第73話 ──拒絶の面、初めての展開──
第73話 ──拒絶の面、初めての展開──
水瀬の魔力が変わった。
空気が冷える。
訓練場の床に薄氷が走る。
玲奈
「……水瀬さん、本気だ。」
悠斗
「(……線じゃ足りない。
次は“面”で受けるしかない。)」
水瀬は静かに息を整え、
両手を前に突き出した。
水瀬
「《氷槍連陣》。」
空中に十数本の氷槍が並び、
悠斗を狙って角度を変える。
観客席がざわつく。
「水瀬さんの本気……!」
「これ、普通に危ないやつじゃ……」
「篠原くん、大丈夫か……?」
六校代表も反応する。
煉
「ふふ……いいね。
“追い詰められた時”が一番美しい。」
セラ
「破綻の反応……強まってる。」
ライカ
「悠斗くん、どうするんだ……?」
イツキ
「影が期待している……」
ガロウ
「……見せてもらおう。」
水瀬
「行きます。」
氷槍が一斉に放たれた。
速度も角度もバラバラ。
避けるのは不可能。
玲奈
「悠斗!!」
悠斗
「……来るなら――」
手を前に出す。
胸の奥にある“あの感覚”を、
今度はもっと広く、もっと強く。
悠斗
「――全部、消えろ。」
“空間が沈んだ”。
悠斗の前方に、
人の上半身ほどの“欠損面”がふっと広がった。
透明でも黒でもない。
“そこだけ世界が存在しない”空白。
氷槍が触れた瞬間、
音もなく“消えた”。
水瀬
「……っ!?
槍が……全部……?」
観客席が一斉に立ち上がる。
「今の……何……?」
「魔法じゃない……」
「空間が……消えた……?」
六校代表の反応は鋭い。
煉
「……面まで出せるのか。
やっぱり、君は面白い。」
セラ
「破綻の“平面展開”。
これは……危険。」
ライカ
「やべぇ……
あれ、どうなってんだ……?」
イツキ
「影が震えている……
“世界の穴”だ。」
ガロウ
「……戦士の器だ。」
悠斗は欠損面を見つめる。
悠斗
「……できた、のか……
これが……“面”……」
玲奈
「悠斗……すごい……!」
オルタ
「うん。
悠斗はもう“面”を出せる。」
水瀬は震える息を整えながら、
悠斗をまっすぐ見つめた。
水瀬
「……あなた……
本当に……何者なんですか……?」
悠斗
「俺が一番知りたいわ……」
欠損面は、
悠斗の集中が緩むと同時に
ふっと消えた。
神代
「そこまで!!
第一試験、終了!!」
観客席がどよめく。
「篠原くん……やばすぎる……」
「これ、エリートクラスのレベルじゃないだろ……」
「いや、レベルじゃなくて……現象……?」
悠斗
「……はぁ……はぁ……
なんとか……なった……?」
玲奈
「うん。
悠斗、ちゃんと“自分で”出してたよ。」
オルタ
「そして“自分で”消せた。」
悠斗
「……そう、なのか……」
六校代表が立ち上がる。
煉
「ふふ……最高だよ、悠斗。」
セラ
「破綻の揺れ……
もっと見たい。」
ライカ
「次の試験、楽しみだな!」
イツキ
「影は、君を歓迎している。」
ガロウ
「……次は“力”を見せてもらう。」
悠斗
「やめてくれぇぇぇぇ!!」
こうして、
篠原悠斗は初めて
“意図して欠損面を展開し、
そして閉じる”ことに成功した。
それは、
六校代表の興味を決定的に深め、
ヴェルスの暗躍を加速させ、
そして――
悠斗自身の運命を大きく動かす一歩となった。
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周りのボケキャラが増えた気がする




