表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【8/7第一巻発売】現代忍者は万能ゆえに異世界迷宮を一人でどこまでも深く潜る【web版】  作者: 左兵衛佐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

143/145

第143話 勧進


「まあ、とっても凛々しゅうございます!」


「いやこれほどの具足を…、音羽殿にはいつもかたじけない」


 秋山どのは俺が迷宮から持ち帰った具足を身に着けて、なるほど実に凛々しい武者の風情である。


 …その頭髪が往年のコントのようなチリチリのアフロへアになっていることを除けばだが。


「僕がもらったマントも素晴らしいよ。なんだか力が漲るようだし…。ありがとうね、シュウ!」


「ボドワンくんカッコイイわぁ~」


 予想通り、純白に金刺繍のマントが長身によく映えたボドワンも実に美々しいいで立ちだな。


 その頭髪はもちろんチリチリのアフロヘアだが。


 …しかも、あのマントはボドワンが身に着けた途端、尋常でない魔力を感じさせている。


 なんだかよく分からんが、ともかく俺の見立て通りボドワンの「君侯」のクラスに反応しているようだな。


 ちなみに、ボドワンを褒めそやかしているのはシーロたちの元パーティメンバーで女僧侶のクロエだ。


 彼女はパーティの主要な元メンバーが揃っている我が家によく遊びに来ては、エリカも交えてお茶会を楽しんでいるようである。


 そうそう、つまり現在は我が家に彼らを招いてファッションショーを催しているわけだが、居間のソファーにはボドワンのパーティメンバーも揃っている。

 それについては後で説明しよう。


「…では鎧の方はお直しが要らないようですので、いただいた図案で紋章を塗り替えてお渡しいたします。旦那様の鎖帷子の直しも合わせて、3日ほど見てください」


 すっかり我が家の馴染みとなった鎧師が、楓どのと共に秋山どのの具足を外していく。


 彼は本当に器用な鎧師で、この世界の鎧とはずいぶん形式が違う当世具足であってもパーツを手に取ると「ふむふむ、ほうほう」などと言いながら完璧に再構成してしまった。


 ちなみに、元の持ち主の旗本侍の家紋は例によって見たことのない物だったが、これを今から楓どのが描いた楓葉の図案に塗り直してもらうところだ。


 …いや、これは何も楓どのの顕示欲によるものではなくて、実際に秋山どのの家紋が楓葉なのである。


 これは偶然ではなく、たぶん彼女は生まれたときから秋山家との政略結婚が決まっていたのだろう。


 あの時代にあってはそれが当たり前と言えばそうなのだが…、さりとて仲睦まじい様子の二人を見ているとそこに問題は無いようではある。


 なにしろ秋山どのを追って世界を渡って来たくらいだしなぁ…。


 秋山どのはこれを機に本当に身を清めて生きるしかあるまいし、さもなければまた雷鳴が轟くことになるだろう。


「は~。シティとカエデのせいで宿を追い出されたときは、どうなるかと思ったぜ」


「ガハハ! 見たこともない魔法で肝が潰れたぞ」


「も、申し訳ございません…」


 ミクリング族斥候のヤルミルが嫌味を言うとドワーフ戦士のエイナルが笑い、顔を赤くした楓どのはみるみる小さくなってしまう。


 そう、彼女が放った電撃でボヤ騒ぎとなった「穴熊の巣」亭は彼らを追い出し、このチャンスを捉えた俺はボドワンパーティの我が家への勧誘に成功したのである。


 ちょうど庭を広げるために隣家を2軒買い取っていたところなので、その片方を秋山家としてもう片方を残りのメンバーの生活用に貸し出すことにしたのだ。


 貸出料は無料とする代わりに俺とボドワンのパーティは交代で迷宮探索を行う契約としたので、これで俺が留守時の戦力拡充も大進歩である。


 ちなみにイリニヤは家族枠として母屋への入居を要求してきたが、もちろん却下だ。


 それらの家も含めて仮設の柵で囲う工事は既に終わっているし、近いうちに濠を掘ってその土で土塀を設ける予定となっているぞ。


 …いささか要塞染みてきたが、まあ武家屋敷と考えれば濠も土塀も当たり前のことなのでいいだろう。


 いっそ、楓どのの社も分け御霊をいただいて勧進してしまおうかな?


 分社を建立してしまえば秋山家が我が家に残り続けることは確定だし…よし、やろう。


「まぁ…、それでしたら。この(ぬさ)はご神木の落とし枝で出来ておりますので、こちらをご神体といたしましょう!」


 おっ、ちょうどよくご神体の候補まで持って来てくれていたか。


「あら、それは神樹の枝なのね? じゃあ、その枝を地に根付かせてあげるわ」


 おお、エルフの魔法はそんなことも出来るのか。

 こりゃあいいぞ。


 もっと周囲の家を買い取って、霊木を中心に社の杜を形成してしまおう。


 神主は秋山どのが務めるとして、問題は建材と宮大工だが棟梁に相談して…ん?


 なにやら渋い顔をした秋山どのがゴスゴスと肘で突いてくるが…。


 …いや、諦めろよ。


 神職となっては軽々しく女遊びも出来まいが、そんなの楓どのがこの世界に来た時点で絶望的だろうに。


 女房と地頭につかまっては年貢を納めるより他に道は無いのだ…。


 それにしても、分社を建てたとして氏子は集まるかな?


 ひとまず我が家のメンバーに宗教的な忌避感が無ければ全員氏子にしてしまおう。


 聞けば楓どのは雷撃の他にも結界やら治癒やら幸運の加護やらの神通力も備えていて、しかも元の社は縁結びも専門にしていたらしいので、案外これは氏子を獲得できるかも知れんぞ?


 服飾工房が移ってきたらお守りも作らせてみるか。


 ポーション店の一角はジーナとアデリナさんで服飾店をやらせるつもりだったし、現在の女性中心の客層を考えるとお守りもマッチするかも知れん。


 …いよいよ何の店なのかはよく分からなくなってきたが、ともかく我が家の商売も拡大していこうじゃないか。


★★★★★やブックマークはもちろんのこと謎スタンプもいただけますとモチベーションになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ