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KSデベロップメント

秘密の部屋。

原は一人、

訓練をしている。

激しく。

あまりにも激しく。


標的が、

次々と破壊されていく。

原は怒りをぶつける。


その時――

慌ただしい足音が近づいてくる。

アヤとシオ。

原は動きを止め、

息を整える。


アヤ

「手がかりを見つけた。」


シオがテーブルの上に、

一冊の資料を置く。


アヤ

「シオと二人で、

最初から記録を洗い直した。」


原は何も言わない。

ただ、

耳を傾ける。


アヤ

「斎藤が生きてるなら……

どこかに必ず痕跡を残してる。

(間。)

警察の記録じゃない。

公的な記録に。」


シオ

「過去二十年分の会社設立記録、

法定公告、公正証書、

それから商業登記を照合した。

(間。)

その中に、

一つだけ不自然なものがあった。」


アヤ

「崩壊から数か月後に設立された会社。

(間。)

事業実績なし。

従業員なし。

売上もなし。

(さらに間。)

それなのに……

今も存在してる。」


原が眉をひそめる。


「名前は?」


アヤ

「KSデベロップメント。」


原の眼差しが鋭くなる。



***



s酒井タワー。


隼人の執務室。

ノックの音。

警察本部長、

森田健司が入ってくる。


机の上に資料を置く。


森田健司

「ビルへの爆破事件について、

分析結果が出ました。」


隼人が資料を開く。

写真。

図面。


森田健司

「押収したトラックの中から、

手製の起爆装置が見つかりました。」


ページをめくる。


森田健司

「ですが……

使われていた部品の一部は、

一般に出回るものではありません。」


隼人がわずかに目を上げる。


森田健司

「専門業者にしか販売されていない部品です。」


さらにページをめくる。

請求書。

製造番号。


森田健司

「流通経路を追いました。」


隼人は黙ったまま。


森田健司

「すべての部品を購入していたのは、

同じ会社です。」


一枚の書類を、

隼人の前へ滑らせる。


そこに、

会社名が記されている。

『KSデベロップメント』


沈黙。


隼人は書類を見つめる。

静かに。

あまりにも静かに。


森田健司

「表向き、

この会社に事業実態はありません。

(間。)

ですが実際には、

電子機器や医療機器を定期的に購入しています。

(さらに間。)

しかも……

大量に。」


隼人は静かに資料を閉じる。



***


原は高校の階段を下りていく。


下には、

車が待っている。

足取りは速い。

迷いはない。


その後ろから、

日野が足早に追いつこうとする。


日野

「慧!」


原は止まらない。


日野

「俺も行く。」


沈黙。


日野

「聞いてるんじゃない。」


原がようやく足を止める。

振り返る。


「向こうで何が待ってるか分からない。

(間。)

ミナを見つけるだけで手一杯になる。

(さらに間。)

お前の面倒まで見てる余裕はない。」


日野

「守ってくれなんて頼んでない。」


原の目を真っ直ぐ見つめる。


日野

「でも……

本当に斎藤がすべての黒幕なら、

俺が必要になる。」


沈黙。

原が小さく息を吐く。


日野

「俺は斎藤と一緒に働いてたんだ、慧。

(間。)

あいつの考え方を知ってる。

(さらに間。)

誰よりもな。」


原は日野から目を逸らさない。


日野

「それに……

ここでただ待ってるなんてできない。」


長い沈黙。

やがて、

原が頷く。


「……分かった。

(間。)

ただし、

一つ条件がある。」


日野

「何だ?」


「まずいことになったら……

(間。)

ミナを連れて逃げろ。」


日野が何か言おうとする。


「それと――

(遮る。)

絶対に振り返るな。」


日野

「慧……」


沈黙。

日野は目を伏せる。

そして、

ゆっくりと頷く。


日野

「……分かった。」


***


バスがブレーキ音を響かせながら停まる。


扉が開く。

田舎の真ん中にある、

小さなバス停。


センが降りる。

バスはすぐに走り去っていく。


沈黙。

ビーヴは、

静かで小さな村だ。

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