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ゆうやのプレイ5

 仕事の都合で三カ月間家を空けていたゆうや。

「おかえりなさい、お疲れ様

 夕食すぐに準備するから、お風呂に入っておいで」

 すごく帰ってきたと実感して安心する言葉


「ふぅ…」

 遠征中はずっと『勇者のRPGがやりたい』と考えていたのに、いざ帰ってくると『先ずはゆっくりとする』と自分の家特有の雰囲気に浸りたいと浸食されるから不思議だ。

 ゆうやがゲームをやりたいと思っていたのには『大好きな優那に会えるかもしれない』というのもあって仕事中にずっと落ち着かない様子もあったとか。


「ふぅ」

 何度目かの安心するため息に父さんがご飯を用意してくれて、簡単な会話をしながらゆっくり食事。

 そんな時にゲーム機もセットされていることに気付きもしかして父さんもやってたのかと焦る。

「居ない間にゲームやったの?」

 もし、優那と繋がっていたと思うと気が気でない。

 父・弘は息子はすぐに娘のことだと分かり苦笑いする。

「やっていないよ、ゆうやがやるだろうから準備しておいただけだよ」

 そこで自分がひどいことを言ったことを自覚して恥ずかしくなった

「あ…ありがと」


・・・。

 実はもう最終盤で、魔王の場所まであと少しの所でおあずけをくらっていた。

「こっちのボタンを押すと最後の扉が開くんだな・・・その前に周りの再確認を」

 すっかり隠し要素がないかを探す癖がついてるゆうやは目の前にして一時間もの探索を行っていた。

「ここも普通、またモンスターだ…。

 こっちは、ん? あ、床の色がちょっと違う!」

 魔王のお城の入口の門まで戻ってきた時にある一マスが周囲のマスと微妙に違うと気付く、記憶を辿っても前は同じと記憶していたゆうやはすぐにボタンをポチポチと調べ始める

『あれ? 何か埋まっている』

 その表示に歓喜する、まさかの城を出た所にまでかよ!と愚痴りたくなるが喜びの方が強く達成感に浸る。

 ゲットしたのは『↑→↓←の秘密』

「何だこれ?」

 相変わらずの情報の得られなさに意地悪いと感じながらアイテムを開く

『5上6右7下8左』

 意味の分からなさに発狂したくなった、とりあえずアイテムをゲットした場所から順番通りに動こうとしたが途中の障害物で無理。移動に関わらず数字を回数とみて十字キーを押してみたけど何も起こらず

「うーん?」

 暫く考えても答えは出ないので、魔王を倒したら姉ちゃんの攻略本を見ればいいかと最終戦に進んだ。

・・・。

「意外と魔王が弱いな」

 あっさり倒せて簡潔なストーリーが終了するとスタッフロールが流れ始め・・・

(シャーッシャ)

「!? あ!?」

 突然画面が消える、すぐに点いて映りの悪い画面が続けていた。

 画面が消えた時は姉ちゃんと繋がる時だと期待が高まるが、スレスレの画面が出たことなんて今までになくて不安になっていく。

 鮮明に画面が映り出して安心すると居たのは姉の優那とその嫁の少女だけで前に見た細身の女性はいなかった。

 普通に挨拶を交わすとマルシカクに「ゆうやお兄ちゃん」と呼ばれてちょっと嬉しかったり


『時間に制限はありません、この通信はこれで最後になります』


 さっきと同じこすれたような音と共に突如表示された文章に頭が真っ白になってしまう

「(はっ!? 最後!?)」

 短い静寂

[あー、いつかくると思ってたけどね。

 ・・・あはは、これが最後だね、ゆうや]

 落ち着いた姉ちゃんの言葉にイライラしてしまう。

 なんでもう会えないのにそんなにいつも通りなんだよ!?

「姉ちゃん戻って来ないのか!? 方法はわかってんだろ!」

[私は大好きなこの手は離さないと決めたからね!]

 抑えられずに怒気が入ってしまった勢い任せに出た言葉だった・・・が姉ちゃんは何も表情を変えない、それどころか見たこともないような真面目な表情でマルシカクへ手を握り、言いかえされる。

 自分の馬鹿さ加減に反吐が出る…。 家族大好きな姉ちゃんが帰りたくないわけはないのに残る決心をしていたという心理に気付かないなんて。俺は傷付けるだけの言葉を言ってしまったんだ。

 それならと最後の会話ということで父さんを呼びにいくのがいいと即行動。

「父さん、ごめん! 今来てくれるか! 優那との最後の通話なんだ!」

 まったりと過ごしているだけで寝てはいなかったからすぐに立ち上がり来てくれた。



 ・・こっちでは見たことないとハッキリ言えてしまうような〝幸せ〟を恥ずかしげもなく見せつけてくる2人は戻ってくるべきでないとわかる

 途中で俺が〝優那〟をずっと好きだったことをばらされたけど姉ちゃんは気付かなかった、それには複雑だけど心配させないでよかったと安堵。父さんもわかってて言ったのだろう・・・奥深くへと秘めしたままの想いがまさかの父に気付かれてて恥ずかし…! そっちなんて特に(態度に)出したことなんてなかったはずなのにな…。


 何カ月も前に見たみのりとかいう人を今見てないのにこんなに後になって急に思い出すとか笑っちまう。

「・・・あ、クリアしたんだね」

「あ、そう!! 何かあるかもだから見ねーと!?」

 画面はスタッフロールに切り替わっていて、ここにも何かあるかもしれないから見逃すわけにはいかないんだよ!

 たくさん並ぶ英文字の中に太くなっている文字がいくつかあって繋げて読むとローマ字で『ものこいえりくさあ』と意味は分からないけど発見してガッツポーズを決める。

 もちろん、二周目、三周目と続けていく予定であるのだった。


 因みに優那のお手製攻略ノートには『ものこいえりくさあ』は『まっすぐ村の食べ物欲しがり者へエリクサーを渡す』と情報はあったが、『↑→↓←の秘密』(*入り江の洞窟でルーレットの移動と時間の関係メモ)』については優那がこのメモ未発見で記載されてなく迷宮入りしてしまうのは余談である。

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