この長沙の戦いはその足りない部分を埋める為の戦いでもある」


趙雲「それは自分も以前から分かっていました。自分に出来れば良かったのですが……」


ホウ統「まぁ。そう気張りなさるな。長沙攻略が解決してくれるでしょう」


趙雲「ええ……楽しみですな」


 趙雲はホウ統の長沙攻略の本当の意味を知った。







張飛「周倉何やってんの? 一人で遊んでるの?」


周倉「遊んでるって……おいら一人で訓練してるんです!」

 周倉は誰もいない草原で戟を振る。


張飛「へー訓練してるんだー。そんなので強くなるのー」


周倉「くっ! 少し強いからって! 馬鹿にしないで下さいよ!」


張飛「それよりも周倉。良いこと教えてあげるよ」


周倉「良いこと? 嫌な予感しかしない……」


張飛「あのね好きな人に自分のことを振り向かせるには距離が大事なんだって?」


周倉「距離?」


張飛「近づき過ぎちゃいけないんだってさ」


周倉「そうなんですか! でもそれって辛くないですか?」


張飛「うん。ちょっとねー」


周倉「おいら良く分からないけど自分の気持ちに素直でいたいです」


張飛「そうなの?」


周倉「おいらは好きな人と一緒にいるだけで幸せですから」


張飛「ふーん。周倉なんだか大人だねー」


関羽「おっ張! 周倉も一緒か!」


周倉「姉御!」


張飛「関姉どうしたの?」


関羽「最近、料理を始めてな。周倉に時々味見をして貰っておるのだ。張もどうだ?」


張飛「張飛は今はいいやー」


関羽「そうなのか? 機会があったら是非試してみてくれ」


張飛「うん。その内ねー」


周倉「姉御! おいら、丁度お腹が空いてたんだ!」


関羽「そうか周倉! では早く行こう! 今日も沢山食べてくれよ!」


周倉「うん!」


張飛「なんだか周倉楽しそうだなー。いいなー」


 関羽と共に歩く周倉を羨ましそうに張飛は見送り張飛は一人草原に取り残されたと思った。


キョウ「張飛。今一人?」


張飛「兄ちゃん!」

 キョウの登場に気付かなかった張飛は驚きよりも喜びの方が大きかった。


キョウ「どうしたの? そんなに驚かなくても……少し一緒にどうかな」


張飛「へへへ。ホウ統おじさんの言った通りになった」


キョウ「ホウ統さんの? 一体どういうこと?」


張飛「いいの!」


キョウ「張飛……聞きたいことがあるんだけど」


張飛「なあに?」


 張飛は上機嫌で応える。


キョウ「僕はね。張飛と出会えて本当に運が良かったと思うんだ……うっ……」


 話始めたキョウは突如、耳鳴りと頭痛に襲われる。


張飛「兄ちゃんどうしたの?」


キョウ「何だ……頭が急に……!」


 キョウは頭を押さえ膝を付く。


張飛「大丈夫!? お医者さん呼んでくる!?」


キョウ「大丈夫……少し休めば直ぐによくなる……ごめん少し横になるよ……」


 キョウは草原に横たわる


張飛「うん! 張飛がその間守ってあげるから安心して!」


キョウ「ありがとう……」


 キョウは張飛に礼を伝えるも同時に意識を完全に失った。


張飛「……」


 張飛はキョウを心配そうに眺める。


張飛「兄ちゃん……起きてる?」


 張飛の呼び掛け人キョウは反応しない。完全に寝ているようだ。


張飛「一緒に寝ながら……守れるよね……」


 張飛はキョウに寄り添いいつの間にか寝てしまった。






『君の感じるその温もりが鍵となる……忘れないで……』







 夢の中でキョウは聞き覚えのある声を聞いた……いつ聞いた声だったのだろうか思い出せない。


キョウは目を覚ます。


キョウ「張飛……」


 右腕が張飛の体温で暖かい……無垢な寝顔にキョウは張飛が本当の妹であればよかったのにと思った。


キョウ「後少ししたら起こして行くか……風が気持いいな……」


 草原が風で揺られる葉の音が流れる。とても幸せを感じる時間を満喫した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。