雨で・・
・・・ザザザザザザァ
「おねえちゃん、おさんぽにいきたいな?」
とある雨が強い日、マルシカクちゃんに散歩に誘われる。 こんな、雨足の強い日に大変な思いをしてまでお出かけするなんて考えるまでもない
「うん、行こっか♪ どこ行きたいの?」
マルシカクちゃんのお誘いを断るわけがないよ! マルシカクちゃんはどこに行きたいのかなぁ♪
「うみ♪」
予想外のまさかの答えに考えてしまう。 ひどい天候の時に川とか水辺の傍は氾濫して危なく、事故のニュースなんかよく聞いていたし賛成はしかねた…
「やめた方がよいと思いますけれど…」
「うーん、ちょっとだけ行ってみよっか
みのりさんお留守番お願いしてもいいですか?」
「わーい♪」「はいぃ… 大丈夫ですけど…」
わざわざこんな日に言い出すくらいだから、マルシカクちゃんにも考えがあると思うんだよ
・・・。
カナカナの町から近い浜辺までやってくる。 遠くからも見えていたが、やはり海は荒れていて波が強い。
「マルシカクちゃん、何がしたいの?」
そろそろ目的が聞きたかったので尋ねてみたら、ニコッと笑ってひと言だけ返ってくる
「おねえちゃんとうみに入りたい♪」
はい、喜んで! ・・え?
「海、すごいけど入りたいの?」
「うん!」
・・なら仕方ない。 いざ荒海へ!
『ダメだよ』『イケナイ』は無かった・・。
フワフワと子供にじゃれつかれて右から左からと押される感じくらいで、特に流される気ははしなかった。でもちょっとだけ水温が低い。
「ちょっと暗いね」
この世界は特定の場所以外は夜だろうが曇っていようが景色が見えなくなるほどの場所は無いからこんな日でも準備要らず。
「おねえちゃん、せんとーのふくにして?」
「ん? 分かった」
マルシカクちゃんの指示でレインコートからセット装備に変えたすぐのことだった!
《目を開けたまま息をしていてはイケナイ》
急いでマルシカクちゃんに指示して抱きしめる、その5秒後、戦闘ウィンドウが現れて激しい水流が遠くの方から襲いかかって気分的に流されそうになった。
すぐに止んで目を開けたら目の前に全体的に丸いフォルムの巨大エイがいてびっくりする!
「隠れボスの〝うちわマンタ〟だ!
もしかして、こっちでは雨だから、とか?」
条件次第でこの世界にはまだまだ楽しみがあるのだと教えてくれたようだ
「おねえちゃん、なにつかう?」
「オメガウィンドで」
弱点が意外に分かりにくく、あれこれ攻撃で探っていると耐性を付けられてしまういやらしい敵なんだ。 それでウィンドも効かなくなってから他が効果無しなんてもあったりね。
「わかった! どんなのかな♪
オメガウィンド!」
マルシカクちゃんの前に現れたのは小さなリング、それがうちわマンタへと飛んでいくと囲む輪が増えて大きくなっていき、対象に当たると弾けて可視出来る緑の風でブワッと切り刻むように包み込んでいた!
「スゴ!」
ギガ系までとはあきらかに違う演出の攻撃に目を楽しませてくれる。
しかし、敵も強いので『疲労状態』にもならずにいつも無双状態だったからと慢心していたことを後悔しながら防御を固めると敵はヒレを広げて私の横をかすめながら泳いで元の位置まで帰っていった。
その攻撃のスピードに水中独特の波とあぶくで恐怖で胸を押さえると、前に来てソッと「だいじょーぶ?」と抱き付いてくれる存在に癒された。
「ああくるんだね、もう1回いくよ!」
次には耐性を付けられちゃうから、今度は忘れずに魔法攻撃アップしてからだね!
・・・。
うちわマンタ戦は今までで一番長く続いて三属性2回ずつ攻撃が終わった時にやっと疲労状態になってくれる
「全体(強)攻撃がくるから目を閉じて!」
「うん!」
マルシカクちゃんも久しぶりの強敵との戦いが楽しいようだ、頼もしい♪
登場の時の教訓から目を閉じた方がいいと予測してマルシカクちゃんと貝になると、次の時には強風を受けたような泡波の攻撃がやってきて耐える。 ダメージは2人共HPが60削られたことから固定ダメージ攻撃だったのだと分かる。
ゲームでは疲労状態から全体攻撃に切り替わりはするがMGR依存受けの通常攻撃だったので楽しめるようにの変化であった。
「そろそろかな? 魔法攻撃アップ!」
「オメガファイアー!」
最後の攻撃をマルシカクちゃんが放つ
安心してたのだけどうちわマンタは倒れずに攻撃モーションをとったので慌ててマルシカクちゃんに指示
「だいじょーぶだよ♪」
・・・油断してたのは私だけでした、既に近寄って目を閉じて私待ちだった。 恥ずかしい…
『モンスターをやっつけた。『ながれる皮』×4、『パタパタうちわ』×2、『かがやく白身』×8を手に入れた。54321G手に入れた』
ユニーク武器ドロップ♪ 強くないよ? 何故かMPとSPDが上がって、3ターン後に風魔法攻撃を敵全体に与える『予言:竜巻』を使えるようになるという微妙な装備だ。
それより『ながれる皮』も『かがやく白身』も知らないからまた本でも手に入るだろうか? 楽しみにしていよう♪
「おねえちゃん♪」「マルシカクちゃん♪」
言わずとも抱き合って喜ぶ、『楽しかった』と誰でも分かる表情だね。 久しぶりの2人での強敵戦闘は立派なデートになったね、計画的なのかは本人しか分からないけれどまた次も連れ出してくると確信した予感がある
「まだまだ知らない楽しみがいっぱいありそうだね」
「うん! またでーと、しよーね!」
デート・・・マルシカクちゃんがテレビで覚えた言葉だ、言われると嬉しいね♪ 心配しているみのりさんもいるからはやく帰ろうか、雨に勝つくらいイチャつきながらね♪♪




