第67話 ──交流戦、数年ぶりの開催──
個人的な意見だがイケメンはやられ役だと思う
第67話 ──交流戦、数年ぶりの開催──
翌朝のアークライト学園は、
いつもよりざわついていた。
ホームルーム開始のチャイムが鳴ると同時に、
担任の神代先生が教壇に立ち、
教室の空気を一気に引き締めた。
神代
「今日は重要な発表がある。」
生徒たちがざわつきを止める。
神代
「――“魔法学園連盟交流戦”が、
数年ぶりに開催されることが決まった。
そして今年の主催校は……アークライト学園だ。」
教室が一気に沸いた。
「マジかよ!」
「何年ぶりだよ交流戦!」
「六大魔法学園が全部来るってことか……!」
「うちが主催って大丈夫なのか……?」
玲奈
「……やっぱり本当だったんだ。」
悠斗
「そんなに大ごとなのか?」
玲奈
「大ごとだよ。
六校全部が集まるなんて、
魔法界の“祭典”だから。」
悠斗
「……嫌な予感しかしない。」
玲奈
「……わかる。」
神代は続ける。
神代
「エリートクラスからは数名、
代表候補として選抜試験を受けてもらう。
名簿は後で配布する。」
悠斗
「(……俺、普通の魔法は平均以下だし……
選ばれるわけないよな……)」
玲奈は横目で悠斗を見た。
玲奈
「……悠斗、名前入ってるかもしれないよ。」
悠斗
「は? なんでだよ。
俺、魔法の成績は下から数えた方が早いぞ。」
玲奈
「うん。でも……空間欠損って珍しいから。
“特異性”として興味を持たれる可能性はある。」
悠斗
「興味持たれても困るんだけど……」
玲奈
「……だよね。
でも、可能性はあるってだけ。」
悠斗
「……はぁ。」
チャイムが鳴り、
教室は解散となった。
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■ 廊下での再会
悠斗と玲奈が廊下に出ると、
研究科の紗月が駆け寄ってきた。
紗月
「二人とも! 交流戦の話聞いた!?」
玲奈
「聞いたよ。
紗月の研究科は出ないんでしょ?」
紗月
「うん。でも応援はできるし……
それに――」
紗月は少し言いにくそうに視線をそらした。
紗月
「……煉兄が来る。」
悠斗
「……誰だよその“れんにい”って。」
紗月
「私の従兄弟。
フレアライト魔導学院の代表だよ。」
玲奈
「フレアライト……炎系の名門だね。」
紗月
「うん。煉兄は……すごいよ。
でも、怖い人じゃないから安心して。」
悠斗
「いや、怖いとかじゃなくて……
なんで俺の周りに強い奴ばっか集まるんだよ……」
紗月
「強いからじゃなくて……
悠斗って、なんか“気になる”んだよ。」
玲奈
「わかる。」
悠斗
「褒めてんのかそれ……?」
紗月
「褒めてるよ!」
玲奈
「褒めてるよ。」
悠斗
「お前ら……」
そんなやり取りをしていると――
背後から、ひんやりした声がした。
???
「……紗月。」
紗月
「え?」
振り返ると、
赤い瞳の少年が立っていた。
整った顔立ち。
炎の紋章が刻まれた赤い制服。
フレアライト魔導学院の校章。
紗月
「……煉兄!?」
天城煉
「久しぶりだね、紗月。」
玲奈
「(……イケメン……)」
悠斗
「(……なんかムカつく……)」
煉は紗月に軽く微笑み、
次に悠斗へ視線を向けた。
煉
「君が……悠斗くんだね。」
悠斗
「……ああ。」
煉
「紗月が言っていたよ。
“空間欠損を扱う、少し変わった魔法師がいる”と。」
悠斗
「変わったって……」
紗月
「ち、違うよ!
そんな言い方してない!」
煉
「ふふ。
紗月は昔からわかりやすい。」
紗月
「わかりやすくない!」
玲奈
「(わかりやすい……)」
悠斗
「(わかりやすい……)」
煉は悠斗の前に立ち、
真剣な瞳で言った。
煉
「実力はどうでもいい。
“特異性”は魔法師にとって価値だ。
交流戦で……確かめさせてもらう。」
悠斗
「……はぁ!?」
紗月
「煉兄は……フレアライトの代表だよ。
炎系ではトップクラスの実力者。」
悠斗
「……マジかよ。」
玲奈
「でも……悠斗には悠斗の戦い方があるから。
普通の魔法だけが強さじゃないよ。」
悠斗
「……お前なぁ……」
煉
「では、また会おう。」
煉は軽く手を振り、
アークライト学園の校舎へと歩いていった。
悠斗
「……なんなんだアイツ……」
紗月
「煉兄、悠斗のこと気に入ってるよ。
“変わってる”って意味で。」
悠斗
「褒めてねぇだろそれ……」
玲奈
「……でも、悪い人じゃなさそう。」
悠斗
「……はぁ。」
だが――
この日を境に、
アークライト学園は交流戦一色に染まっていく。
そして悠斗の前に、
次々と“六大魔法学園の強者たち”が現れることになる。
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