〜イサムヤンキー編〜
平凡商店街
イサムは平凡商店街で今晩の買い物をしていた。夏の買い物は汗をかくので出来るだけ避けたい。
商店街は屋根のあるアーケードとなっており、日差しは少ない。
「おお!?勇者じゃん」
イサムに話しかけてきたのは、クラスメートのヤンキーである、義家くんだ。
義家くんは夏休みなのか髪を金髪に染めていた。ヤンキー感が増している。イサムはファンタジー産まれ創作育ちなので、髪の色に関しては何とも思わない。
「やぁ、義家くん。それ、染めたんだ?」
「まぁな。センコーにバレない今だけだけどさ」
「とっても似合ってるよ」
「おっ?そうか?」
イサムは意外にも義家くんが仲良く話しかけてくるので嬉しかった。ヤンキーと学校で言われているが、人は見かけによらないのかもしれない。
軽い会話の後、2人は別れた。それぞれが反対方向へ歩き出す。ふと、イサムが振り返ると義家くんは車椅子のおばあちゃんの手助けをしていた。
どうやらおばあちゃんはお米を買ってしまって、家まで持ち帰るのが大変らしい。
気がつけばイサムは義家くんを手伝い、おばあちゃんの家までお米を運んであげた。
「イサム!ありがとな!いやぁ〜一日一善だよな」
「そうだね」
「しっかし、あのじいさん、持てないお米買うなんてお茶目だよな〜」
「え?おじいさん?」
「ワシャじいさんじゃ、って最後に言ってただろ」
おばあちゃんと思いきや、おじいちゃんか。
人は見かけによらないな。
そう思いながら、帰り道をとぼとぼ歩く。
結局、自分の買い物を忘れた。




