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47 プレゼント

 ガーデンパーティーは恙無く進行していた。


 お互いに見知った友人同士でケーキやお茶を飲みながら、広い庭園に構えられたソファーでお喋りに興じている。



「お邪魔しますわね」



 エリザベスの声がして、全員がそちらを向いた。



「あら、イリーナ様の・・・」


「お義母様ですわね。お久しぶりで御座います」


「今日は近衛のお洋服では御座いませんのね。でもドレスアップしたお姿も素敵ですわね」



 友人達の言葉を不思議に思って首を傾げるイリーナ。よく見ればエリザベスのメイクもそうだが、目の色や髪の色までやたら義母に似せてある。



「ありがとうございます。今日は楽しんでいって下さいませ」



 綺麗なお辞儀を優雅に披露するエリザベス。



「あら、そちらの方は騎士様ですの?」



 エリザベスの後ろ、木立の影にもう1人。



「まあ、お義母様の弟様ですか? それともご親族様ですの?」


「よく似ていらっしゃいますわねえ」



 そこに困り顔で立っていたのは、青い騎士服を着込んだジュリアン・ステューシーだった。



 ××××××××××



「驚きました・・・」


「だろうね」



 全員が座るガーデンテーブルから少し離れた位置のガゼボの中。


 ベンチに座るのは、イリーナとジュリアンだ。



『従兄弟がイリーナに誕生祝を、と来てくれましたのでご挨拶に連れてきましたのよ』



 エリザベスが適当な作り話で笑顔を披露をすれば、少女達はうっとりと彼女の微笑みに釘付けである。



「女性近衛の人気の高さは、この国じゃあ聖騎士並みだからな」



 ジュリアンが肩を竦める。



「「キャ~♡」」



 離れた所から急に黄色い悲鳴が上がる。



「あら、ごめんなさいね? 驚かせたかしら?」


「魔法のようですわ! 目の色が変わるなんて!」


「本当に!」


「コレは私達だけのヒミツですのよ? ね?」


「「「「「「ハイ♡」」」」」」


「まあー、エリザベス様はペリドットのような瞳ですわね。素敵ですわ」



 ・・・どうやら、耐えきれずにエリザベスがコンタクトレンズを外したようだった。



「アイツ、上手いこと俺とすり替わったみたいだな」



 肩を竦めるジュリアンに苦笑いのイリーナ。



「ジュリー様をお父様の婚約者として1度紹介してましたから、どうするのか内心心配してました」


「まあ、閣下の事だからノープランだった筈さ。いざとなったら俺を死んだことにして又独り身に逆戻りする、って所かな?」



 溜息をつくジュリアンに成る程と納得のイリーナ。



「それよか、誕生日おめでとう」



 ジュリアンが緑色のリボンの掛かった小さな箱をポケットから取り出した。



「いいのですか!?」


「うん。開けてみて」



 急いでリボンを解き、箱の蓋を開けると小さな髪飾りが入っていた。


 それは透き通る薄水色の宝石で出来た小鳥の周りに、赤い宝石で出来た木の実がアクセントとして円形に飾られている手の込んだ金細工で、イリーナの手のひらの上で陽の光を浴びるとキラキラと輝いた。



「素敵!」


「気に入った?」


「はい!」



 イリーナは大切な宝物の様にそれを両手で大事に包むと、



「お義母様、いえ、ジュリアン・ステューシー様。ありがとうございます」



 そう言ってジュリアンに向かってほほ笑んだ。



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