第71話 ──代表選抜試験、開始──
第71話 ──代表選抜試験、開始──
翌朝のアークライト学園。
昨日の騒ぎが収まるどころか、
むしろ緊張感が増していた。
「今日からだってよ、代表選抜試験」
「エリートクラス全員対象らしい」
「六校の代表が見てるとか……胃が死ぬ」
悠斗
「……嫌な予感しかしない。」
玲奈
「でも悠斗はエリートクラスなんだから、
試験を受けるのは当然だよ。」
悠斗
「いやいやいや、俺は“エリートクラスの落ちこぼれ”だぞ。
魔法の成績は最下位争いだし……」
オルタ
「うん。
悠斗は“普通の魔法”は弱いからね。」
悠斗
「お前は言い方を考えろ!!」
玲奈
「ふふ……」
そんなやり取りをしていると、
教室の扉が開いた。
担任の神代先生が、
珍しく緊張した顔で入ってくる。
神代
「……全員、席につけ。
重要な発表がある。」
教室が一気に静まった。
神代
「本日より、
交流戦・アークライト代表選抜試験 を開始する。」
ざわっ。
「ついに来たか……」
「エリートクラス全員参加ってマジ?」
「今年は主催校だからな……」
神代
「そして今年は“特例枠”が設けられた。」
悠斗
「特例……?」
玲奈
「(……嫌な予感……)」
オルタ
「(……来るね……)」
神代
「六大魔法学園の代表からの“推薦”による、
外部指名枠 だ。」
教室がざわつく。
「外部指名って……そんな制度あったか?」
「今年だけの特例らしいぞ」
「誰が指名されるんだよ……」
神代は名簿を開き、
淡々と読み上げた。
神代
「外部指名枠──
篠原悠斗。」
教室
「…………は?」
悠斗
「…………は?」
玲奈
「……やっぱり。」
オルタ
「ふふ。」
悠斗
「いやいやいやいや待て待て待て!!
なんで俺なんだよ!!
俺、エリートクラスでも最弱だぞ!?
昨日も煉に絡まれただけだぞ!!」
神代
「推薦者は五名。
天城煉、氷室セラ、迅堂ライカ、黒瀬イツキ、
そして──巌道ガロウ。」
教室
「五校!?
全校から!?
なんでだよ!!」
悠斗
「ガロウさんまで!?
なんでだよ!!?」
玲奈
「……悠斗、昨日ガロウさんに会ったよね。」
悠斗
「会っただけで推薦すんな!!」
オルタ
「ガロウさんは“器”を見る人だからね。」
悠斗
「意味わかんねぇよ!!」
神代
「推薦理由は……
“空間欠損の特異性を確認したい”
“交流戦に出す価値がある”
“興味深い”
“影と相性が良い”
“試す価値あり”
……だそうだ。」
悠斗
「全部嫌な理由だ!!」
玲奈
「……でも、断れないよ。
外部指名枠は“強制参加”だから。」
悠斗
「なんでそんな制度作ったんだよ!!」
神代
「主催校の責任だ。
諦めろ。」
悠斗
「諦められるか!!」
オルタ
「悠斗、頑張って。」
悠斗
「お前は楽しそうだな!!」
玲奈
「……でも、悠斗なら大丈夫だよ。」
悠斗
「根拠は!?」
玲奈
「ないよ。」
悠斗
「ないんかい!!」
教室中が笑いに包まれたが、
悠斗だけは笑えなかった。
神代
「篠原悠斗。
放課後、第一訓練場へ来い。
代表選抜試験──
第一試験は“対人戦”だ。」
悠斗
「対人戦!?
俺、普通の魔法弱いって言ったよな!?
聞いてたよな先生!!?」
神代
「知ってる。」
悠斗
「知ってて出すなよ!!」
玲奈
「……悠斗。」
悠斗
「なんだよ……」
玲奈
「……応援するから。」
悠斗
「……お前……」
オルタ
「私も応援するよ。
悠斗が負けても笑わないから。」
悠斗
「笑わない前提やめろ!!」
こうして――
篠原悠斗は、
望んでもいないのに
アークライト代表選抜試験へと放り込まれた。
だがこの“特例指名”は、
ただの偶然ではない。
六大魔法学園の代表たちの思惑。
ヴェルスの暗躍。
そして、深層の影。
すべてが、
悠斗という“外れ値”に収束し始めていた。
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強制参加は主人公の定めだね




