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空間欠損の魔法師  作者: 猫宮みけ
第二章 深層拒絶編

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第72話 ──第一試験開始:篠原悠斗 vs 水瀬──

第72話 ──第一試験開始:篠原悠斗 vs 水瀬──


放課後。

アークライト学園・第一訓練場。


観客席にはエリートクラスの生徒たちが集まり、

その最前列には――

六大魔法学園の代表たちが並んでいた。


「ふふ……始まるな。」


セラ

「観察……楽しみ。」


ライカ

「ワクワクするなぁ!」


イツキ

「影がざわつく……」


ガロウ

「……見極める。」


悠斗

「なんで全員来てんだよ……」


玲奈

「そりゃ来るよ。

 悠斗を推薦したの、全員なんだから。」


オルタ

「悠斗、人気者。」


悠斗

「嬉しくねぇ……!」


そんな中、

神代先生が訓練場の中央に立つ。


神代

「第一試験──対人戦。

 最初の組み合わせは……」


悠斗

「(頼む……優しい相手で……)」


神代

「篠原悠斗 vs 水瀬みなせ。」


悠斗

「……水瀬?」


玲奈

「同じエリートクラスの子だよ。

 水系統の優等生。」


オルタ

「悠斗とは真逆。」


悠斗

「言い方ァ!!」


訓練場の中央に、

一人の少女が歩み出る。


長い黒髪を後ろで束ね、

姿勢の美しい少女。


水瀬 れい

アークライト学園エリートクラス。

水系統の高い適性を持つ、成績上位の優等生。


水瀬

「……篠原くん。

 よろしくお願いします。」


悠斗

「あ、ああ……」


水瀬は礼儀正しい。

だがその瞳には、

“勝つことが当然”という静かな自信が宿っていた。


水瀬

「正直に言います。

 あなたが推薦された理由はわかりません。

 でも……

 私はエリートクラスの代表として戦います。

 手加減はしません。」


悠斗

「(……真面目だ……!)」


玲奈

「水瀬さん、強いよ。

 普通にやったら悠斗は勝てない。」


悠斗

「励ましてくれよ……!」


オルタ

「大丈夫。

 悠斗には“普通じゃない”魔法がある。」


悠斗

「それが一番怖いんだよ!!」


神代

「両者、構え!」


水瀬は静かに手を上げ、

水の魔力を練り始める。


悠斗は深く息を吸った。


(……逃げられないなら、

 “消す”しかない。)


「ふふ……始まる。」


セラ

「観察開始。」


イツキ

「影が喜んでいる……」


ガロウ

「……見極める。」


神代

「第一試験──開始!」


水瀬

「《水刃すいじん》!」


水瀬の周囲に水の刃が形成され、

一斉に悠斗へと飛ぶ。


玲奈

「悠斗、来るよ!」


悠斗

「……わかってる。」


(来るなら……

 “そこ”を消せ。)


悠斗は手を前に出し、

意識を一点に集中させた。


悠斗

「……消えろ。」


“空間が裂けた”。


悠斗の前方に、

細い“欠損の線”が走る。


水刃が触れた瞬間、

その部分だけ“存在を失い”、

水刃は形を保てず霧散した。


水瀬

「……っ!?

 今の……あなたが……?」


観客席がざわつく。


「……自発的に出したな。」


セラ

「破綻の“線展開”。

 意思による発動……興味深い。」


ライカ

「すげぇ……!

 今の、狙ってやったよな……?」


イツキ

「影が反応している……

 “意図”を持った欠損だ。」


ガロウ

「……やはり“器”だ。」


悠斗は自分の手を見つめる。


悠斗

「……できた、のか……?」


玲奈

「悠斗、今の……狙ってやったの?」


悠斗

「……ああ。

 “あそこに出ろ”って思ったら……

 出た。」


オルタ

「うん。

 悠斗はもう“方向”を指定できる。」


水瀬は一歩後ずさり、

真剣な表情で悠斗を見つめた。


水瀬

「……理解しました。

 あなたは“普通の魔法師”じゃない。

 でも……負けません。」


水瀬は再び魔力を練る。

今度は水ではなく――

氷の気配。


玲奈

「……水瀬さん、本気だ。」


悠斗

「(……次は“面”で受けるしかない。)」


神代

「続行!」


こうして、

篠原悠斗 vs 水瀬澪の第一試験は、

“自発的な線展開”を経て、

さらに危険な領域へと進み始めた。


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明日も投稿♪

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