表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
だから僕は夏が嫌いだ。  作者: 匿名で悪かったな
最五(さいご)
22/24

アドミニストレータ

 この世界が夢……そういえば、僕がこうなる前に、必死でメイセキムってやつを見ようと必死になってたっけ。結局失敗に終わってたけど。

 この世界、いろいろおかしかったんだ。まず、学校に生徒が6人。少ないよね。

 授業の内容もおかしい。やっぱり夢だって気づけないもんなんだな。でも、みづほさんは何でこのことを知ってたんだろう。聞いてみようか。……いや、やめておこう。また変なことになる。

 ……そういや僕は、夢の世界に定住できている。文字通り夢にまで見たメイセキムじゃないか。こうなったら、この世界を満喫してやる。で、その時が来たら元の世界とやらに戻ってやろう。……っていうことは、こんなに恋愛に本気になっても意味ないじゃないか。気楽な気持ちでやってやろう。


「おはよう!」

「なんだ、明日から夏休みだからって元気だな」

「ちょっとウザいよ。ハヤトくん」

 みんな何俺に歯向かっているんだ。この世界は俺の作ったものだぞ。


「明日から夏休みだが、あんまり変なことせず……」

 1ミリも聞いてない。……そうだ。ここが本当に夢なら、ちょっと試してみよう。

(先生、黙れ……先生、黙れ……)

 その瞬間だった。先生が急に倒れた。

 やってしまった?僕は悪くないぞ?ただ考えただけだ。

 すぐに罵声が襲いかかってきた。僕のせいじゃない!やめろ!

(落ち着け……先生、元に戻れ……)

 すると先生は何事もないように立ちあがった。



「これで力を使いすぎると怖いって分かったでしょ」

みづほさんだ。

「ちょっと考えただけなのに」

「夢における自意識ってのは、予想以上に強いのよ。たとえるなら、パソコンのアカウントの中でも最も強い、アドミニストレータね」

 よくわからなかったが、とにかく凄いのだろう。

「もう少し力を抑えれば、あなたはこの世界の支配者になれる……でも、私にはちょっかい出さないでよね」

 そう、なんでも自分の思い通り……。

(今日も一の谷さんと一緒に帰る……)


「雨だ……」

「予報じゃ降らないって言ってたのに」

 傘がない。これじゃびしょぬれ。一緒に帰るどころじゃない。

……ん?かばんの中に傘が入ってる。やった!

「……ねえ。僕傘持ってるから、一緒に帰らない?」

「ありがとう」

 やっぱりこの力ってすごいかも。




 ……あいつ、また変なことしてる。この世界の支配者は私なの。あなたの夢だからって、好きにはさせない……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ