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空間欠損の魔法師  作者: 猫宮みけ
第二章 深層拒絶編

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サイドストーリー:──逃亡者たちの夜──

サイドストーリー:──逃亡者たちの夜──


廃ビルの屋上。

軍の追跡を振り切ったあと、

3人はここで一晩だけ休むことにした。


悠斗は壁にもたれ、

疲れ果てて眠っている。


玲奈と紗月は、

少し離れた場所で見張りをしていた。


紗月

「……今日もギリギリだったね……」


玲奈

「うん。でも……悠斗がいたから助かった。」


紗月

「……ほんとだよ。」


風が吹き、二人の髪を揺らす。


しばらく沈黙が続いたあと、

玲奈がぽつりと口を開いた。


玲奈

「ねぇ、紗月。」


紗月

「ん?」


玲奈

「悠斗のこと……どう思ってる?」


紗月は一瞬固まった。


紗月

「ど、どうって……

 そ、それは……その……」


玲奈

「好きなんでしょ?」


紗月

「っ……!」


紗月は慌てて口を押さえた。


紗月

「ちょっと玲奈ちゃん……!

 声……!

 起きちゃうでしょ……!」


玲奈

「起きないよ。

 あの人、今は死んだように寝てる。」


紗月

「……それはそうだけど……」


玲奈は少しだけ笑った。


玲奈

「……私も、好きだよ。」


紗月

「……うん。知ってた。」


二人は同時にため息をついた。


紗月

「こんな逃亡生活の中で……

 なんで好きになっちゃうんだろ……」


玲奈

「逆だよ。

 こんな状況だから……だと思う。」


紗月

「……そっか。」


玲奈

「でもね、紗月。」


紗月

「なに?」


玲奈

「今は……争ってる場合じゃないよね。」


紗月はゆっくりと頷いた。


紗月

「うん。

 悠斗くんがあんなに頑張ってるのに……

 私たちがケンカしてたら……バカみたい。」


玲奈

「だから……停戦しよ。

 一段落するまで。

 軍から逃げ切って……

 悠斗がちゃんと笑えるようになるまで。」


紗月は手を差し出した。


紗月

「……停戦協定、ね。」


玲奈はその手を握り返した。


玲奈

「うん。

 今は……一緒に悠斗を支えよう。」


紗月

「……うん。」


二人は眠る悠斗の方へ視線を向けた。


紗月

「……ちゃんと生きてよ、悠斗……

 明日も……一緒に逃げるんだから。」


玲奈

「ほんと……無茶ばっかりするんだから……

 少しは私たちの心配も考えてよね。」


二人の声は、

眠る悠斗には届かない。


だが――

その想いは確かに、

彼を支える力になっていた。


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1日1善1日1投稿♪

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