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残響

センは、寺の下方に広がる深い森の中を、ケイリンと涼司の後について進んでいた。


木々は途方もなく巨大で、信じられないほど頑丈だった。

その樹皮は、まるで金属のように荒々しい。

地面には岩や巨大な根が無数に転がっている。


セン

「ここ……何なんだ?」


ケイリン

「修練場よ。」


一拍の沈黙。


ケイリン

「残響術の第一段階は極めて重要だ。

吸収は、お前の原材料になる。

これまでお前は鉄を打つことを学んだ。

だが今度は、それを剣へと鍛え上げる時だ。」



三人は森の中心にある自然の空き地へと辿り着く。


そこはまるで闘技場のようだった。

古い巨木の幹が周囲を囲み、大小の岩があちこちに散らばっている。

その中央には、ひときわ大きな岩が鎮座していた。


涼司はその岩によじ登る。


センは彼を見つめる。

指示を待つ。


ケイリンが無言でセンを見つめる。

センは理解した。

涼司の後を追って岩を登る。


岩の上。

センは瞑想用の座布の上に腰を下ろし、涼司と向かい合う。

その背後に、いつの間にかケイリンが立っていた。


ケイリン

「いい。

今度は、お前の内なる静寂を使って涼司と同調しろ。」


センは目を閉じる。

息を吸う。

吐く。


その表情は穏やかだった。


やがて目を開く。

涼司の顔をじっと見つめる。

一つ一つのほくろ。

小さな傷跡。

瞳の色。

眼差しの奥行き。

秒が過ぎるほどに、センはその絶対的な静寂の中へと深く沈んでいった。



すると突然、断片的な映像が脳裏をよぎる。

痛みに叫ぶ子供。

右往左往しながら逃げ惑う村人たち。


センの眉がわずかに歪む。

ケイリンはそれに気づいた。


ケイリン

「いい。

準備はできた。」


センは意識を引き戻す。


セン

(軽い調子で、どこか緊張を隠すように)

「こういう時って、誰か死ぬ流れだったりする?」


ケイリン

(氷のように冷たい真顔で)

「その通りだ。」


センの笑みは一瞬で消え失せた。


二人は岩から降りる。


ケイリン

「吸収によって、お前はその力を受け入れた。

内なる静寂によって育み、

同調によって共鳴した。

今度は、それを返す術を学ぶ。」


数メートル離れた場所に立つ涼司が、突然両手を打ち鳴らした。

ケイリンは軽く手を振るだけで、そのエネルギーを掴み取り、一本の木へ叩きつける。

木はかすかに震えただけだった。


センは反射的に後ずさる。

目を見開いていた。


涼司が指を鳴らす。

小さな石が地面から浮かび上がり、そのまま一直線にセンへ飛ぶ。


セン

「は? ちょっと待――」


何かする暇もない。

石は肩に直撃した。

焼けるような痛みが走り、センの口からうめき声が漏れる。


セン

(息を荒げ、苛立ちながら)

「せめて準備くらい――」


ケイリン

(遮るように)

「世界はお前を待たない。」


今度はセンも身構える。

全身の筋肉を緊張させる。


涼司が再び攻撃する。

衝撃は熱波のようにセンの身体を貫いた。


そして――

何かが。

微かに。

曖昧に。

指先で脈打った。

内側から響く振動のようなもの。


ケイリンはそれを見ていた。


センは唾を飲み込む。

指先の振動は、現れた瞬間に消えかけていた。


ケイリン

「もう一度。」


涼司が襲いかかる。

ゆっくりと手を上げる。

逃れようのない動きだった。


センは目を閉じ、呼吸を整える。

中心を探す。

静寂を探す。

身をかわそうとする。


だが涼司は、まるで鏡のようにセンの動きをなぞる。

どうやってるんだ?


次の衝撃が胸の奥で炸裂した。

センは膝をつく。

指が震える。

涼司が石礫の雨を放つ。

センは辛うじてそれを避ける。


だが次の瞬間――

涼司が目の前にいた。

腕を掴まれる。

そのまま数メートル先まで投げ飛ばされた。


だが、涼司がセンに触れた瞬間。

彼の表情がわずかに歪む。

ほんの数秒。

涼司は片膝をついた。

困惑している。

ケイリンはそれを見逃さなかった。

眉をひそめる。


センは震える身体を無理やり起こす。

血を吐く。


ケイリン

「お前自身の感情も、

他人の感情も、

味方にもなれば敵にもなる。

恐怖。

怒り。

痛み。

利用しろ。

支配しろ。

すべてが崩れ去った時、

皆が去り、

お前だけが残された時――

何が残る?」


センは歯を食いしばる。

心臓が激しく脈打つ。

手は焼けるように熱い。

だが――

まだ制御できない。


涼司が立ち上がる。

そしてセンへ突進した。


涼司が拳を振り下ろそうとした瞬間。

彼はセンの顔を見る。

ほんの一瞬。

センの瞳が、深い白い膜に覆われた。

涼司の意識が逸れる。

拳は空を切った。


ケイリンは手を伸ばす。

より巨大な岩へ向かって。

岩がゆっくりと地面から浮かび上がる。

震えながら。


ケイリン

「お前のせいで、生徒が一人昏睡状態に陥った時は?

父親に蔑まれた時は?」


センの指先の振動が脈打つ。

混沌と。

制御不能に。

感情が外へ溢れ出ようとしながら、見えない壁に阻まれているかのように。


ついに岩が完全に浮かび上がる。

ケイリンは鋭く手を振った。

巨大な岩塊がセンへ向かって射出される。

岩は凄まじい速度で飛び、

土煙と枯れ葉を巻き上げた。


ケイリン

「弟が死に、

救うことすらできなかった時は?」


センは目を見開く。

次の瞬間――


閃光のような衝撃が空き地全体を駆け抜けた。

岩は粉々に爆散する。

砕け散った石片が木々の幹へ跳ね返り、

地面へと降り注ぎながら、

砂塵と小石の火花を散らした。

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