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空間欠損の魔法師  作者: 猫宮みけ
第二章 深層拒絶編

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第75話 ──御門玲奈の代表選抜試験──

第75話 ──御門玲奈の代表選抜試験──


第一試験の熱気がまだ残る訓練場。

神代先生が次の名前を読み上げる。


神代

「次──

 御門玲奈みかど れいな。」


観客席がざわつく。


「御門……!?」

「空間系統の名門……!」

「直系のお嬢様がついに……!」


悠斗

「……御門って、そんなにすごい家なのか?」


玲奈

「ただの家だよ。」


悠斗

「いや、周りの反応が“ただの家”じゃないんだけど……」


オルタ

「玲奈……空間の気配が綺麗。」


玲奈

「ありがとう、オルタちゃん。」


近くの生徒が小声で説明する。


生徒A

「御門家は空間魔法の最高峰。

 空間の“整合”を司る家系だよ。」


生徒B

「玲奈さんはその直系。

 アークライトの本物の天才。」


悠斗

「……マジか……」


玲奈は静かに微笑み、

訓練場の中央へ歩き出した。


その歩みは、

まるで空間が彼女に合わせて“整っていく”ようだった。


---


◆ 対戦相手:火系統のエリート


神代

「御門玲奈の対戦相手は──

 桐生きりゅう じん。」


桐生は炎をまとい、堂々と立つ。


桐生

「……御門さん。

 俺、手加減はしないからな。」


玲奈

「うん。

 私も、しないよ。」


桐生

「……っ!」


玲奈の静かな言葉に、

桐生は一瞬だけ息を呑んだ。


---


◆ 六校代表の反応


「ふふ……御門家の舞、見せてもらおう。」


セラ

「空間の揺らぎ……安定している。」


ライカ

「悠斗くんとは真逆のタイプだな……」


イツキ

「影は……彼女を避けている。」


ガロウ

「……完成された技術だ。」


---


◆ 試験開始


神代

「両者、構え!」


桐生は炎をまとい、

魔力を高める。


桐生

「《火纏ひまとい》!!」


炎が桐生の体を包む。


玲奈は……

ただ指先を軽く上げただけ。


神代

「第一試験──開始!」


桐生

「うおおおおおお!!」


桐生が炎をまとって突進する。

その熱気が訓練場を揺らす。


観客席

「桐生の本気だ……!」

「御門さん、避けるのか……?」


玲奈は動かない。


悠斗

「玲奈!!」


玲奈

「……大丈夫。」


桐生の炎が玲奈に迫る。


玲奈は、

まるで花びらを摘むような繊細な動きで

指先をひと振りした。


玲奈

「《空間固定スペース・ロック》。」


空間が“静かに硬化”した。


桐生の炎が、

玲奈の前で“ふわり”と止まる。


桐生

「……っ!?

 炎が……止まって……!」


玲奈

「空間を整えると……

 流れは乱れないの。」


その声は、

戦闘中とは思えないほど静かで優雅だった。


---


◆ 玲奈の“優雅な本気”


桐生

「だったら……

 これならどうだ!!」


桐生は炎を一点に集中させ、

巨大な火球を形成する。


桐生

「《火破・紅蓮弾ぐれんだん》!!」


訓練場が赤く染まるほどの火力。


玲奈は一歩だけ前に出た。

その動きは、

まるで舞踏の一歩のように滑らか。


玲奈

「……空間よ。」


空間が玲奈の周囲に集まり、

静かに“形”を持ち始める。


玲奈

「《空間拘束スペース・バインド》。」


紅蓮弾が玲奈に触れる前に、

火球の周囲の空間が“固まり”、

 火球そのものが動きを失った。


桐生

「な……!?

 紅蓮弾が……止まった……!」


玲奈

「あなたの魔法は強い。

 でも……

 “流れ”を整えれば、

 暴れないよ。」


玲奈は指先を軽く下ろす。


玲奈

「《空間圧縮スペース・クラッシュ》。」


紅蓮弾が、

 空間ごと“ぎゅっ”と縮んで消えた。


桐生

「……っ……!

 空間ごと……圧縮……?」


玲奈

「うん。

 あなたを傷つけないように、

 “魔力だけ”を潰したの。」


桐生は膝をついた。


神代

「そこまで!!

 勝者──

 御門玲奈!!」


観客席が一斉に沸く。


「御門さん……優雅すぎる……!」

「動きが舞踏みたいだった……!」

「空間魔法の完成形だ……!」


---


◆ 六校代表の評価


「ふふ……美しいね。」


セラ

「空間の揺らぎ……完璧。」


ライカ

「悠斗くんとは真逆の天才だな……」


イツキ

「影は……彼女を恐れている。」


ガロウ

「……御門玲奈。

 優雅で、強い。」


---


◆ 試合後


玲奈が戻ってくる。


悠斗

「玲奈……すげぇよ……

 なんだよあの優雅な戦い……!」


玲奈

「ありがとう。

 ……悠斗が見ててくれたから、

 綺麗に戦えた。」


悠斗

「えっ……」


玲奈

「ふふ。」


オルタ

「玲奈、綺麗だった。」


玲奈

「ありがとう、オルタちゃん。」


悠斗

「……なんか俺だけ照れてるんだけど……」


玲奈

「それでいいよ。」


悠斗

「よくねぇよ!!」


玲奈は微笑んだ。

その笑顔は、

空間のように静かで、

そして優雅だった。


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