表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美しい幼馴染と共に、僕は大切なモノを探して日本各地を巡る  作者: NAOKI


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/3

【Vol.2】大切なモノを探して、僕は優奈の占いで示された場所に行く

 盗まれたビューティーのサインを探して、北海道で手掛かりを掴んだ主人公。次は何処に手掛かりを掴みに行くのでしょうか。優奈の占いは、何処を示すのでしょうか。さぁ、いよいよ幕開けです。

 それからどんどん時が過ぎて行き、金曜日の朝になった。気になった写真についてあれこれ考え、何度もその写真を見たが、一向に前に進まないでいた。

 ―う~む、やっぱりこの写真は、盗まれたビューティーのサインと何も関係が無いんかな~。何回もしっかり見たし、考えたけど、前に進まへんな~。今日の夜、また優奈に占ってもらって、明日と明後日でひたすら探しまくるか~―

 そう決めて、早速、優奈に電話する。優奈がすぐに電話に出てくれた。

「おはよう。朝早くからどうしたん?」

「おはよう、優奈。盗まれたビューティーのサインについて、写真を何回も見ていろいろ考えたけど、全然前に進まへんねん。今日の夜、また占ってよ。占いの部屋に行くわ」

「うん。いいで~。今日は通常通り営業するから、いつでも来てね。占いの部屋には、いっぱい占いの道具があるし、役に立てると思うわ」

「うん。ありがとう。優奈の占い、めっちゃいいわ~。頼りにしてるで~」

 電話を切り、夜を今か今かと待ちながら過ごす。時間が長く感じる。午後八時。占いの部屋に到着。中に入ると、占い師の格好をした優奈が笑顔で迎えてくれた。

「いらっしゃ~い。私の占い師の姿、どう?なかなか様になってるでしょ?」

「うん。正に占い師って感じで、かっこいいし、綺麗やで~」

「エヘヘ、ありがとうね。嬉しいわ。さぁ、この椅子に座って~」

 ふんわりとした大きな椅子に座る。前にあるテーブルには大きな水晶玉が置かれている。

「じゃあ、早速始めるで~」

 優奈がそう言って、水晶玉に向かって真剣な表情で呪文を唱える。小さい水晶玉に向かって唱えていた呪文よりも長い呪文というのが分かる。

 ―優奈が占ってる姿、綺麗でかっこいいな~。見とれてしまうわ~―

 暫く時間が経ち、優奈が笑顔で僕を見て、口を開いた。

「次は長崎や。長崎に何かあると占いで出たで。思い当たる場所ある?」

「そうやな~。何回か行った事があるけど、これと言って決め手になる場所は無いな~」

「そうなんや~。でも長崎に行って探したら、何か分かると思うで。他の道具も使って占ってみるわ。他に何か出て来るかもしれへん」

 優奈がカードやスティックを使って占う。それなりに長い時間を使って占ってくれて、長崎で何処に行けばいいか、いくつかポイントを挙げてくれて、長崎でビューティーのサインを探す為のポイントをメッセージで僕に送信してくれた。

「明日と明後日、私は行けへんけど、いい手掛かりが見つかるように応援してるで」

「うん。ありがとう。優奈の応援はほんまに心強いわ。早速、明日長崎に行ってみるわ。状況次第では、長崎に泊まって、明後日も長崎で探す事になるかもしれへん」

「うん。じゃあ、もう少しで今日の営業が終わるから、後で晩御飯食べようよ」

「了解!外でブラブラしながら時間潰して、営業終了の時間に戻って来るわ」

 外に出て歩き、コンビニに入って雑誌を読む等して時間を潰す。そろそろ営業終了の時間になる。占いの部屋に戻ると、優奈が後片付けをしていた。

「おかえり~。お腹空いた~!早く晩御飯食べに行こう!」

「優奈、お疲れ様~。そうやな~。行こう行こう」

 占いの部屋を出て、晩御飯を食べに行く。何処に食べに行こうかと考えていると、優奈が笑顔で僕に言ってきた。

「ねぇねぇ、今日は私がよく行くお店でいい?一緒に行きたい」

「お~、優奈の行きつけの店か~。そこでいいで~。楽しみや~」

 二人で手を繋ぎながら暫く歩くと、お洒落な雰囲気の居酒屋に着いた。

「ここやで~。料理美味しいし、雰囲気のいいお店やで~」

「確かに雰囲気いい感じやな~。楽しみやわ~」

 二人で店に入ると、店長らしき男性が出迎えてくれた。

「お~、優奈ちゃん!いらっしゃ~い!今日は男性と来たんやね~」

「うん。このお店がいいって言って、連れて来たで~」

 その男性に案内され、席に座り、メニューを見る。

「さっきの人、店長なの?優奈、常連さんって感じがするね~」

「そうそう、店長やで~。そんな、常連さんって程とちゃうけど、結構来てるわ」

「そうなんや~。まずは、何飲む?何でもいいで~」

「そうやな~、今日は赤ワインを飲みたい気分やわ。赤ワインをボトルで頼もうよ」

「うん!僕も赤ワイン飲みたいわ。どんどん飲もう!」

 赤ワインをボトルで注文。赤ワインが来るまでの間、何を食べるか考える。

「優奈のお勧めは、どんな料理なの?」

「そうやな~、照り焼きチキンのピザとタラバガニのパスタがお勧めやな~。あと、シーザーサラダを頼もう。他は好きなの頼んでよ」

「分かった。じゃあ、フライドポテトと鶏の唐揚げを頼もう」

「うん。照り焼きチキンに鶏の唐揚げで、鶏三昧やね~」

 決めた直後、店長がボトルの赤ワインを持って来て、一杯目をグラスに注いでくれた。さっき決めた料理を注文。グラスを手に取り、乾杯。優奈がグイッと飲む。

「あ~、赤ワイン美味しい~!どんどん飲めそう」

「うん。美味しい~。僕もいっぱい飲めそうや。料理も楽しみや~」

 どんどん料理が運ばれて来る。優奈が照り焼きチキンのピザを切り分け、ピザとタラバガニのパスタをそれぞれ小皿に盛り、僕に渡してくれた。

「お、優奈、気が利くねぇ。ありがとう」

「うん。さぁ、食べよ食べよ」

 まずは優奈がタラバガニのパスタを口に入れ、更に笑顔になる。

「美味しい~!ここのタラバガニのパスタ、最高や~!」

「うん。美味しい~。さすが優奈のお勧め料理やわ~」

 続けて、照り焼きチキンのピザを食べる。優奈が満面の笑顔。

「お~、ピザも美味しい~!やっぱ、何回食べても美味しいわ~!」

「ほんまや~。美味しい~!優奈のお勧め料理は間違い無いな~」

 美味しい料理と赤ワインを堪能。話が弾み、食事とお酒が進む。

「明日、長崎に行くんやね~。今回の占い、自信あるわ。いい手掛かり掴めるで。あ~、一緒に行きたかったな~。さすがに明日は店を開けないとあかんからな~」

「お~、占いに自信があるなんて、心強いわ~。いい手掛かりが見つかりそうな気がするわ~。僕も優奈と一緒に行きたかったけど、優奈の事を考えながら長崎で過ごすわ」

「うん。ありがとう。心の中で応援してるわ」

 ボトルに入った赤ワインを飲み干し、更にもう一本赤ワインをボトルで注文。どんどん食べて飲み、すっかり僕と優奈は出来上がった。デザートも食べ、もう日付がそろそろ変わろうかという時間。

「うわ~、もうこんな時間や~。そろそろ行こうか。勿論、僕が払うで~」

「お~、ありがとう!嬉しいわ~!御馳走様でした~!」

 レジに向かい、僕が会計を済ませる。店長が話し掛けてきた。

「ありがとうございました~。是非また来て下さいね~」

「はい。めっちゃ美味しかったです。ありがとうございました」

「優奈ちゃんも、今日はいっぱい飲んでたね。また来てね~」

「は~い。今日は飲み過ぎちゃったかな~。めっちゃ美味しかったです~」

 店を出て、二人で手を繋ぎながら優奈のマンションに向かって歩く。

「ほんまに料理もお酒も美味しかったわ~。優奈、いいお店に連れて行ってくれてありがとう。店長とすっかり顔馴染みなんやね~」

「ほんまに美味しかったわ~。今日はめっちゃ楽しかったし、格別に美味しく感じたわ~。店長とは、あのお店に行った時はそこそこしゃべるで~」

 談笑しながら歩いていると、優奈のマンションの前に着いた。

「今日も送ってくれてありがとう。めっちゃ楽しかったわ。愛してるで」

「うん。僕もめっちゃ楽しかったわ。ありがとう。僕も愛してるで」

 唇と唇を合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合う。優奈が口を開く。

「ねぇ、今日はずっと一緒にいたい。私の部屋に泊まっていって」

 僕の心臓がバクバクする。優奈の部屋に泊まれると思うと、気持ちが舞い上がる。

 ―おぉ~!今日の優奈、めっちゃ積極的や~!めっちゃ嬉しい~!―

「うん。泊まっていくわ。ありがとう。めっちゃ幸せやわ~!」

 一緒に優奈のマンションに入る。オートロックを優奈が鍵を使って開け、エレベーターで上がる。エレベーターから降り、少し歩いて優奈の部屋の前に到着。優奈が鍵を使って開錠。ドアを開け、二人で優奈の部屋に入る。

 ―これが優奈の部屋か~!綺麗に片付けられてるな~。さすが、女性の部屋や~―

 思ったよりも綺麗な部屋に見入っていると、優奈が得意気に笑ってきた。

「ウフフ、部屋の中をめっちゃ見てるね~。まぁ、適当に寛いでよ」

「うん。思ったよりも部屋が綺麗に片付けられてるから、びっくりしたわ~」

 うがい手洗いトイレを済ませ、テーブルの近くにある椅子に座ると、優奈がニッコリ微笑みながら僕に言ってきた。

「コーヒー入れるで。ホットがいい?アイスがいい?」

「ありがとう。じゃあ、ホットコーヒーを貰うわ」

 優奈が電気ケトルを使ってお湯を沸かし、ホットコーヒーの準備をする。コーヒーカップにホットコーヒーを入れ、ホットコーヒーの良い匂いが部屋中に漂い、優奈が満面の笑顔で僕に言う。

「はい、どうぞ。そんなに本格的なコーヒーとちゃうけどね~」

「ありがと~!美味しそうやわ~!いただきま~す」

 ホットコーヒーを一口飲む。普通のコーヒーだが、優奈に入れてもらったという事で、めっちゃ美味しく感じた。

「ホットコーヒー、めっちゃ美味しいわ~!さすが、優奈。コーヒーの作り方が上手いわ」

「も~、ただの普通のコーヒーやで~。でも、嬉しいわ~。私も飲もうっと」

 優奈もホットコーヒーを飲み、優奈の表情が満面の笑顔になる。

「うん。美味しい~。一緒に飲むと、ほんまに美味しく感じるわ~」

 暫くの間、二人で楽しくおしゃべりする。ふと、優奈が口を開く。

「そろそろ、お風呂に入ろっか。一緒に入る?」

「お~、いいねぇ!勿論、一緒に入るで~!」

 優奈が服と下着を脱ぎ、畳んで床に置く。優奈のセクシーダイナマイトバディの裸が、僕の目の前に現れる。

 ―おぉ~!優奈の裸、めっちゃ綺麗やわ~!おっぱいもお尻もめっちゃ大きい~!―

 僕が優奈の裸をじ~っと見ていると、優奈がクスクス笑いながら言う。

「も~、そんなに見つめられると、恥ずかしいわ~。早く入ろうよ」

「うん。あまりにも綺麗で、見とれてもうたわ。僕も脱ぐで~」

 ササッと服と下着を脱いで床に置く。優奈が浴室に入り、僕も優奈に続いて入る。浴室の中に入ると、思ったよりも広く、僕が少し驚きながら優奈に言う。

「お、結構広いお風呂やね~。いいなぁ。ゆっくりお風呂入れるな~」

「え~、そうかな~。ありがと~!まぁ、お風呂には満足してるで~」

 優奈が蛇口を捻り、お湯がシャワーから勢い良く出る。まずは優奈が身体にお湯をかける。気持ち良さそうな優奈の表情がたまらなく色っぽい。続いて僕も身体にお湯を掛ける。

「ねぇねぇ、身体洗ってあげるね~。気持ち良くなるように洗ってあげる~」

優奈が笑顔でそう言って、ボディーソープを手にたっぷりと付け、僕の身体を洗う。優奈の巧みな手つきにより、少しくすぐったくて、めっちゃ気持ちいい。

「優奈、めっちゃ気持ちいいわ~。優奈の手つき、上手いね~」

「ウフフ、ありがとう。もっと気持ち良くなるように洗ってあげる~」

 優奈が更に激しく巧みな手つきで僕の身体を洗う。めっちゃ気持ち良く、僕が天国にいるかのような表情になる。

「お~、めっちゃ気持ちいいわ~!優奈、洗うのがめっちゃ上手いわ~」

 続いて、僕がボディーソープを手にたっぷりと付け、優奈の身体を洗う。僕なりに手を巧みに使って優しく丁寧に洗う。

「ウフ、めっちゃ気持ちいいわ。洗うの上手いやん」

「ありがと~!そう言ってくれて、めっちゃ嬉しいわ~」

 唇と唇を濃厚に合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。唇をそ~っと離し、お互いの身体を洗い合い、髪を洗う。シャワーで流し、バスタオルで身体を拭き、裸のまま浴室から出た。

 優奈に導かれ、ベッドの横に移動。濃厚にディープキス。舌と舌を濃厚に絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合い、そのままの勢いで二人でベッドに雪崩れ込み、めっちゃ興奮しながら熱く激しく時間が経つのを忘れて無我夢中でひたすら愛し合いまくった。

 二人でベッドに横になり、キスしたり、抱き締め合ったりして、余韻に浸っていると、ふと、優奈が笑顔で僕に言ってきた。

「ウフフ、段々眠くなってきたわ。そろそろ寝よっか。おやすみ~。愛してるで!」

「うん。僕も眠くなってきたわ。そろそろ寝るわ。おやすみ~。愛してるで~!」

唇と唇を濃厚に合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合いながら、心地良く眠りについた。

翌朝、目が覚めると優奈が横でまだ眠っている。優奈にチュッチュッと何度もキスし、優奈が起きた。優奈が笑顔で僕に囁く。

「ウフフ、おはよう。あんたのキスで目が覚めるなんて、幸せやわ~」

「うん。優奈、おはよう。僕も幸せやで~」

 何度も何度もディープキス。舌と舌を絡め合い、暫くの間、ぎゅ~っと強く抱き締め合う。そろそろ動く事になり、二人でシャワーを浴び、服と下着を着る。優奈が朝御飯を用意してくれた。焼きたてトーストと目玉焼きとソーセージとベーコンとサラダ。盛り沢山。僕が大喜びではしゃぎながら優奈に言う。

「お~、豪華な朝御飯やな~!ありがと~!いただきま~す!」

「うん!ありがと~!頑張って作ったわ~!いただきま~す!」

 二人でどんどん朝御飯を食べる。めっちゃ美味しくて、僕が満面の笑顔で優奈に言う。

「優奈、めっちゃ美味しいわ~!料理上手いね~!」

「エヘヘ、ありがとう!頑張って作って良かったわ。めっちゃ嬉しいわ~!」

 二人で談笑しながら朝御飯を平らげ、ホットコーヒーを飲み、外出の準備を完了。

 唇と唇を合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合い、二人で出発。

 二人で手を繋ぎながら暫く歩き、占いの部屋の前に到着した。

「ほんまに幸せな時間を過ごせたわ。ありがとうね。気を付けて長崎に行って来てね」

「うん。僕もめっちゃ幸せな時間を過ごせたわ。ありがとう。愛してるで!」

「ウフフ、私も愛してるで!ところで、大丈夫やと思うけど、長崎で浮気したらあかんで。私、占い師やし、顔を見るだけで分かるからね」

「当たり前やん。絶対に浮気せぇへんで」

 周りを見回し、人がいないのを確認。唇と唇を合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合う。唇をそ~っと離し、優奈が占いの部屋に入って行った。


 僕は一旦家に戻って着替えを済ませる。もしかして長崎で一泊するかもしれないと考え、泊まりの用意をして、すぐに家を出る。電車で新大阪駅に向かい、到着。新幹線と特急に乗って長崎に移動。新鮮な景色に少し感動しながらも、睡眠をとる。一人旅と言っても良い位、長い時間をかけ、漸く長崎に到着した。

 ―久し振りの長崎や~。お腹空いたな~。何食べよっかな~―

 長崎駅を出て、ランチに何を食べるか考え、折角、長崎に来たという事で、名物である皿うどんを食べる事にした。スマホで検索して、美味しそうな店を発見。路面電車に乗り、少し歩いて店に到着。早速、皿うどんを注文し、皿うどんを口に入れる。

 ―お~、やっぱ本場の皿うどんはめっちゃ美味いわ~―

 あまりの美味しさに、一気に皿うどんを平らげ、満足感に溢れながら店を出る。

 ―さぁ、真剣にビューティーのサインを見つける為の手掛かりを探すで~!優奈が占ってくれたポイントを頼りにして、まずは何処に行くか―

 優奈がメッセージで送ってくれたポイントを読む。まずは、「思い当たる場所にひたすら行く」と書かれている。

 ―大雑把な内容やな~。まぁ、優奈らしいか。さて、何処に行こうかな―

 思い当たる場所を暫く考え、ぱっと思い付いた場所が、グラバー園だった。

 ―とりあえず、グラバー園に行ってみるか―

 グラバー園に向かう事にした。路面電車に乗り、暫く歩き、到着。入園料を支払い、中に入る。久し振りに来たグラバー園は、前に来た時とあまり変わっていない感じがした。

 ―前に来た時も、こんな感じやったな~。さぁ、優奈の占いを信じて、ビューティーのサインの手掛かりを探そう―

 グラバー園を散策。動く歩道に乗る。上から見る景色は壮大で綺麗。

 ―綺麗な景色やな~。優奈と一緒に見たかったな~。優奈は今、占いしてるんかな~―

 優奈の事が頭に浮かんだ。暫く景色を眺め、ビューティーのサインの手掛かりを探す。旧グラバー住宅等、いろいろな建造物を見て、探す。置かれている物、天井、壁、植物、可能な限り隅から隅まで探すが、手掛かりは無し。段々歩き疲れてきた。

 ―ちょっと疲れたな~。気分転換に、喫茶室に入るか―

 有名な喫茶室に入る。西洋風の雰囲気の喫茶室で、居心地が良い。席に座り、アイスコーヒーを注文して飲む。

 ―さすが、それなりの金額やし美味しいわ。優奈が入れてくれたコーヒーも美味しかったけど、このコーヒーは味に深みがあるなぁ―

 もしかしてこの店に手掛かりがあるかもしれないと考え、全体を見回すが、手掛かりになりそうな物は無い。アイスコーヒーを飲み干し、支払いを済ませて店を出た。その後も手掛かりを探し回ったが、見つからない。

 ―ここには手掛かりは無さそうやな。他を当たるか―

 グラバー園を出る事にした。お土産屋に入り、いろいろなグッズを見る。何か気にあるグッズがあるかどうか探したが、手掛かりになりそうな物は無い。

 ―ま、折角来たんやし、優奈に何かお土産を買って行こうかな―

 優奈が気に入りそうなお土産を探す。目に入って来た物は、ハンカチとクッキー。どっちの方が喜ぶか考える。

 ―クッキーは食べたら無くなるし、ハンカチにするか。僕の分も買って、お揃いにしよう。ピンクが優奈で、青が僕の分にしよう―

 ハンカチを二枚購入。グラバー園を出て、次は何処に行くか考える。

 ―次に思い当たる場所、う~ん、何処やろ。そうやなぁ~、まぁ、鉄板の観光スポットに行くか。大浦天主堂なんていいなぁ―

 大浦天主堂に行く事にした。のんびり歩きながら向かう。ふと、爽やかな風が吹いてきた。僕の髪が風に吹かれて揺れる。

 ―そういえば、この前の女子ゴルフツアートーナメントでも、風が吹いてたなぁ。北海道で行ったゴルフ場で見た、気になる写真も、風が吹いてたみたいで、髪が揺れてる感じがしたなぁ。まぁ、ビューティーのサインとは関係ないかな。いや、関係あるかもしれへんで!―

 スマホを取り出し、撮影した気になる写真を見ると、確かに写っている人の髪が風で揺れているのが分かる。帽子を被っている人の髪は、長い髪の女性は揺れていて男性は揺れていない。サンバイザーを着けている人の髪は揺れている。ビューティーは帽子を被っていて、スイングの直後という事もあり、髪が揺れている。髪が揺れているのが妙に気になる。

 そんな事を考えながら歩いていると、大浦天主堂の前に着いた。拝観料を支払い、中に入る。教会の中は広くて天井が高く、ざっと見た感じでは、手掛かりになりそうな物は無いが、いろいろな場所に行き、置かれている物や床や壁等を見て回る。

 ―歴史的な建造物で、いろいろな物を興味深く見れるけど、さすがにビューティーのサインの手掛かりになりそうな物は無いなぁ―

 それでも折角来たので、可能な限り隅から隅まで見て回る。通行止めになっている場所は、行ける場所から見れる範囲で見る。やはり手掛かりは見つからない。

 ―やっぱ、ここにも手掛かりは無いか。次の場所に行くか―

 グラバー園でお土産を買ったが、大浦天主堂のお土産屋にも行くと、結局買いたくなり、優奈とお揃いでキーホルダーを購入して、大浦天主堂を出た。

 次に思い当たる場所を考える。オランダ坂が気になり、行ってみたが、やはりビューティーのサインの手掛かりは見つからない。坂を歩き回って疲れてきた。次の思い当たる場所を考えたが、なかなか思い付かない。

 ―う~ん、思い当たる場所が思い付かなくなってきたなぁ。どうしよっかな~。一旦、長崎駅の辺りに戻るか―

 路面電車に乗り、長崎駅に戻る。周辺をブラブラしながらビューティーのサインの手掛かりを探す。いろいろな店があり、外から店内を見たり、店の中に入って売っている物を見たりするが、やはり手掛かりは見つからない。喉が渇いてきたので、ペットボトルのお茶を飲もうと鞄から取り出して一口飲んだが、どんどん飲んでしまい、空っぽになってしまった。ペットボトルのお茶を買う為に周囲を見回すと、コンビニエンスストアが見えた。コンビニエンスストアに入り、ペットボトルのお茶を買って店を出る。早速、お茶を飲み、喉を潤す。その直後、女性の大きな声が聞こえた。

「キャ~!!ひったくり~!!誰か捕まえて~!!」

 後ろからダッシュで逃げる男が僕を一気に追い抜いた。その男が女性の鞄を持っている。ペットボトルの蓋を閉めて鞄にしまい、追い掛けようとすると、誰かが僕の腕を後ろから掴み、足を使って僕を地面に倒した。その人が大声を出して叫ぶ。

「ひったくり犯、捕まえた~!逮捕する~!」

 見ると、その人は女性警察官。僕の顔が青ざめた。

 ―げ!この人、僕をひったくり犯と勘違いしてやがる!―

 女性警察官が僕に手錠をかけようとした時、僕が慌てて大声を出して叫んだ。

「待って下さい!僕じゃありません!犯人はあの逃げてる人です!」

 僕の言葉に、今度は女性警察官の顔が青ざめた。すぐに僕に謝罪。

「ほんっとうにごめんなさい!間違えました!お詫びは後できちんとします!」

 すぐに女性警察官がひったくり犯を追ったが、既に距離を付けられていて、とても追い付けそうにない。

「普通に追っても追い付けないと思うし、たぶんあの曲がり角で曲がるから、先回りして通せんぼしますよ」

「ご協力ありがとうございます。では私は犯人を追い掛けます」

 二手に分かれてひったくり犯を追い詰める事にした。僕がひったくり犯の走路を予想し、先回りすると、予想が当たって犯人が走って来た。僕が犯人に大声で言う。

「ここは通さへんで!諦めて鞄を女性に返せ!」

「何だお前は!そこをどけ!ぶっ飛ばすぞ!」

 ひったくり犯が僕に向かって来た。格闘技素人の僕は、やばい状況に陥っている。

 ―やばい!こいつと戦っても、僕に勝ち目は無いで。どうしよう―

 すると、後ろからさっきの女性警察官がひったくり犯に飛び掛かり、地面に倒して腕を締め上げ、手錠を手に取り、犯人に大声で叫んだ。

「窃盗の現行犯で逮捕する!」

 女性警察官の声が響く。犯人は観念したようで、ぐったりしている。女性警察官が犯人に手錠を掛けた。

「ご協力、本当にありがとうございました。助かりました。お詫びと御礼は後程します。あと一時間位後にこのスマホの番号に電話して下さい」

 女性警察官が僕に名刺を渡してくれた。そして、鞄を盗まれた女性が到着。

「犯人捕まえてくれたんですね~。本当にありがとうございます!」

 その女性が笑顔で御礼を言ってきた。女性警察官がスマホを取り出して電話し、警察官がパトカー二台で来て、ひったくり犯を連行。女性警察官が僕にお辞儀をして、鞄を盗まれた女性と共に残りの一台のパトカーに乗り込み、サイレンを鳴らして走り去って行った。

 ―あ~、びっくりしたわ~。でも犯人が捕まって良かったわ―

 女性警察官から渡された名刺には、「刑事 山岡美和」と書かれていて、警察署の電話番号と、女性警察官のスマホの電話番号が書かれている。

 ―お~、あの女性、やっぱり本物の警察官なんやな~―

 警察官の名刺に圧倒される。良い事をしたので、何となくビューティーのサインの手掛かりが見つかりそうな気がした。僕自身、地面に倒された影響で、服が汚れている。持っているウェットティッシュで拭いて汚れを落とすが、どうしても落とし切れない。落胆したが、気を取り直して長崎市街をブラブラしながらビューティーのサインの手掛かりを探すが、やはり見つからない。そうこうしているうちに、一時間位経った。

 ―そういや、一時間位後に電話して下さいって言ってたな。電話してみるか―

 スマホを取り出し、女性警察官に電話すると、すぐに電話に出てくれた。

「はい。山岡です。どちら様でしょうか?」

「あ、さっきひったくり犯を一緒に捕まえた者です。電話して下さいと言ってたので」

「あ~、先程の方ですね。ありがとうございました。無事犯人を逮捕して、女性に鞄を返却する事ができました。もうすぐ今日の仕事が終わるので、警察署の前まで来ていただけませんか?今何処にいらっしゃいますか?」

 僕が今いる場所を説明し、女性警察官が警察署への行き方を説明してくれた。説明通りに周囲を見回しながら歩いて移動すると、警察署が見えてきて、女性警察官が警察署の前に立っているのが見えた。小走りで向かい、到着。

「もういらっしゃってたんですね~。お待たせしました~。結構待ちました?」

「いえいえ、さっき着いたばかりですよ~。先程は、間違えて逮捕しそうになって、本当に申し訳ございませんでした。あんな事をしちゃったのに、ひったくり犯を逮捕するのを手伝っていただいて、本当にありがとうございました」

「そんな~、気にしないで下さい。大丈夫ですよ。御礼を言っていただいて、嬉しいです」

「そう言っていただいて、ありがとうございます。ご協力が無ければ、犯人を逮捕する事ができなかったと思います。お詫びと御礼をさせていただきたいのですが、何かご希望はございますか?私に出来る事なら、何でもさせていただきますよ」

「え~、そんな気を遣わなくていいですよ~。でも、今後役に立つかもしれへんし、良かったら護身術を教えてもらえませんか?山岡さん、強いし」

「お~、強くはないですけど、護身術なら教えられますよ。早速、警察署の中にある道場に行きましょう。さぁ、どうぞ」

「は~い。警察署の中なんて、何か緊張しますけど、嬉しいです!」

 山岡さんに案内され、警察署の中に入った。警察署の中では、たくさんの警察官が忙しそうに動き回っている。少し肩身の狭い思いをしながら、階段で三階に上がると、驚く程、広い道場が目の前に現れた。

「柔道着、着た事ありますか?」

「いや、無いです。柔道着の着方が分かりません」

「そうですか~。護身術を教えるには、柔道がいいかな~って思うので、柔道着に着替えましょう。私、着替えるのをお手伝いしますよ」

「分かりました。柔道か~。した事ないし、ドキドキするなぁ」

「緊張しなくて大丈夫ですよ。さ、上着とズボンを脱いで下さいね」

 山岡さんに言われるがまま、上着とズボンを脱ぎ、Tシャツとパンツ姿になる。

「う~ん、Tシャツも脱ぎましょうか。その方が柔道らしいですもんね」

 言われた通り、Tシャツも脱ぎ、パンツ一丁の姿になった。

 ―パンツ一丁になっちゃったな~。何か、恥ずかしいなぁ―

「結構いい身体してるじゃないですか~。じゃあ、柔道着を着ましょう」

 柔道着を下から上と順番に着る。山岡さんが上手に整えてくれた。

「お、いい感じですね~。最後に帯を締めますね。私が締めてあげますよ」

 山岡さんが黒帯を取り出し、僕の腰に巻いて、締めてくれた。その際、山岡さんのおっぱいが僕にぐ~っと当たった。

 ―お、山岡さんのおっぱい、大きくて柔らかくて気持ちいいな~―

 柔道着に着替え終わった。僕の柔道着姿を見て、山岡さんが満面の笑顔で言ってきた。

「お~、似合ってますよ~。柔道家って感じです~」

「そうですか~。ありがとうございます。何か、照れますね」

「あはは。じゃあ、私も着替えて来ますね」

 そう言って、山岡さんが着替えのスペースに歩いて行った。暫く待つと、柔道着姿の山岡さんが現れ、僕に向かって歩いて来た。山岡さんの柔道着姿に見とれてしまう。

 ―うわ~、山岡さん、めっちゃ綺麗やし、柔道着姿かっこいいな~。おっぱいとお尻、大きいな~。組む時とか、締め技をされる時とか、気持ち良さそうやな~―

 ドキドキしながらそんな事を考えていると、山岡さんが僕に言ってきた。

「お待たせしました~。柔道着、そこそこ似合ってますか?」

「めっちゃ似合ってますよ~。綺麗やし、かっこいいです~」

「あはは。ありがとうございまず。嬉しいです。ところで、そろそろ敬語止めましょうか。私の事、美和って呼んで下さいね」

「え!いいんですか?」

「はい。その方が、親しみ易いし、教え易いし」

「了解です!美和って呼べるなんて、めっちゃ嬉しいわ!」

「そう言ってくれて、私も嬉しい!関西弁なのね。大阪に住んでるの?」

「うん。大阪市に住んでるで。美和は長崎市に住んでるの?」

「うん。生まれは東京だけど、勤務先の警察署が長崎になったから、今は長崎市に住んでるよ。最初は東京が恋しかったけど、今はもうすっかり慣れちゃった」

「そうなんや~。確かに、完全な標準語やね~」

「うん。名前は何ていうの?」

名前を名乗り、簡単に自己紹介した。

「さぁ、護身術を教えるよ。組もっか。私の腕を掴んで」

 美和に言われ、美和の腕をそっと掴む。

 ―お~、さすが警察官。筋肉質やわ~。腕の筋肉しっかりあるなぁ―

 僕が美和の腕を掴んだまま固まっていると、美和が声を掛けてきた。

「こんな風に掴まれた時は、こうやって身体を倒してから、腕を締め上げるの」

 美和が足を使って僕を畳に倒し、腕を掴んで軽く締め上げた。美和の大きなおっぱいとお尻がぐ~っと僕に当たる。

 ―おぉ~!ちょっと痛いけど、美和のおっぱいとお尻、めっちゃ気持ちいい~!―

「こんな感じで、相手を倒して腕を締め上げると、相手は何も出来なくなるよ」

「うん。さっきもこのやり方で犯人を逮捕してたね。さすがやわ」

 美和が僕の腕を離し、立ち上がる。僕もゆっくりと立ち上がった。

「じゃあ、次は投げ技を教えるよ。そこに立って」

 美和が僕の腕を掴んで、僕の身体をグッと美和の身体に寄せた。美和の大きなおっぱいが僕にぐ~っと当たり、たまらなく気持ちいい。

 ―おぉ~!美和の大きなおっぱいが僕に当たってる~!めっちゃ気持ちいい~!―

 そんな事を考えていると、美和が少し屈んで僕の懐に素早く入り、一気に僕を軽く投げ飛ばす。僕の身体が回転し、背中から畳に落ちた。一瞬の出来事にびっくり。

 ―うわ~、一瞬で投げられた~。美和、凄いな~!―

「掴み掛かられたら、こうやって投げ飛ばすのも有効な手段よ」

「うん。美和、凄いね~!一瞬で投げ飛ばされたわ。何もできひんかったわ」

「エヘヘ、ありがとう。柔道には自信あるの~」

「へぇ~!もしかして、大会で優勝したりしてるの?」

「うん。高校生の時、インターハイで優勝したし、大学生の時、全国大会で優勝したし、全日本選手権で準優勝したよ」

「え~!凄いやんか~!美和がそんなに強い柔道家なんて、知らんかったわ~。そりゃ~、筋肉質やし、締め技も投げ技も上手い訳や~。柔道はオリンピックしか見た事なかったわ」

「ありがとう。実は、次のオリンピックに出れたらいいな~って思ってるよ」

「そうなんや~。頑張ってね~。応援してるで~」

「うん。ありがとう。じゃあ、最後に刃物を持ってる相手への対処法を教えるね。刃物を持ってるふりをして、私に近付いて来て」

 美和に言われた通り、刃物を持っているふりをして美和に近付く。美和に手を振りかざして刃物で刺そうとするふりをすると、美和が僕の手首と腕を掴み、両手を使って僕の手首を軽く締め上げて、すぐに離してくれた。

「こんな風に相手の手首を締め上げて、力が入らなくなってから、刃物を奪うのがいいよ」

「うん。分かった。こんな事も柔道で教えてもらえるの?」

「ううん。これは昔、父親から教えてもらったの。代々受け継がれてるんだって~」

「へぇ~、武道の家系やね。美和に護身術を教えてもらって良かったわ。ありがとう」

「どう致しまして。後は、相手が男なら、股間を思いっ切り蹴り上げるのも有効的だよ。たぶん今までに股間を打った事があると思うから、痛みは分かってるよね~。男の股間は急所だからね~。ところで、何で護身術を習得したくなったの?」

「実はね、今、探し物をしていて、長崎に来たのはその為やねん。護身術を身に付けておけば、いずれ役に立つかもしれへんな~って思ったんや」

「そうなんだね~。すごく興味深いわ。もっと詳しく知りたい~!ねぇねぇ、今日の夜、時間ある?良かったら一緒に飲みに行こうよ」

「うん。勿論行くで~!ありがとう!嬉しい~!」

「じゃあ、私服に着替えましょ。いいお店あるよ。連れて行ってあげる」

「うん。美和のお勧めの店か~。めっちゃ楽しみやわ~」

 柔道着から私服に着替える。さすがに柔道着を脱ぐのは一人でできた。美和も着替えのスペースで着替え、戻って来た。

 二人で階段を下り、警察署から出て、暫く歩くと、雰囲気の良い居酒屋の前に着いた。

「このお店なの。料理美味しいし、お酒もいろいろあるよ~」

「うん。どんな料理とお酒なのか、めっちゃ楽しみやわ~」

 美和が店のドアを開け、二人で店内に入って行った。


 同じ頃、占いの部屋では、優奈が占いの仕事をしていた。お客さんの数はまあまあ多く、適度な忙しさの中、仕事に励んでいる。今はちょっと間が空いている。優奈が独り言を口にする。

「あ~、今日はそこそこ忙しいなぁ~。今頃、長崎で手掛かりを探してるんやろうけど、何か見つかったかなぁ。上手くいくといいけどな~。占い、ちゃんと当たるかな~。あ、そうや。何か連絡が来てるかもしれへんな~」

 優奈がスマホを取り出し、チェックしたが、長崎からの連絡は来ていない。

「ま、いいか。仕事仕事~。と言っても、なかなかお客さん来ないなぁ~」

 少し退屈な感じになってきた時、一人のお客さんが占いの部屋に入って来た。

「いらっしゃいませ~。こちらへどうぞ~」

 優奈がお客さんを案内しようとした時、はっと気付いた。

「あ~、この前、小樽でお会いした方ですね~。あの時はどうも」

「はい。占いの部屋に行くと言ったんで、来ちゃいました~」

「ありがとうございます。あの後、何処を回ったんですか?」

「あの後は、小樽を少しぶらついて、そのまま空港に行って帰って来ました」

「そうですか~。では、占いましょう。今日は何を占いましょうか?」

 優奈がそう言うと、急にそのお客さんが真剣な表情になって答えた。

「優奈さんと僕が、どうやったら上手くいくか、占って欲しいんです」

「え?なんでそんな事を占うんですか?」

「なんでって、優奈さんの事、好きやからですよ」

「は?何を言ってるんですか。私、彼氏いるんですよ。この前、小樽で一緒にいた人が彼氏なんですよ。分かりますよね?」

「そりゃ分かりますよ。ちょっと僕の話を聞いて下さい。僕、なんであの時小樽にいたのかと言うと、何となく、優奈さんが小樽にいると感じたからなんですよ。北海道を一人旅していて、ふと、小樽に優奈さんがいてるような気がして、ふらっと行ってみたら、ほんまにいて、びっくりしました。これって、運命なんちゃうんと思って、めっちゃ嬉しかった。その時、僕は優奈さんの事が好きなんや~って確信したんですよ。前の彼女に一瞬で振られたのは、ずっと優奈さんの事を考えていて、その人に集中してなくて、怒らせちゃったからなんですよ。優奈さん、好きです!僕と付き合って下さい!」

「そんな事言われても困ります。あなたとは付き合えません。あの時、小樽で会ったのは偶然ですよ。私、彼氏の事が好きなんです。私の事は諦めて下さい」

「諦められません。占ってもらうために客として来たんですから、僕と優奈さんがどうやったら上手くいくか、ちゃんと占って下さい」

「無理です。どうやっても私とあなたは付き合えません。どうぞお帰り下さい」

「嫌や!帰らへん!優奈さん、好きや!占ってや!」

 その男がそう言って、優奈に近付いて来た。優奈が大きな声を出す。

「ちょっと、止めて!来ないで!」

 優奈の声を無視して、その男が更に優奈に近付く。優奈が後ずさりしたが、その男が優奈の両肩を両手で掴んだ。そして、唇を優奈の唇に近付ける。優奈が懇願する。

「ちょ、ちょっと、お願い、止めて。止めてよ」

 優奈のお願いを無視し、その男が更に唇を優奈の唇に近付ける。その男の勢いに、優奈が飲まれそうになり、心臓がドキドキする。実はその男の顔は優奈の好みのタイプ。

 ―この人、私の事を求めてるわ。どうしよう。一回だけならいいんかな・・・―

 そんな思いに優奈が駆られ、優奈がグッと目を閉じる。


 そんな優奈の状況を知らず、僕は美和と一緒に飲む為、店に入った。店員に案内され、席に座り、メニューを見る。

「まずは何飲む?何でもいいで~」

「そうだな~、まずはビールを飲むよ。何飲む?」

「じゃあ、僕も生中にするわ。丁度ビール飲みたかってん」

 店員を呼び、生ビール中ジョッキを二つ注文。何を食べるか考える。

「美和、このお店のお勧め料理は何?」

「えっとね~、海鮮系が美味しいよ。お刺身の盛り合わせなんてどう?」

「いいねぇ~。他は鶏の唐揚げと、ホッケを頼んでいい?」

「うん。いいよ~。海鮮サラダも頼もうよ」

「うん。了解~。じゃあ、とりあえずそんなもんにしとこうか」

 店員が生ビール中ジョッキを二つ持って来た。そのタイミングで料理を注文。乾杯する為、僕が笑顔で美和に言う。

「ではでは、僕と美和の素敵な出会いにかんぱ~い!」

「あはは。いいねそれ。かんぱ~い!」

 二人でビールをグイッと飲む。美和が良い飲みっぷりで豪快。

「うん!美味しい~!運動した後のビールは本当に美味しいね~!」

「ほんまやな~。美味しい~!美和と一緒に飲んでると、より一層美味しく感じるわ~」

「あはは。口が上手いね~。でも、嬉しいよ~」

「あ、そうや。まだスマホの番号とメルアド教えてなかったな~。教えるわ~」

 僕のスマホの番号とメルアドを美和に教え、美和のメルアドを教えてもらい、メッセージを送れる事を確認。暫く二人で楽しくおしゃべりしていると、どんどん注文した料理が運ばれて来た。まずは美和お勧めの刺身の盛り合わせを食べる。

「うん!美味しい!さすが美和、センスいいね~」

「そうでしょ~。ここのお刺身、美味しいんだよね~」

 他の料理もどんどん口に運ぶ。何でも美味しくて、僕と美和の話が弾む。ビールを飲み干し、次はどの酒を注文するか考える。

「美和、次は何飲む?」

「そうだね~、赤ワイン飲みたいな~。赤ワインをボトルで注文しようよ」

「お、赤ワインいいねぇ~。どんどん飲もう」

 店員を呼び、赤ワインをボトルで注文。程なく運ばれて来て、店員が一杯目をグラスに注いでくれた。二人で赤ワインをまずは一口飲む。

「美味しい~!和食に赤ワインって合うね~」

「うん。確かに合う。美味しい~!美和と一緒に飲んでると、ほんまに楽しいわ~」

「あはは、ありがとう。本当に口が上手いね~。でも、嬉しい~」

 更に話が弾む。どんどん飲み、どんどん食べ、ふと、気になった事を訊ねる。

「ところで、なんで警察官になったの?柔道強いし、他に選択肢あったやろ?」

「そうだね~。大学三年生の途中までは、企業の柔道部に入ろうと思ってたんだけど、大学三年生の時に、鞄をひったくられて、泣きそうになって叫んでると、たまたま近くにいた警察官がひったくり犯を追い掛けて、見事に捕まえて鞄を取り戻して、私に返してくれたの。それで警察官になりたい~って思うようになったんだよ~。今日、ひったくり犯を逮捕した時、その時の事を思い出しちゃった」

「そうなんや~。大学生の時に鞄をひったくられへんかったら、美和が警察官になる事は無かったし、今日僕と出会う事も無かった訳や。何か、不思議な縁やね~」

「ほんとだね~。二人のひったくり犯に感謝しなきゃいけないかもしれないね~」

「ははは。別に感謝せんでいいで~」

 二人で笑い合い、更に話が盛り上がる。今度は美和が気になる事を訊ねてきた。

「ねぇ、探し物って、何を探してるの?」

「実はね~、滋賀のゴルフ場で女子ゴルフツアートーナメントを観に行ってたんやけど、その時に、ニックネームがビューティーっていう女子プロゴルファーのサインを貰う為に、サイン色紙を渡して、書いてもらって、受け取ろうとした時、誰かに盗まれてしまったんや。そのサイン色紙には、僕の幼馴染の占い師に願掛けしてもらってたから、めっちゃ腹が立って、何が何でも取り返したくて、その占い師に占ってもらいながら、探してるところやねん。長崎に来たのも、占いで長崎って出たからやねん」

「へぇ~。ビューティーか~。女子ゴルフ興味ないし、知らないなぁ。その人のファンなの?」

「まぁ、ファンやけど、美和の方が綺麗やで~」

「またまた~。本当に口が上手いね~。ところで、その占い師って、女性なの?」

「そうやで~。気になるの?」

「う~ん、気になるっていえば気になるな~。どんな人か興味あるわ~。その人のお店って、何ていう名前の店なの?何処にあるの?その人の名前を教えて~」

「やっぱ気になるんやね~。占いの部屋っていう店で、大阪駅の近くにあって、優奈っていう名前やねん。そんなに有名じゃないと思うけど、知らなかったよね?」

「教えてくれてありがとう。そうだね~、知らなかったけど、ちょっと興味を持ったな~。その人、綺麗なんだろうな~。ちょっと見てみたいわ~」

「気にせんでいいで~。美和の方が綺麗やで~」

「あはは。もういいって」

更に話が盛り上がる。デザートを注文。赤ワインを飲み干し、僕も美和もすっかり酔っ払っている。注文した料理もデザートも全て平らげ、そろそろ店を出る時間になった。美和がハイテンションで僕に言う。

「あ、もうこんな時間。楽しくて時間が経つのを忘れてたわ。そろそろ行こうか」

「ほんまや~。美和と過ごしてると、時間が経つのが早いわ~。ここは僕が払うで」

「え~!いいの?私から誘ったのに払ってくれるなんて、何か申し訳ないわ~」

「いいよいいよ。めっちゃ楽しかったし、任せてよ」

「うん。じゃあ、お言葉に甘えるよ。ありがと~!御馳走様でした~」

 僕が会計を済ませる。思ったより安く、一安心。二人で店を出る。暫く歩いてから、美和が満面の笑顔で僕に言ってきた。

「あ~、美味しかった~。お腹いっぱい~。これから、どうしよっか?」

「うん。ほんまに美味しかったわ。美和はどうしたい?」

「う~ん、実は、迷っちゃっていて~。今日ずっと一緒にいたいっていう気持ちもあるけど、今日出会ったばっかりだし、止めとく方がいいかな~っていう気持ちもあるし」

 美和の言葉を聞いて、僕の心臓がドキドキする。

 ―ここで僕がプッシュすれば、美和と、愛し合う事ができるかもしれへん。でも、優奈を裏切る事になるな~。浮気せぇへんって約束したからな~。でも、こんなチャンス滅多にないしな~。う~ん、どうしよっかな~―

 いろいろ考えていると、美和が真剣な表情で僕に訊ねてきた。

「あ~、何かドキドキしてきた~。ねぇ、どうする?」

 何となく、美和が誘っている感じがした。僕の迷いが吹っ切れる。

「僕は、今日ずっと美和と一緒にいたい」

「うん。ありがとう。私もずっと一緒にいたいよ。私、マンションで一人暮らしをしてるの。そんなに広い部屋じゃないけど、一緒に来て」

「うん。分かった。ありがとう」

 僕が美和の手を握る。美和の手の温もりを感じながら二人で歩く。

 ―あ~、美和の手、柔らかくて温かいな~。美和の部屋か~。めっちゃ楽しみやわ~―

 優奈の事が頭から消え、頭の中は美和と愛し合う事でいっぱいになる。二人で暫く手を繋いで歩き、美和のマンションの前に到着。

「着いた~。ここが私の住んでるマンションだよ~」

「へぇ~。いいマンションに住んでるね~。美和の部屋に行くの、めっちゃ楽しみやわ~!」

「エヘヘ、ありがとう。さ、入って入って~」

 美和に促され、マンションに入る。オートロックを美和が鍵を使って開ける。少し歩いて、エレベーターに乗り、十階で降りた。廊下を歩き、美和の部屋のドアの前に到着。美和が優しく微笑みながら僕に言う。

「ここが私の部屋だよ~。開けるね~」

「うん。何か、ドキドキするなぁ~。めっちゃ楽しみやわ~!」

 美和が鍵を使ってドアを開錠。ドアを開け、二人で部屋の中に入ると、いかにも女性の部屋という感じの、綺麗に整理整頓され、少し良い匂いが漂っている空間が、僕と美和を迎えてくれた。僕が満面の笑顔になる。

「おぉ~!いい部屋やんか~!綺麗にしてるんやね~!」

「ありがと~!ほぼ毎日掃除してるよ~。部屋の乱れは心の乱れに繋がるからね~」

「お、いい事言うねぇ~。僕も見習うわ~」

 うがい手洗いをする為、洗面台に行くと、こちらも綺麗に整理整頓されている。うがい手洗いを済ませ、リビングに入ると、美和が満面の笑顔で迎えてくれた。

「コーヒー入れるね。ホットがいい?アイスがいい?」

「ありがとう。じゃあ、ホットコーヒーをお願い~」

「うん。分かった。ちょっと待っていてね~」

 美和が電気ケトルでお湯を沸かし、ホットコーヒーを入れ、二つ持って来てくれた。

「さ、どうぞ。飲んでね~。高級なコーヒーじゃないけどね~」

「ありがとう。大丈夫やで~。いただきま~す」

 二人でホットコーヒーを飲む。ホットコーヒーの適度な苦味が口の中に広がる。

「うん。美味しいで~。さすが、美和が入れてくれたコーヒーは美味しいわ~」

「ウフフ、ありがと~!ほんと、褒め上手だね~。でも、嬉しいよ~」

 二人で暫くホットコーヒーを飲みながら談笑。ホットコーヒーを飲み終わり、美和が真剣な表情で僕に近付く。僕も立ち上がり、美和を見つめる。

「私、あなたの事が好き。今日で好きになっちゃった」

「ありがとう。僕も、美和の事が好きや」

 美和が目を閉じ、口を少し開いて少し上を向く。僕の唇を美和の唇に合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合う。

 唇をそ~っと離し、美和が笑顔で僕に言う。

「シャワー浴びて来るね。座って待っていてね」

 そう言って、美和が浴室に向かう。洗面所で服と下着を脱いでいる音が聞こえる。僕も洗面所に行って美和の裸を見に行こうかなと迷ったが、グッと我慢する事にした。美和が浴室に入り、シャワーを浴びる。シャワーの音が聞こえ、心臓がドキドキする。

 ―美和の裸、どんなんなんかな~。早く見たいわ~。どんな事をしようかな~―

 首をなが~くしながら待っていると、美和がバスタオルを羽織って出て来た。

「お待たせ~。さ、シャワー浴びて来てよ」

「うん。湯上りの美和、ほんまに綺麗やわ。すぐにシャワーを浴びて戻って来るで」

「ウフフ、そんなに急がなくていいよ。待ってるからね」

 急いで洗面所で服と下着を脱ぎ、浴室に入ってシャワーを浴び、ササッとバスタオルで身体を拭き、裸のまま美和の元へ走って行くと、美和が驚いて僕に言ってきた。

「うわ~、びっくりした~!裸のまま来るとは思わなかったわ~!」

「へっへ~。一秒でも早く美和と愛し合いたくて、めっちゃ急いだわ~」

「ウフフ、そんなに焦らなくていいのに~」

 美和のおっぱいのところにある結び目をほどき、バスタオルを剥ぎ取り、畳んでソファの上に置く。美和のセクシーな裸が僕の目の前に現れる。大きなおっぱい、大きなお尻、アスリートらしい筋肉質な裸に見とれてしまう。

「美和、めっちゃ綺麗な裸やね。おっぱいもお尻も大きいし、筋肉がしっかりと付いてるし、綺麗過ぎて見とれてしまうわ~」

「も~、そんな事言われると、恥ずかしいよ~。でも、嬉しい!」

 二人で寝室に移動し、ぎゅ~っと強く抱き締め合い、見つめ合う。美和が目を閉じ、口を少し開いて少し上を向く。僕の唇を美和の唇に合わせ、舌と舌を絡め合う。大きなおっぱいとふっくらとしたお尻を揉みしだき、そのまま二人で勢い良くベッドに雪崩れ込んだ。

 唇と唇を濃厚に合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。酒の酔いが回っている事もあり、二人共めっちゃ興奮しながら、無我夢中で時間が経つのを忘れて熱く激しく気が狂ったようにひたすら愛し合いまくった。

 二人でベッドの上で身体を重ね合わせながら、ウットリと見つめ合う。

「ウフフ、すご~く良かったよ。ありがとう。愛してるよ。これで私達、愛し合ってる恋人同士だね。嬉しいよ」

「うん。僕もめっちゃ気持ち良かったわ。ありがと~!愛してるで!愛し合ってる恋人同士か~。美和と恋人同士になれて、めっちゃ嬉しいわ」

 何度も何度もディープキス。舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合う。暫くの間、時間が経つのを忘れて無我夢中で愛し合いまくり、僕が笑顔で美和に言う。

「段々眠くなってきたわ。いつ寝てもいいように、もう言っとくわ。おやすみ」

「うん。私もちょっと眠くなってきたよ。幸せだよ。愛してるよ。おやすみ」

「うん。僕も幸せやし、愛してるで~」

 ディープキス。舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合いながら、眠りについた。

 翌朝、目が覚めると、横で美和が気持ち良さそうに眠っている。僕の唇を美和の唇に合わせる。唇をそ~っと離すと、美和がまだ眠そうに目を覚ました。

「美和、おはよう。美和の寝顔、めっちゃ可愛かったで」

「ウフ、おはよう。キスで目が覚めて、幸せな気分だよ~」

 再び濃厚にディープキス。気分が高まり、熱く激しくひたすら濃密に愛し合い、美和が僕に優しく微笑む。

「じゃあ、そろそろ動こうか。シャワー一緒に浴びようよ」

「うん。シャワーを美和と一緒に浴びるの、めっちゃ楽しみやわ~!」

 二人で浴室に移動し、まずは美和がシャワーを浴びる。気持ち良さそうな美和の表情がたまらない。僕もシャワーを浴び、美和がボディーソープを手にたっぷりと付け、僕の身体を優しく丁寧に巧みに洗う。

「美和、洗うの上手いね~。めっちゃ気持ちいいわ~」

「エヘヘ、ありがと~!気持ち良くなってくれて、私も嬉しいよ~」

 お返しに、僕がボディーソープを手にたっぷりと付け、美和の身体を心を込めて優しく丁寧に巧みに洗う。

「ウフフ、すご~く気持ちいいよ。洗うの上手いね。もっとして~」

「うん。ありがとう。もっと激しく洗うで~」

 更に美和の身体を優しいながらも激しく洗う。美和が気持ち良さそうに笑顔を浮かべる。唇と唇を合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合う。

 シャワーでボディーソープを流し、バスタオルで身体を拭き、浴室から出て服と下着を着る。美和が朝御飯を作ってくれた。味噌汁と目玉焼きとソーセージとトーストとサラダが並んでいて、色とりどりで華やか。美和が満面の笑顔で僕に言う。

「頑張って作ってみたよ~。さぁ~、食べて~。気に入ってもらえるといいなぁ~」

「わぁ~!豪華やね~。ありがとう。いただきま~す」

 どれから食べようか迷ったが、まずは目玉焼きを一口食べる。

「うん!美味しい~!美和、料理上手いね~。幸せやわ~」

「ありがと~!美味しいと思ってもらえるかどうか、ドキドキだったよ~」

 二人でどんどん食べ進める。どれも美味しく、会話が弾む。更に食べ進め、あっという間に平らげた。

「御馳走様でした~。最高に美味しかったわ~!」

「うん!ありがと~!嬉しい~!頑張って作って良かったわ~」

 ホットコーヒーを飲み、暫くの間、談笑していると、美和が僕に今日の活動について訊ねてきた。

「今日はどうするの?盗まれたサインを探すの?」

「そうやな~。長崎でちゃんとした手掛かりをまだ掴めてへんし、もう少し探してみるわ」

「うん。私も一緒に探してあげる。お役に立てるかどうか分かんないけどね~」

「ありがとう。警察官の美和が手伝ってくれるなんて、心強いわ」

 出掛ける準備に取り掛かる。美和が化粧を始めた。すっぴんの美和も綺麗だが、化粧をした美和は光り輝く女性の魅力を備えている。少し見とれてから、僕も準備する。美和が準備をしている間、トイレに行く。ふと、優奈がメッセージを送ってくれた、盗まれたサインを探すポイントが気になり、スマホを取り出して確認する。二つ目のポイントは、「人が多い場所で人を見て、気になる点をチェックする」と書かれている。

 ―人が多い場所か~。昨日行った場所も人は多かったけど、人を見て気になる点は無かったな~。今日はもっと人が多い場所に行ってみるか―

 スマホをポケットにしまい、用を足していると、美和の声が聞こえた。

「お待たせ~。準備完了だよ~。いつでも出掛けられるよ~」

「うん。分かった。ちょっと待っていてね~」

 トイレから出て、洗面台で手を洗い、美和の元へ歩く。

「おぉ~、美和、めっちゃ綺麗やで~。見とれてしまうわ~。じゃあ、行こうか」

「うん。ありがと~!本当に褒め上手だね~。すっごく嬉しいよ~!」

 唇と唇を合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合った。

 二人で美和の部屋を出発し、マンションから出て、手を繋いで楽しくおしゃべりしながら歩く。暫く歩き、美和が僕に訊ねてきた。

「ところで、何処か行く当てはあるの?」

「うん。今日は人がめっちゃ集まる場所に行こうと思ってるんや。何処がいいかな~」

「お~、人がいっぱい集まる場所か~。それなら、ちょっと遠いけど、あの有名なテーマパークに行こうよ」

「なるほど。テーマパークか。確かにいいね。そうしよう」

 長崎にあるとはいえ、全国から人が集まる有名なテーマパークに行く事にした。二人で長崎駅に向かって手を繋いで歩く。

「このテーマパークに行くの、だいぶ前に、家族で行った時以来やわ~。美和と一緒に行くの、楽しみやわ~。今はどんな風になってるの?」

「久し振りに行くんだね~。この前、リニューアルしたから、前に行った時から、かなり進化してると思うよ」

「そうなんや~。益々楽しみになってきたわ~」

 電車に乗り、二人で手を繋ぎながら座席に座る。まだ暫く時間がかかるので、少しおしゃべりしてから、二人で肩を寄せ合いながら眠る。目が覚めると、もうすぐ目的地の駅に着くところ。美和がまだ寝ているので、ポンポンと軽く触れて肩を揺すると目を覚ました。

「美和、おはよう。もうすぐ着くで」

「おはよ~!あ~、よく寝た~。寝てるとあっという間だね~」

 目的地の駅に到着。二人で手を繋ぎながら電車から降りて改札を通ると、もう別世界にいるような感覚になる。

「お~、久し振りのこの雰囲気や~。早く行こう!楽しみや~!」

「うん。私も久し振りだし、楽しみだよ~。中に入ったらびっくりすると思うよ~」

 二人で手を繋いで、楽しくおしゃべりしながら歩き、思ったよりも早くテーマパークに到着。僕の表情が一気に満面の笑顔になる。

「お~、着いた~!勿論、入場料は僕が払うで。任せてよ!」

「え~、私がこのテーマパークを紹介したのに、いいの?ありがと~!嬉しいわ~!」

 僕が二人分の入場料を支払い、いよいよテーマパークのゲートをくぐる。中に入ると、前に来た時から随分変わった感じの光景が眼前に広がる。

「うわ~、ほんまにめっちゃ変わってるわ~。何処に行こうかな~。迷うなぁ。美和のお勧めのアトラクションは何処?」

「そうだねぇ、リニューアルオープンしてからできたアトラクションに行こっか。ちょっとスリルのあるジップラインがあるよ。そこに行ってみる?」

「うん。行こう行こう。めっちゃ楽しみや~」

 美和に手を引っ張られながら暫く歩くと、ジップラインが見えてきた。多くの人が並んでいる。少しずつ階段を上り、漸くスタート地点に到着。まずは美和がスタッフから説明を受け、しっかりと安全ベルトを装着。

「じゃあ、先に行くね。向こうで待ってるね!行ってきま~す!」

「うん!行ってらっしゃ~い!後でね~」

 美和が勢い良く出発。鳥のように飛び立って行った。見た感じはそれ程スピードが出ていないように見えるが、実際はどうか。

 いよいよ、僕の番。スタッフから説明を聞き、安全ベルトを装着し、スタッフの合図で出発。最初は大したスピードは出ていなかったが、徐々にスピードが上がる。

 ―段々スピードが上がってきた~。スリルあるなぁ。それにしても、いい景色やなぁ。下に池が見えるなぁ。気持ちいいわ~―

 程良いスリルと綺麗な景色を堪能し、ゴール地点に着くと、既にゴールした美和が、満面の笑顔で待っていてくれた。

「ウフフ、どうだった?楽しかったでしょ?」

「うん。景色綺麗やったし、それなりにスリルあったし、気持ち良かったわ~」

「うん。良かった~。私も気持ち良かったし、すっごく楽しかったよ~」

 二人で階段を下り、次に何処に行くか考える。

「次は何処に行きたい?何処でもいいよ~」

「そうやな~、前からあるけど、船に乗りたいなぁ。美和と一緒に乗りたいわ~」

「うん。私も一緒に乗りたかったの~。気が合うね~!行こう!」

 前からある船に一緒に乗る事になった。マップで場所を確認し、二人で手を繋いで楽しくお話しながら歩き、船乗り場に到着。丁度良い時間に着いたので、すぐに船に乗れた。二人で座席に座り、暫く会話しながら待っていると、船がゆっくりと動き出した。

「お~、景色綺麗やね~。美和と一緒に乗れて、最高やわ~」

「うん。綺麗だね~。私も一緒に乗れて幸せだよ~」

 二人で手を握り合いながら、船から見る景色を堪能していると、美和が満面の笑顔で僕に言ってきた。

「ねぇ、写真撮ろうよ。船からの景色綺麗だし~。こっち来て~」

「うん。いいねぇ~。撮ろう撮ろう。いい写真が撮れそうや~」

 二人で顔を寄せ合い、美和がスマホを手に取って腕を伸ばし、角度を調整する。

「う~ん、こんなもんかな~、もっといい角度で撮りたいな~。これでどうかな~。お、いい感じ~。じゃあ、撮るよ~。はい、チーズ!」

 美和がシャッターボタンをタップし、カシャッとシャッター音が鳴った。撮れた写真を二人で確認すると、美和が満面の笑顔で僕に言ってきた。

「お~、いい写真が撮れた~。二人共いい笑顔で写ってるし、景色も綺麗に写ってるわ」

「ほんまや~。めっちゃいい写真や~。ありがと~。僕のスマホに送って~」

 美和が僕のスマホに撮れた写真を送信し、僕が届いた写真を確認する。更に船が進み、向こうの方に別荘が見えてきた。

「あんな別荘、買ったらめっちゃ高いんやろうな~。いくら位するんやろうな~」

「そうだろうね~。いくら位するんだろ~。目が飛び出る位の金額だろうね~」

 そんな会話をしながら、暫く船に揺られ、元の場所に戻って来た。

「美和と一緒に船に乗れて良かったわ~。そろそろランチにしようか。美和が食べたい物でいいで~。行きたい店ある?」

「ありがと~。私も一緒に乗れて楽しかったよ。ランチ何食べよっかな~。あ、そうだ。長崎ちゃんぽんがあるお店にしようよ~」

「うん。いいで~。まだ今回は長崎ちゃんぽん食べてなかったし、楽しみやわ~」

美和に案内され、お目当ての店に入り、店員に案内されて席に座り、二人で長崎ちゃんぽんを食べると、美和が一気に満面の笑顔になった。

「うん。美味しい~!やっぱ、長崎と言えばこれだよね~」

「そうやな~。美味しいわ~!長崎ちゃんぽんにして良かったわ~」

 二人で楽しくおしゃべりしながら、一気に長崎ちゃんぽんを平らげた。僕が会計を済ませ、店を出て次は何処に行くか考える。

「次は何処に行きたい?美和が行きたいアトラクションでいいで~」

「うん。ありがとう。何処にしよっかな~。じゃあ、謎解きのアトラクションがいいな~」

「分かった。そこにしよう。謎解きか~。あんまり得意とちゃうな~。難しいんかな~」

「どうだろうね~。私も行った事ないから、何とも言えないわ」

 マップで場所を確認。二人で少し迷いながら暫く歩き、謎解きアトラクションに到着。人気のあるアトラクションで、待ち時間は一時間と長め。

「うわ~、一時間待ちやって。どうする?待つ?」

「私は待てるよ~。一時間待つの、大丈夫?待てないなら他でもいいよ」

「僕も大丈夫やで。美和と一緒におしゃべりしながら待てば、一時間なんてすぐやで」

「うん。ありがと~!気長に待とう!」

 美和と楽しくお話しながら待っていると、優奈からの探すポイントが気になった。

 ―そうやな~。「人が多い場所で人を見て、気になる点をチェックする」って書かれてたし、ちゃんと人を観察しとかないとあかんな~―

 周囲の人を見ると、いろいろな人がいる。帽子を被っている人もいれば、厚着をしている人、薄着をしている人、派手な服を着ている人、地味な服を着ている人もいる。暫く観察していたが、気になる人はいない。

 ―う~ん。気になる人はいないなぁ。まぁ、そのうち出て来るかな~―

 気持ちを切り替えて、美和と楽しくおしゃべりしながら待っていると、漸く順番が回って来た。スタッフに案内され、説明を受ける。

「お、いよいよ始まるな~。楽しみやわ~」

「そうだね~。私も初めてだし、楽しみ~。クリアできるかな~」

 スタッフの合図で開始。多くの人が謎解きエリアに散らばり、謎解きを始める。僕と美和も、動き回りながら、どんどん謎を解いていく。

 難しい謎もあり、どんどん時間が経ち、残り時間が少なくなってきたが、クリアを目指して諦めずに謎を解いている時、ふと、サンバイザーを頭に着けている男性が目に入った。

 ―こんな場所で、サンバイザー着けてるなんて、珍しいなぁ―

 サンバイザーが気になった直後、優奈からの探すポイントを思い出した。

 ―サンバイザーが気になったという事は、盗まれたビューティーのサインを探し出す手掛かりがサンバイザーという事なんかもしれへんな―

 そんな事を考えていると、謎解きの時間がタイムアップとなった。二人でアトラクションから出て、美和が口を開いた。

「あ~、クリアできなかったね~。でも、楽しかった~」

「そうやな~。クリアできひんかったけど、収穫はあったわ~」

「え?それって、探してるサインの手掛かりを見つけたって事?」

「そうやな~、手掛かりかどうか分からへんけど、手掛かりになりそうな物が分かったわ」

「へ~、それって何なの?」

「サンバイザーやねん。もしかしたら、サインを盗んだ犯人がサンバイザーを着けてたかもしれへんねん」

 北海道で写した画像をチェックしてみると、サンバイザーを着けている人が、そこそこの人数写っている。

「う~ん、この中に犯人がいるんかな~。見た感じ、犯人らしき人はいなさそうやけどな」

「まぁ、一歩前進してるんじゃない?前向きに捉えようよ」

「そうやな。何か、見つけられそうな気がしてきたわ。美和のお陰やわ。ありがと~!」

「え~、私はただこのテーマパークを勧めただけなんだけどね~。でも、少しは役に立てたみたいで、嬉しいわ。さぁ、次は何処に行きたい?」

「そうやな~、新しく出来た、迫力のある映像のアトラクションに行きたいなぁ」

「うん!そこでいいよ~!早速行こう!楽しみ~!」

 二人でそのアトラクションに向かい、迫力のある綺麗な映像に驚き、感動する。他にも、ミュージカル風のアトラクションや、レールに吊るされてスピードを出して動くスリルのあるアトラクション等を堪能。

「あ~、どのアトラクションもすっごく楽しい~!このテーマパーク、最高だね~!」

「うん!僕もめっちゃ楽しいわ~!盗まれたサインの手掛かりも見つかったし、美和がこのテーマパークに誘ってくれたお陰やわ!美和、ありがと~!」

「ウフフ、ただ誘っただけなんだけど、そんなに喜んでくれて、すっごく嬉しいよ!」

 二人で手を繋ぎながらハイテンションで歩いていると、ふと、めっちゃ綺麗でセクシーな女性三人組が、仲良く楽しそうに歩いている姿が目に入った。

 ―お~!あの三人の女性、めちゃくちゃ綺麗でセクシーやな~!さすが全国から人が集まって来る有名なテーマパークやな~!目の保養になるわ~!―

 そんな僕の様子を見た美和が、少し僕を睨みながら言ってきた。

「ねぇ!あの三人の女性をジロジロ見てるよね~!あの人達、すっごく綺麗でいい身体してるよね~。私よりセクシーだよね~。私の事、愛してるなんて言って、結局、他の女性が気になって仕方がないんだよね~!」

 ―うわ!美和、やきもち妬いてる!こんなに綺麗でセクシーで、強さも備えてる美和が、僕にやきもちを妬いてるなんて、ちょっと嬉しいな~!おっと、そんな事を呑気に考えてる場合とちゃうで!美和が怒ってるんやし、何とかして怒りを鎮めないとあかんわ!―

「美和!そんな事言わんといてや!あの三人の女性、確かに綺麗でセクシーやけど、別にジロジロなんか見てへんで!ちょっとだけ目に入っただけやで!美和の方が、断然綺麗でセクシーやし、美和の事、心の底から愛してるで!」

「ほんと?何だぁ。そうだよね~。私が気にし過ぎてただけだよね~。良かった~。気を取り直していくよ~!私も愛してるよ!」

 ―お~、美和の怒りが鎮まって良かった~!一安心やわ~!ほっとしたわ~!―

引き続き、二人でいくつかのアトラクションを楽しむ。ふと、時間が気になり時計を見ると、いつの間にか、そろそろ出なければいけない時間になっている。

「あ、もうこんな時間や。そろそろ出ないとあかんわ。美和と一緒に過ごしてると、楽し過ぎて、ほんまに時間が過ぎるのが早いわ~」

「ほんとだね~。あっという間だね~。すごく楽しかったよ~」

「うん。ありがとう。出る前にトイレに行ってくるわ」

 トイレに行って用を足す。念の為、優奈から送られた探すポイントを見る。最後のポイントは、「長崎空港を歩き回って、気になる点をチェックする」と書かれている。

 ―なるほど、長崎空港か。初めて行くなぁ。新鮮やし、散策してみるか―

 二人でテーマパークを出て、電車とバスに乗り、空港に向かう。行きは電車で帰りは飛行機。長崎空港には行った事が無いので、どんな空港なのかワクワクする。

「美和、長崎空港ってどんな空港なの?行った事ないから、ちょっと楽しみやねん」

「え~、普通の空港だよ。そりゃ、伊丹空港や関西国際空港と比べたら、小さいよ」

 美和と少しおしゃべりしていたが、テーマパークでたくさん歩いた事もあり、僕も美和もすぐに寝てしまった。目が覚めると、もうすぐ長崎空港に着くところ。僕が少し慌てながら、美和を起こす為に声を掛ける。

「美和、そろそろ起きて。もうすぐ着くで」

 美和の肩を揺すると、美和が眠そうな顔で目を覚ました。

「あ~、いつの間にか寝ちゃってた~。もう着くんだね~。早いなぁ」

 長崎空港に到着。二人でバスから降りて、空港の中に入ると、僕が少し驚きの表情になった。

「これが長崎空港か~。そんなに大きくないけど、綺麗な空港やんか~」

「そうだね~。私、この空港、結構好きだよ~」

「念の為、この空港でも、ビューティーのサインの手掛かりを探してみるわ」

「へ~、空港でも手掛かりあるかもしれないんだね~。私も一緒に探すよ」

 搭乗手続きを済ませ、二人で長崎空港を散策。いろいろな店がある。歩き回って手掛かりを探すが、気になる点はなく、徐々に歩き疲れてきた。

「ねぇ、展望デッキに行ってみようか。夜に近付いてきたし、飛行機をいっぱい見れて、ライトアップされて綺麗だと思うよ」

「お、そうやな。行こう行こう。めっちゃ楽しみやわ~!」

 二人で楽しくおしゃべりしながら手を繋いで歩き、展望デッキに着いた。辺りは薄暗く、ライトアップされていて、たくさんの飛行機が見え、美和が満面の笑顔ではしゃぐ。

「わぁ~、綺麗~!久し振りに来たけど、やっぱ展望デッキはいいなぁ!」

「ほんまや~。綺麗やわ~!美和と一緒に見れて、幸せやわ~!」

「ウフフ、ありがとう。私も幸せよ。愛してるよ!」

「うん。ありがとう。僕も愛してるで~!」

 二人でじ~っと見つめ合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。美和が目を閉じ、口を少し開いて少し上を向く。僕の唇を美和の唇に濃厚に合わせ、舌と舌を濃密に絡め合い、更にぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。

 唇をそ~っと離し、暫く展望デッキからの景色を堪能し、展望デッキを散策。やはりビューティーのサインの手掛かりはなかなか見つからない。そろそろ諦めて行こうかなと考えた時、突然、強い風が吹き、僕と美和も含め、その場にいる人の髪が風で揺れた。

 ―そういえば、昨日、髪が揺れているのが気になったなぁ。やっぱり、あのゴルフ場にいたサンバイザーを着けていて髪が揺れている人がキーポイントなんかなぁ―

 そんな事を考えていると、美和が不思議そうに僕に訊ねてきた。

「どうしたの?何か考え事をしてるの?」

「うん。風で髪が揺れてるのが気になって。サンバイザーと合わせると、いい手掛かりという感じがするわ」

「そうなんだぁ~。この展望デッキに来て良かった~。いい手掛かりを見つけられたし、綺麗な景色見れたし~」

「うん。ありがとう。しかも、美和と熱~いキスをする事ができたし~」

「も~!恥ずかしいわ~。でも、私も嬉しかったよ」

「うん。じゃあ、そろそろ行こうか。まだ離陸まで時間があるし、晩御飯食べようよ。美和、何食べたい?美和が食べたい物でいいで~」

「うん。確かにお腹空いたね~。そうだなぁ。あんまりこの空港のお店を知らないし、お店の案内板を見て決めようよ」

 二人で飲食店の案内板を見て考える。いろいろな店があり、どの店が良いか迷う。美和がいろいろ考えながら僕に言う。

「う~ん、どのお店にするか迷うなぁ。え~と、あ、中華料理店があるわ。中華料理食べようか。餃子食べたいなぁ」

「お、いいねぇ。餃子にチャーハン、他にもあるわな~。ビールも飲みたい」

 二人で中華料理店に向かい、店内に入る。席に座り、メニューを見ると、美和が僕の方を向き、満面の笑顔で言ってきた。

「じゃあ、私は餃子定食にするよ。チャーハンも付いてるし」

「うん。僕は鶏の唐揚げと餃子の定食にするわ。ビール飲むけど、美和も飲む?」

「うん。私も飲むよ。ほんと、鶏の唐揚げ好きだよね~」

 店員を呼んで注文。まずは生ビール中ジョッキが来た。乾杯し、ビールをグイッと飲む。

「美味しい~!やっぱビールは旨いね~!」

「うん。美味しい!美和と一緒に飲むビールは最高や~!」

「あはは、ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいわ」

 次々と料理が運ばれて来た。どんどん食べ進める。御機嫌の美和がニッコニコの笑顔。

「美味しい~!餃子とチャーハン、最高だよ~!」

「うん。鶏の唐揚げも美味しいで。チャーハン貰っていい?」

「うん。食べて食べて。美味しいよ。鶏の唐揚げ、少し貰うね~」

 二人で談笑しながら食べ進め、そんなに時間がかからず料理を食べ終え、ビールを飲み干した。僕が会計を済ませ、店を出る。二人で談笑しながら手を繋いで歩いてゲートに向かい、程なくゲートに到着すると、美和が寂しそうに僕に言ってきた。

「凄く楽しかったよ。出会えて本当に良かった。ありがとう。愛してるよ!連絡するね」

「うん。僕もめっちゃ楽しかったわ。ありがとう。愛してるで!僕も連絡するわ」

 ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合い、僕がゲートを通る。美和が笑顔で手を振ってくれた。僕も手を振り返す。美和の姿が見えなくなるまで、手を振りながら歩いた。

 飛行機に乗り、離陸。長崎でのいろいろな出来事を思い返す。

 ―長崎に行って良かったなぁ。ビューティーのサインの手掛かりを見つけられたし、美和と出会えて、護身術を教えてもらって、美和と愛し合う事ができて、美和と一緒にいろんな場所に行けた。美和と恋人同士になれて、ほんまに幸せやわ~!―

 少しニヤニヤしながら回想していると、ふと、優奈の事が気になった。

 ―優奈の占い、やっぱり凄いな~。ちゃんと長崎に行ってビューティーのサインの手掛かりを見つける事ができた。ポイントがしっかり当たってた。優奈は昨日も今日も占いの部屋で仕事してるんやろうなぁ。いつか、優奈と一緒に長崎に行きたいな~―

 いろいろな事を考えながら、目を閉じると、急に眠くなって寝てしまった。目が覚めると、飛行機は既に着陸態勢に入っている。

 ―うわ~、もうそろそろ伊丹空港に着くんやな~。あっという間や。さすが飛行機や―

 徐々に飛行機が高度を下げ、無事に伊丹空港の滑走路に着陸。飛行機は一番安全な乗り物だと分かっていても、少し不安な気持ちがあるのか、着陸時にはほっとする。

 伊丹空港の中に入り、スマホを取り出し、優奈に電話する。もう遅い時間になっていて、優奈がもしかしたら寝てしまってるかなと思ったが、優奈が電話に出てくれた。

「もしもし、優奈。今何してるの?もしかして寝てたとか?」

「ううん。起きてたで。長崎で全然電話してくれへんかったね~」

「あ~、そうやな~。ごめんごめん。何だかんだとビューティーのサインの手掛かりを見つけるのに夢中になっていて、電話できひんかったわ。でも、優奈の占いのお陰で、いい手掛かりを見つけられたわ。ありがとう。さすが優奈やわ。ポイントが見事に的中したわ」

「気にしなくていいよ。私も忙しくて電話できひんかったし。お役に立てたようで、良かったわ。いっぱい私の為にお金使ってくれたし、これからもどんどん無料で占ってあげるわ」

「うん。ありがとう。こんなに素晴らしい占いをタダでしてくれてるんやし、僕は幸せ者やわ。ところで、長崎でのいろんな出来事を話したいし、これから優奈の部屋に行っていい?まだある程度時間かかるけど、日付が変わる前に着くと思うわ。今、優奈の部屋にいてるやんな?晩御飯は食べた?」

「うん。いてるで。いいで~。寝ないように気を付けて待ってるわ。晩御飯はもう食べたで。もう食べたよね?」

「うん。僕も食べたわ。じゃあ、また後でね~」

 電話を切り、バスターミナルに向かって歩く。ふと、罪悪感が僕を襲う。

 ―長崎では楽しかったけど、優奈を裏切って浮気してしもうたなぁ。優奈に申し訳ないなぁ。優奈、占い師やし、僕が浮気したら分かるって言ってたけど、僕の顔を見て浮気を疑ってくるんかなぁ。ちょっと心配やけど、まぁ、ばれへんやろ。そういや、優奈、電話でちょっと元気が無かった感じがしたなぁ。考え過ぎか―

 高速バスに乗り、バスに揺られながら少し眠る。道路はそんなに混雑していない。予定通りの時刻にバスが大阪駅近くのバスターミナルに到着。バスから降り、優奈のマンションに向かって歩く。優奈と一緒に歩くと、楽しくおしゃべりしながら歩くので、あっという間に感じるが、一人で歩くと、やたら長く感じる。それなりの距離があるので、当たり前と言えば当たり前だが、いかに優奈と一緒に過ごしている時間が幸せなのかが分かった。暫くの間、テクテクと歩き、漸く優奈のマンションに到着。オートロックのドアの前に、たくさんのボタンが付いている機械が置かれていて、指で優奈の部屋番号を押し、呼出ボタンを押す。数回コールが鳴った後、優奈が出てくれた。

「優奈、着いたで~。開けて~」

「うん。開けてあげる~。部屋の前に着いたら、ドアをノックしてね~」

 優奈がオートロックのドアを開錠。中に入り、エレベーターに乗って上がり、廊下を歩き、優奈の部屋の前に到着。ドアをノックすると、優奈がドアを開けてくれた。僕が部屋の中に入り、喜びながら満面の笑顔で優奈に言う。

「ただいま~、優奈。会えて嬉しいわ~!」

「うん。おかえり~。私も会えて嬉しいわ。来てくれてありがとう」

 うがい手洗いトイレを済ませ、優奈をぎゅ~っと熱く強く抱き締める。

「あ~、めっちゃ会いたかったわ~!優奈~、愛してるで~!」

「お、何かいきなり激しいね。ありがと~!愛してるで!」

 優奈も僕をぎゅ~っと熱く強く抱き締める。二人で見つめ合い、唇と唇を熱く重ね合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合う。

 唇をそ~っと離す。ふと、優奈が僕をじ~っと見つめてきて、勘ぐる感じの表情を浮かべながら言ってきた。

「ねぇ、長崎で浮気したでしょ?」

 不意を突かれ、僕の心臓がバクバクする。

 ―僕の表情で浮気がばれたんかな。優奈、めっちゃ鋭いな。でも、ここは嘘をつこう―

「してる訳ないやん!優奈の事、ほんまに愛してるんやで!」

 僕の言葉を聞いて、優奈が色っぽい表情をしながら僕に言う。

「まぁ、そう言うと思ったけど、私、占い師やし、隠したって分かるんやで~。ねぇ、私ね~、昨日、男性に告白されちゃったわ~」

「え?それほんまなん?誰に告白されたん?」

「ほんまやで~。この前、北海道に行った時、小樽で男性に話し掛けられたやん。あの人が、昨日、急に占いの部屋に来て、私の事、好きって言ってきたんや」

「え!あの男か~!勿論、そいつと何も無いよな?」

「教えへんわ!あんたには、私が浮気したらどんな気持ちになるか、じっくり味わって欲しいんや!私、浮気してるかもしれへんで~」

「何やそれ!浮気してへんって言ってるやろ!優奈、教えてや!浮気してへんよな?」

「教えへん!あんたが浮気したら私がどんな気持ちになるのか、しっかり考えてや!私が浮気したらって考えたら、よく分かるやろ!」

「優奈~!浮気してへんって言ってるやんか~!」

 僕は大声を出し、優奈を力一杯抱き締めた。浮気したのに、浮気してないと嘘をついた罪悪感と、真実を教えてくれない優奈への怒りが混ざり、滅茶苦茶な感情になっていた。

 僕の唇を優奈の唇にぐ~っと合わせ、舌を優奈の舌にグリグリと絡ませる。優奈も僕の動きに合わせ、舌を絡ませる。唇をそ~っと離し、優奈の服と下着を一気に脱がし、僕も一瞬で裸になり、優奈をベッドに押し倒した。

 濃厚にディープキス。舌と舌を濃厚に絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。物凄く感情が高ぶりながら、気が狂ったように無我夢中で熱く激しくひたすら濃密に愛し合いまくった。

 二人で身体を重ね合わせながら、心地良い疲労感と満足感に包まれる。

「ウフフ、今日はめっちゃ激しかったね。めっちゃ良かったわ。愛してるで~!」

「うん。あんな話されて、めっちゃ興奮したわ。愛してるで!あの男と何も無いよな?」

「エヘヘ、教えへ~ん。あんたの事、愛してるけど、浮気防止の為に教えへんで~」

「も~!浮気してへんって言ってるやんか~」

 また嘘をついた。僕の唇を優奈の唇にぐ~っと熱く重ね合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合いながら、二人でベッドに横になる。何度も何度も濃厚にディープキス。舌と舌を濃密に絡め合う。ふと、言うべき事を思い出し、僕が笑顔で優奈に言う。

「そうや、まだ言ってへんかったな。長崎での出来事を話すわ」

「あ、そういえばまだ聞いてへんかったね。手掛かりを見つけたって言ってたけど、私が教えたポイントが役に立ったんやね。どんな手掛かりなの?」

「長崎に着いてから、優奈が送ってくれたポイントの通り、思い付く場所に行きまくって、人が多い場所に行って人をじっくり観察して、長崎空港のありとあらゆる場所を散策したら、髪が揺れていてサンバイザーを着けている人が気になったんや。たぶん、ビューティーのサインを盗んだ犯人が、そういう人やと思うねん。大きな進歩やわ。優奈、ありがと~!」

「そうなんやね。犯人の特徴が大体分かって、大きな前進やと思うわ。あと一息やね」

「そうやといいんやけどね~。あ、そうそう。優奈にお土産買って来たで。グラバー園でハンカチを買って、大浦天主堂でキーホルダーを買ったわ。どっちも僕とお揃いやで。後で渡すわ。気に入ってくれたらいいけどな~」

「お、気が利くねぇ。ありがとう。嬉しいわ。大好き!」

 優奈が僕をぎゅ~っと強く抱き締める。僕も優奈をぎゅ~っと強く抱き締める。唇と唇を合わせ、舌と舌を絡め合う。暫くの間、ディープキスを続け、唇をそ~っと離す。

「優奈、そろそろ教えてや。あの男と何も無いやんな?」

「ウフフ、教えへん。浮気されたらっていう気持ちを、胸に刻んで欲しいんや」

「う~!浮気してへんって言ってるのに~!優奈~、意地悪やな~!」

 また嘘をついた。何度も激しくディープキス。舌と舌を濃密に絡め合う。優奈をぎゅ~っと強く抱き締める。優奈も僕をぎゅ~っと強く抱き締める。暫くの間、無我夢中で愛し合う。ふと、優奈が僕に言葉を掛けてきた。

「ねぇ、寝る前にシャワー浴びようよ。その後で、次は何処を探すか占ってあげるわ。今度の土日は私も一緒に行けるで。そうそう、お土産ちょうだいね。楽しみやわ~」

「うん。分かった。ありがとう。優奈の占い、最高やで」

 濃厚にディープキス。舌と舌をグリグリと絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。二人で浴室に移動し、一緒にシャワーを浴びてお互いの身体を洗い合う。シャワーで流し、バスタオルで身体を拭き、二人共裸のまま、僕が優奈にお土産を渡すと、お土産を受け取った優奈が大喜びで、満面の笑顔になった。

「お~、可愛いハンカチに素敵なキーホルダーや~!ありがと~!愛してるで~!」

 優奈が僕に抱き付く。僕も優奈を抱き締める。ディープキス。舌と舌を絡め合う。

「じゃあ、占ってあげるわ。ちょっと待っていてね」

 優奈が棚を開け、小さめの水晶玉を取り出した。綺麗にピカピカと光っている。

「へぇ~、ちゃんと部屋に占い道具を置いてるんやね~。さすが、名占い師や~」

「エヘヘ、ありがとう。じゃあ、占うで~」

 優奈が水晶玉をジッと見つめながら、何やら呪文を唱える。どんな意味がある呪文なのか分からないが、優奈の占いに助けられているので、楽しみに待つ。暫くの間、優奈が真剣な表情で呪文を唱え続けると、優奈が満面の笑顔になった。

「出たで!沖縄や!今度の土日、沖縄本島に行くで!私が旅行の手配をしておくわ」

「お~、沖縄か~。分かった。ありがとう。めっちゃ楽しみや!勿論、旅費は僕が出すで」

「わ~い!やった~!ありがと~!めっちゃ楽しみ~!」

 熱~いキス!ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合いながら、二人で勢い良くベッドに雪崩れ込み、二人だけの極上の幸せな時間を味わいながら無我夢中で時間が経つのを忘れて熱く激しくひたすら濃密に愛し合いまくった。

 僕が優奈の上に乗っかっている状態で、じ~っと見つめ合いながら、余韻に浸る。

「ウフフ、めっちゃ良かったわ。今日は激しかったね。最高!幸せ~!愛してるで!」

「うん。僕もめっちゃ気持ち良かったわ。優奈は僕だけの大切な人や~って、感情が爆発したわ。愛してるで!そろそろ教えてや。あの男と何もないよな?」

「へっへ~、教えへんで~。あんたにめっちゃ愛されてる~って感じで、嬉しいわ」

「う~、ほんまに優奈、意地悪やな~。優奈の事、信じてるけど、モヤモヤするわ~!」

 濃厚にディープキス。舌と舌を濃密に絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合いながら、ベッドに横になり、何度も何度も熱~いキス!ぎゅ~っと強く抱き締め合いながら、いつの間にか心地良い気分で眠りについた。

 翌朝、目が覚めると、優奈はまだ寝ている。寝顔がめっちゃ可愛い。僕の唇を優奈の唇に合わせ、暫くの間、ディープキスしていると、優奈がまだ眠そうな表情で目を覚ました。

「おはよう、優奈。寝顔めっちゃ可愛かったで」

「エヘヘ、おはよう。恥ずかしいけど、めっちゃ嬉しいわ~」

 何度も濃厚にディープキスし、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合っていると、時間が経ち、そろそろ用意をしなければいけない時間になった。

「じゃ、そろそろシャワー浴びて用意するわ。優奈はまだゆっくり過ごせるね」

「うん。一緒にシャワー浴びよう。私は暫くゆっくり過ごして、昼から店を開けるわ」

二人で浴室に移動し、一緒にシャワーを浴び、身体を洗い合い、シャワーで流し、バスタオルで身体を拭き、二人共裸のまま朝御飯を食べ、僕が服と下着を着用。そろそろ出る時間になった。

「優奈、ありがとうね。沖縄旅行の前まで、手掛かりについてしっかり考えとくわ」

「うん。旅行楽しみにしてるで。詳細決まったら連絡するわ」

「ありがとう。愛してるで!絶対に離さへんで」

「うん。ありがとう。愛してるで!」

 裸の状態の優奈を、僕がぎゅ~っと熱く強く抱き締め、優奈も僕をぎゅ~っと熱く強く抱き締める。唇と唇を濃厚に合わせ、舌と舌を濃厚に絡め合い、僕が優奈の部屋を出発した。


 ≪Vol.3に続く≫

 主人公は、長崎で、盗まれたビューティーのサインの手掛かりを掴む事ができましたが、警察官の美和と一緒に過ごし、優奈を裏切ってしまいました。優奈が小樽で出会った男と、占いの部屋で何があったのか、気になる読者もいらっしゃると思います。主人公と優奈は、一体、どうなってしまうのでしょうか。盗まれたサインの新たな手掛かりは見つかるのでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ