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空間欠損の魔法師  作者: 猫宮みけ
第二章 深層拒絶編

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第74話 ──水瀬の本音と、代表たちの評価──

第74話 ──水瀬の本音と、代表たちの評価──


第一試験が終わり、

訓練場の空気はまだざわついていた。


悠斗はベンチに腰を下ろし、

深く息を吐く。


悠斗

「……疲れた……」


玲奈

「でも、ちゃんと勝ったよ。」


悠斗

「勝ったっていうか……

 水瀬さんの攻撃を“消した”だけだろ……」


オルタ

「それが勝因だよ。」


悠斗

「褒められてる気がしねぇ……」


そんな悠斗の前に、

水瀬が静かに歩み寄ってきた。


水瀬

「篠原くん。」


悠斗

「う、うん……?」


水瀬は深く頭を下げた。


水瀬

「……ありがとうございました。」


悠斗

「えっ、なんで謝るの……?」


水瀬

「謝っていません。

 お礼です。」


悠斗

「お礼……?」


水瀬

「あなたと戦って……

 “自分の限界”がわかりました。」


玲奈

「水瀬さん……」


水瀬

「私はずっと、

 “努力すれば届く”と思っていました。

 でも……あなたの力は……

 努力で届く範囲ではありません。」


悠斗

「いやいやいやいや!!

 そんな大したもんじゃないって!!

 俺だってよくわかってないし!!」


水瀬は首を振る。


水瀬

「わからないからこそ……

 恐ろしくて、美しい。」


悠斗

「美しい!?

 俺の欠損が!?

 どこが!?」


玲奈

「……わかる気がする。」


悠斗

「わかるのかよ!!」


オルタ

「悠斗の“穴”、綺麗だよ。」


悠斗

「言い方ァ!!」


水瀬は微笑んだ。

その表情は、戦いの時よりずっと柔らかい。


水瀬

「篠原くん。

 あなたは……

 “選ばれた側”の人です。」


悠斗

「選ばれたくなかったぁぁぁ!!」


玲奈

「ふふ……」


水瀬

「でも……

 あなたがどう思っていても、

 あなたの力は……

 “世界に影響を与える”ものです。」


悠斗

「……そんな大げさな……」


水瀬

「大げさではありません。

 私は……今日、確信しました。」


水瀬は静かに頭を下げた。


水瀬

「篠原くん。

 あなたの戦いを見られて……

 光栄でした。」


そう言って、水瀬は去っていった。


悠斗

「……なんか……

 すげぇこと言われた気がする……」


玲奈

「すごいこと言われてたよ。」


オルタ

「うん。

 悠斗は“特別”。」


悠斗

「やめてくれぇぇぇ!!」


---


同じ頃──六校代表の“評価会議”


訓練場の上階、

観覧室に六人の代表が集まっていた。


「ふふ……やっぱり面白いね、悠斗は。」


セラ

「破綻の“線”と“面”。

 意図的発動……確認。」


ライカ

「いや、マジでやべぇよあれ。

 あんなの、普通の魔法じゃねぇ。」


イツキ

「影が喜んでいる……

 “世界の穴”は、影と相性がいい。」


ガロウ

「……戦士としての器は十分。

 だが、制御が未熟だ。」


「未熟だからいいんだよ。

 伸びしろがある。」


セラ

「危険性も……高い。」


イツキ

「国家魔法局が黙っていないだろう。」


ガロウ

「……だが、

 “奪われる”のはもっと良くない。」


「そうだね。

 だからこそ――

 交流戦に出す価値がある。」


セラ

「観察……継続。」


ライカ

「俺は楽しみだな!」


イツキ

「影は……彼を欲している。」


ガロウ

「……決まりだな。」


六人の視線が、

訓練場で座り込む悠斗へと向けられる。


「篠原悠斗。

 君はもう――

 “ただの生徒”じゃない。」


---


そして──


悠斗

「……なんか寒気がする……」


玲奈

「気のせいじゃない?」


オルタ

「ううん。

 悠斗、見られてるよ。」


悠斗

「誰にだよ!!」


オルタ

「世界に。」


悠斗

「やめろぉぉぉ!!」


こうして、

第一試験は幕を閉じた。


だが――

悠斗を巡る“評価”と“興味”は、

ここからさらに加速していく。


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