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厄介払い

 幾つかの鉄塊を空中に作り、部屋を出た鐵月は、真っ先に廊下にある監視カメラに向けて鉄塊を一つ飛ばして破壊する。

 剣を右手に、空中に浮かせた鉄塊を飛ばして、次々とカメラを破壊しながら進んでいき、階段へと戻って来た。

「…ケリ付けるか。」

 そう言って鐵月は、上の階に移動する。

 B1に移動し、再びカメラを破壊しながら歩いて行き、モニタールームの前で立ち止まる。そして、扉を蹴り開け、中に居る一人の男性に剣を差し向ける。

「おやぁ、ようやくお出ましでぇ、待ってたよぉ。」

 白衣を身に纏い、眼鏡をかけた男性は鐵月の方を向いて、不快な笑顔を浮かべる。

「モニタールーム、こんな感じだったんだな。」

「そっかぁ、あなたはぁ、入った事ぉ、なかったかぁ。」

 部屋を見渡す鐵月に対し、男性は設備を壊されているとは思えない程に冷静だった。

「久しぶりだねぇ、覚えてるぅ?」

「ああ、クソみてえな態度急変野郎だろ?」

「ひどいねぇ、そんな口悪くなっちゃったのぉ?グゥちゃん。」

 男性の一言に鐵月は少しだけ腹が立ち、剣の先端を男性の喉に寸止めで押し付ける。

「俺をアイツと重ねるな。死んだんだよ。認めろ。」

「わかったよぉ、とりあえずぅ、剣下げてぇ。モニター見れないぃ。」

 男性の一言におとなしく従い、剣を下ろして鐵月もモニターを見る。まっ先に見たのは、B3の瓜生の倒れている様子が映し出された場面で、丁度瓜生が倒された場面であり、二人は黙ってその様子を見ていた。


 拘束している金を壊そうと白朝が黒夜に近づき白い石を手に持ち、打ち付けようとした。すると、黒夜に刺さっている金の刃が背後でもう一本の刃を生やし、白朝の右手に傷を付けた。

「っ⁉…まだ意識があるのか。」

 緩慢(かんまん)な動きで起き上がり、立ち上がろうとしたところを巨大な白い石に押しつぶされ、また倒れ伏すことになる。

「へえ、彼女やるな。俺に攻撃仕掛けて、白朝にもダメージ与えて、まだ立ち上がるなんて。」

 瓜生は、自身に乗っかった白い石を粉々に砕き、障害物を取り除く。その背中には、金の棒が浮いていた。

「…痛…。あれ?私…。」

 正気を取り戻した瓜生の視界には、突如として床が映っため、状況が掴めずにいたが、相手はそんな事は露知らず、立て続けに攻撃を仕掛けてくる。

 白い石が作られては破壊し、その間に起き上がろうとするが、白朝はそんな瓜生を蹴り飛ばす。そして、装置に叩き付けられて、また一人の子供が犠牲になったが、同時に白朝も瓜生の作り出した棒に腹部を殴られ、黒夜よりも後方に飛んでいき、少し転がった。

 それら一通りのやり取りの間、黒夜は、足の拘束を解こうと手に持った盾で金を叩く。しかし、多少の傷は付けられても、拘束を外す事は出来なかった。

 起き上がった瓜生は、自身が子供を下敷きにしていることに気付き、即座に謝罪をする。

「幼児を殺して謝罪とは、さっきとは別人みたいだな。」

 飛ばされた状態から体勢を立て直し、衣服の汚れを軽く払いながら呟く。

「…さっき?いったい何のこと?」

 瓜生には、既に一人子供を手に掛けている記憶が無く、未だに黒夜を拘束している金も、白朝に打撃を与えた棒も操っているつもりは無く、完全に無意識化で稼働していた。

「クッッソ!…超いてぇぇ!」

 背後から胸を貫いている金から抜け出そうと、両手に黒い棒を作って、上体を起こそうと試みるが、傷口の塞がりが速く、ひたすらに痛覚を刺激し続ける羽目になり、引き抜く際には、歯を食いしばりながら地面を押して、前に出る。激痛に耐えながらも、何とか抜け出し、その瞬間には盛大に叫んでいた。

「ああ…やっと抜けた…。」

 足は固定されたままだが、胸に空いた傷はみるみる塞がり、背中に防御として真っ黒な分厚い石の盾を構えて、足に視点を移す。その背後では、刃は液体に戻り、白朝に近づいていた。

「覚えてないのか…となるとあれは無意識か。なら、殺した子供に謝るような今のお前は、無意識よりも弱い!」

 瓜生に向かって跳びかかろうとした白朝の右足に冷たい金が纏わりついた。

「なっ!」

 気づいた時には、金の棒で殴打され続ける状況が完成し、石で防御しても瞬く間に砕かれ、意味を成さない。

「あなたのそれ、大理石でしょ。」

 装置から降りて白朝に歩み寄る。攻撃が飛んで来るが、全て左手に持った金の()で防ぐ。

「そっちの…黒夜さんは黒曜石だよね?それなら当然、脆い方から狙う。」

 棒で白朝の後頭部を殴り、左手の板を白朝の眼前に持ってきて、顔を覆うように板を変形させ、窒息死を(はか)る。

「やめろおおお!」

 黒夜の怒鳴り声による静止を聞かず、完全な密閉状態となるヘルメットを作り、白朝の右肩を軽く押して仰向けに倒れさせる。

 今度は黒夜に近づいて行き、同じ手法を取る。しかし、後頭部への打撃は防がれ、他の箇所への攻撃も無意味に終わった。

「俺に同じ手が通じると思ってんじゃねえよ!舐めんな!」

 足の拘束をしている金から新たな金が伸び、叫ぶ黒夜の両手首に輪を掛け、そこからまた新たな金が伸びて床と繋がる。

「これで自由に身動きが取れなくなったね。」

 そう言って瓜生は、黒夜の背中に構えた黒曜石の盾を壊すため、背後に回ろうとしたその瞬間、瓜生に向かって大理石の欠片が一つ飛んで来る。当たりはしなかったが、後ろを振り返ると無数の欠片が浮いており、それらが一斉に瓜生と黒夜の元に飛んで来た。

「ここだ!俺ごと叩け!」

 黒夜の声がする方へ飛んで行き、瓜生は咄嗟の事で防御が間に合わず、大火傷を負った右手や顔面に直撃し、盾を作る余裕もなく、ただ逃げる事しかできず、黒夜の後ろに避難しようとするが、砕けた大理石を踏み、転んでしまう。

「転んだぞ!床を狙え!」

 黒夜の声を合図に、足元に転がった瓜生に集中砲火し、黒夜には一発も当たらなくなった。

 螺茅(にしがや) 敷納(しきな)

年齢 16  適性 汗  パターン 鉱  変換 白金

代償 2cm³以上の物の生成や一度生成した物の形状変化、操作が不可。ただし、

   液体化は可能

高圧的で短気な性格をしており、何もせずじっとしていることが苦手。

それでも、人を先導するリーダー性や人を惹きつけるカリスマ性を持っていたりするのだが、本編では、活用の場を設けられなかった。

キャラクターのモデルにしたのは、小中学校が同じだったクラスで一番温厚だった友人。

坊主で肥満型といった外見をしていて、人からいじられたり自分でネタにする事がよく在った。

真面目で成績も良かったため、教師陣からの信頼も厚かったが、そんな人物がもし荒くれ者だったらを想像した結果生まれたキャラ。

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