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GOGOパワーレベリング~少年魔導士は犬耳・尻尾つき。でもモフられるのは苦手です~  作者: 於田縫紀
第27話 新学期開始

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93 人間の範囲外と属性不明な魔法

 歩きながらミリアが言う。


「進化させるとなると第2レベル職業に職業変更ジョブ・チェンジも必要よね。選択によって随分と変わるから、各職業のメリットデメリットについて説明しないと」


 確かにミリアの言う通りだ。

 しかし問題がある。


「第2レベル職業について、俺は説明できる自信は無い。魔術師や魔法騎士なら少しはわかるけれど」


 自分には関係ないと思って調べなかったのだ。

 そしてメディアさんの山小屋以外、そういった知識が残っている場所を俺は知らない。


「それは大丈夫よ。私がわかるわ」


 おっと、ミリアが知っていたか。

 でも何故知っているのだろう。


「その辺も禁じられた知識だったと思うが」

「貴族ならそういった知識もある程度は隠し持っているのよ。子供を水牢を使って進化種にさせたりするくらいだから」


 なるほど。

 言われてみれば確かにそうだ。


「なら頼む。出来れば簡単なメモでも作ってくれるとありがたい」

「そうね、用意しておくわ。あとは本当に進化させていいかね」


 確かにそれが本来の問題だ。

 でも俺自身の意見はもう決めている。


「モリさん達4人に関してはもう俺達は関与してしまったんだ。だから進化種(スペルド)になって、第2レベル職業へと変更するまでは面倒を見よう。

 それにそのレベルまでなら達している者も結構いる筈だ。入校時のミリアのように。だからそれほど問題もない」


 そう言われてミリアも気付いたらしい。


「そう言われればそうね。第2レベル職業までなら多くはないけれどいるし、そこまで気にしなくてもいいわね」

 

「ああ。それにそこまで行けば自分の力で強化習得《レベリング

》をする事も可能だろう。そこから先は自分の判断に任せればいい」


 ただ俺も勉強不足でわからない事がある。


「ところで第2レベル職業にはどんなものがあるんだ。魔導士と魔法騎士はわかるが他はあまり知らない」


 自分には関係ないと思ってその辺は調べようともしなかった。

 まさか俺が他の人のレベルアップや進化、職業変更ジョブ・チェンジを手伝うとは思っていなかった。

 普人は敵だと思ってもいたしな。


「私も部屋に戻って本を見ないと詳しい事は言えないけれどね。魔導士と魔法騎士の他には正騎士(ナイト)重戦士(ヘビーウォリアー)狂戦士バーサーカー探索士(レンジャー)施療士(プラクティショナ)なんてところね。ただ4人の事を考えると正騎士(ナイト)施療士(プラクティショナ)は無いと思うわ」


 なるほど。

 でも名前だけだとどんな性質があるのか具体的にわからない。

 だから更に聴いてみる。


「それぞれどんな特徴があるんだ?」


「詳細は後でもう一度本で確認するけれどね。

 〇 魔導士(マジシャン)は魔力と魔法適性特化

 〇 魔法騎士(マジックナイト)は魔力と体力の両方がそこそこ

 〇 重戦士(ヘビーウォリアー)は体力特化で魔法ちょっと

 〇 狂戦士(バーサーカー)は身体強化以外の魔法は使えないけれど、体力最強で自己治療・回復能力がある。

 〇 探索士(レンジャー)は素早さと器用さ特化

 概ねこんな感じね」


 なるほど、だいたいわかった。

 でもおかげで微妙な想像をしてしまう。


「それじゃライバーは既に狂戦士(バーサーカー)みたいなものか」


「アレの延長線上という事は間違いないわね。ただ進化種になる前の普人に職業はないわ。第1レベル職業は人種と同じ筈だから」


 普人の第1レベル職業は普人だけだ。

 獣人の第1レベル職業が獣人だけなのと同じように。

 だから俺は進化種になるまで魔法が使えなかった。


 そして普人という職業は全ての能力値が基準レベル。

 魔力にも体力にも補正は一切ない。

 つまりライバーの能力値(ステータス)にも補正が一切ない筈だ。


 でもそうなると……

 つい恐ろしい想像をしてしまう。


「ならライバーが進化種スペルドになって、重戦士(ヘビーウォリアー)狂戦士(バーサーカー)を選んだら、アレに更に体力が増えて、その上でプラス補正されるのか」


 今でさえ凶悪な腕力を誇るのだ。

 それが進化して職業の恩恵までうけるとなると……


「常識が狂いそうになるわ」


 ミリアの台詞が微妙に投げやりな感じで聞こえた。

 しかしわからないでもない。


 俺の脳裏に魔熊をパンチで倒すライバーなんて姿が浮かんでしまっている。

 完全に人間の範囲外だ。

 でも奴ならありそうで……

 うん、深く考えないでおこう。


 ◇◇◇


 翌日の午後。

 雨が降りそうな匂いがするので今日は迷宮(ダンジョン)活動だ。

 なおクーパー、ケビン、メラニー、ケイトも一緒に来ている。


 フィンとショーンはバイト。

 雨の日は武器屋も食堂も混むからだそうだ。

 雨で討伐メイン系冒険者が討伐に行けないで店回りをするらしい。

 エマは学校に居残って植物の本を読んでいると聞いた。


「そう言えばハンスって、選択授業は何をとっているんだ?」

 迷宮(ダンジョン)へ向かっている途中ケビンに聞かれる。


「金属性魔法と生命魔法、あとは自由研究だ」

「ハイクラス授業ばかりかよ」

 クーパーにそんな事を言われる。


 ハイクラス授業とは基本4属性ではない授業の事だ。 

 そのうち金属性魔法と生命魔法は1学期と同じ。

 残り1コマは1学期は土属性魔法だったが上級までマスター。

 だから今学期自由研究を選択した。


「自由研究って、基本4属性が全て中級以上でないと取れないですよね」

 ケイトの台詞に俺は頷く。


「調べたい事があってさ」 

 賢者に職業変更(ジョブ・チェンジ)した事で特殊な属性の魔法が使えるようになった。

 その辺について調べてみたいと思ったのだ。


 賢者になって使用可能になった魔法のひとつに遠隔監視魔法がある。

 これは自分がいる場所とは違う場所からの視点で物事を把握する魔法だ。

 地上に居ながらにして、上空50腕《100m》から見下ろした風景や魔力走査状況を把握する事が可能。


 だがこの遠隔監視魔法、属性が何かわからない。

 俺の知っている既知の属性ではない事は確かだけれど。

 知っている属性の魔法なら使用する際に属性がわかるから。


 そういった属性のわからないのに使える魔法が他にもいくつかある。

 これらについて調べて、あわよくばより上級の魔法を手に入れたいと思ったのだ。


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