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美しい幼馴染と共に、僕は大切なモノを探して日本各地を巡る  作者: NAOKI


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【Vol.1】盗まれた大切なモノを探して、僕の旅が始まる

 皆さんには、大切なモノがありますか?ここで敢えてモノとカタカナを使ったのは、いろいろな形のモノを想定したからです。この物語の主人公は、突然、大切なモノを失い、探し求めて日本各地を巡ります。長編小説となりますので、連載とさせて頂きます。どうか、最後まで読んで頂きたく思います。それでは、これから幕開けとなります。

 近頃、好きな女性について、考える事が増えた。

 僕が好きな人・・・今まで、たくさんの女性と出会ってきた。綺麗な女性、スタイルがいい女性、笑顔が素敵な女性、明るい女性、おしゃべりな女性、男勝りな女性、気が強い女性、おしとやかな女性、大人しい女性、言い出すときりが無い。

 今まで、僕は何人もの女性を好きになり、何人もの女性と恋人同士として付き合った。

恋人と過ごした時間は、僕にとってかけがえのない時間であり、忘れられない、いい思い出がたくさんある。

 ただ、いい思い出ばかりではない。付き合っていた時に、些細な事から大きな事まで、様々な原因で、喧嘩をした事もあったし、とんでもない修羅場を経験した事もあった。何とか切り抜けられた事もあったが、どうしても切り抜けられず、お別れを選択せざるを得なかった事もあった。

 そんな僕だが、女性と接している中で、数多くの事を学んだ。僕なりに、どうしたら女性を怒らせずに済むか、女性が怒ってしまった場合、どうしたら怒りを鎮める事ができるか、どうしたら女性を喜ばせる事ができるか、様々なシチュエーションを経験した事で、数多くの失敗もしたが、少ないながらも成功した事もあった。

 少年の頃は、付き合っている女性との結婚なんて、考えられなかった。好きな人と過ごしている時間は、めっちゃ楽しく、幸せを感じていたが、ただ楽しければいい、ただ幸せを感じる事ができればいいという、ある意味、一時的な感情に支配され、大人になってからの、将来的な事、結婚するかどうか、子どもをつくるかどうか、子どもができたらどうやって育てていくか、そんな事は全く考えていなかった。

 ただ、僕も人間である以上、当然、年齢を重ねていく。人間的に年相応になれたかどうかは別にして、世間一般で言われる、所謂、大人としての年齢になった。大人になって良かった事は、お酒を堂々と飲める事、少年少女に対して少しだけ大きな態度をとれる事、クレジットカードを親の同意なく契約できる事など、いろいろあるが、タバコと賭け事は、気が進まなくて、手を出していない。

 真面目な側面もある僕だが、基本的に女性に対しては、口が裂けても真面目とは言えない人生を送ってきた。誰かと付き合っていても、他に好きな人ができたら、平気で二股をかけた事もあったし、時には、三股をかけた事もあった。その時の僕のポリシーは、「女性を二人も幸せにしている」、「女性を三人も幸せにしている」というもので、その時は、それが正しいと信じていた。しかし、日本の法律上、二人の女性、三人の女性と結婚できる訳がなく、いつか一人の女性を選ばなければいけない。

 ただ、結婚のタイミングが来るまでも無く、他に彼女がいる事がばれてしまった。修羅場になり、その時に付き合っていた女性全員と別れた事もあったが、一人の女性を選び、その女性と、引き続き付き合っていたが、やはり上手くいかず、結局別れてしまった事もあった。別れた時は、めっちゃ悲しかったが、不思議な事に、暫く時間が経つと、吹っ切れて、次の恋愛に進むという、ある意味、前向きな性格だった。

 ―僕が一番好きな女性は誰なんやろう。僕はいつか、結婚して、子どもをつくって、幸せな家庭を築けるのかな。さすがに、結婚したら、一人の女性を愛し続けるという事で、浮気なんかせぇへんやろうな~ー

 どんどん時間が経ち、そんな事を考えるようになった。

 ―そうや、もうすぐ、僕が好きな、女子ゴルフのツアートーナメントが、滋賀県で開催されるわ。チケットを買って、観に行こう!―

 そう思い、インターネットでチケットを買い、その日を心待ちにしていた。

 

季節は秋、少し肌寒くなってきた時期。場所は格式あるゴルフ場。

 僕は今、待ちに待った、女子ゴルフツアートーナメントに来ている。このトーナメントは、海外の有力選手も参加する有名な大会だ。国内のトップクラスゴルファーとの対決が見所である。

 僕自身は、それ程ゴルフ場のコースに出てゴルフをする訳ではない。何回かプレーした事があるが、悪天候の日に珍しく調子が良かったのに、他のプレーヤーにより無理矢理打ち切りにされた事と、朝が早い事、お金がかかる事、家から遠い事が理由で、ゴルフ場のコースでゴルフをしなくなった。

 とはいえ、女子ゴルフには興味がある。ゴルフに興味があるというよりは、女子プロゴルファーに興味がある。綺麗でスタイルが良い選手が多く、身体にフィットしたコスチュームで、ミニスカートを履いている選手もいる。

僕は、過去に二回、女子ゴルフツアートーナメントに行った事がある。初めて行った時、どんなものなのかとワクワクしながら行ったが、期待を裏切らないサービスの良さ。女子プロゴルファーの美しさとスタイルの良さが、テレビで見るよりもよく分かり、女子プロゴルファーを間近に見る事ができ、僕からの応援に応えてくれた。更にプレーを終えた多くの女子プロゴルファーが、疲れている様子を微塵も見せずに、僕にサインをしてくれた。予想以上のサービスに、僕は舞い上がり、また女子ゴルフに行きたくなった。そして二回目の女子ゴルフツアートーナメントでも同じような思いをする事ができ、サインをたくさん貰った。こうして三回目となる今回の女子ゴルフツアートーナメント。約一か月前にチケットを購入し、ウキウキしながら待ち、この日を迎えた。

 ほとんどの女子プロゴルファーを気に入っているのだが、実は、僕には推しの女子プロゴルファーがいる。ニックネームはビューティー。可愛らしくて綺麗な顔立ちでほんわかした雰囲気を醸し出し、スタイルが強烈に良いところが好きだ。今回の大会にも出場している。そして、もう一人推しの女子プロゴルファーがいる。ニックネームはゴージャス。凄まじく綺麗な顔立ちで、ボン・キュッ・ボンというスタイルが好き。今回の大会にも出場しているが、来年はアメリカの女子ゴルフツアーに参戦を表明しており、来年以降は見る事ができない可能性がある。

 今回の女子ゴルフツアートーナメントを観戦するに当たり、自分なりにプランを練った。ビューティーとゴージャスが回る組にできるだけ同行し、二人のプレーをしっかりと見て、余った時間を他の組の女子プロゴルファーを見るのに使い、ビューティーとゴージャスがプレーを終えるある程度前には、サインを貰えるエリアに行って二人のサインを貰い、アメリカツアーに参戦している超有名な、ニックネームがスマイルのサインも貰うというプランである。

 朝早くから会場のゴルフ場に行き、女子プロゴルファーの練習風景を見る。時々僕の近くを通り、やはりテレビで見るより臨場感がある。いよいよゴージャスが登場。

―うわ~、めっちゃ綺麗やし、スタイルいいなぁ~!―

ゴージャスの美しさと抜群のスタイルに見とれる。前日までのスコアが良くなかったので、スタートは十番ホール。十番ホールに行く途中で、拍手と激励の声でゴージャスを出迎えると、ゴージャスが笑顔で応えてくれた。この上ない幸せ。ゴージャスがティーショットを打って歩き出すと、僕も合わせて歩き出す。第二打で見事にグリーンに乗せ、第三打のパッティングは外してしまい、第四打をカップイン。二番ホールも一緒に回っている途中、ふと、そろそろビューティーがスタートする時間という事に気付く。早足で十番ホールに戻る。十番ホールに着くと、間もなくビューティーが登場するところ。ギリギリセーフ。ほっと胸を撫で下ろす。

 ビューティーが十番ホールに向かって歩き、僕が拍手をしながら、激励する。

「頑張って下さ~い!」

 僕の声に、ビューティーが笑顔を見せ、会釈してくれた。めっちゃ嬉しい気分。ビューティーの第一打。綺麗なスイングでナイスショット。ビューティーが歩き出し、僕もビューティーの組に同行する。第二打もナイスショットで、ボールがグリーンに乗る。第三打のバーディーパット。見事に沈めた。カラカラカラ~ンと気持ちの良い音が鳴る。ビューティーが拍手に応えて笑顔を見せ、手を軽く上げる。ビューティーの笑顔に癒され、ハッピーな気分。

 十一番ホール、十二番ホールと同行していると、後の組が見え、その中にスマイルの姿があった。遠目にもオーラを感じる。スコアがそれ程良くない組なのだが、同行しているギャラリーの数が多い。さすが超有名選手。後でサインを貰える事を願う。

 引き続きビューティーの組に同行するが、他の女子プロゴルファーも見たくなり、他の組に行ってみる。さすが、女子プロゴルファーは綺麗でスタイルの良い選手が多い。どの組に行っても見とれてしまう。ゴルフ場は広くて、歩き回るだけでも結構な体力を消耗し、良い運動になる。運動不足の僕にとって、久し振りの運動は願ったり叶ったりである。

 再びゴージャスの組に合流する為に探し回るが、なかなか見つけられない。他の組の選手が打つのに気付かずに抜こうとしたところ、キャディーが制止し、止まった僕に対して、海外の選手が感謝の思いを込めてペコリとお辞儀をしてくれ、気遣いに少し感動する。更に探し回り、漸く発見して合流。何ホールかゴージャスの組に同行。広告のボードに座っているゴージャスと目が合い、暫く見つめ合う。別に僕の事が好きなんて思っていないのだろうが、それでもドキドキする。

 ―うわ~、ゴージャスと見つめ合ってる~!幸せや~!―

 そのまま同行し、ゴージャスがホールアウト。スコアは今一つだったが、それでも笑顔を見せる。サインを貰えるエリアに移動。既に多くのファンが詰め掛けていて、残念ながら、ゴージャスのサインを貰う事ができなかった。

 気を取り直して、ビューティーの組に合流する為、戻ると、七番ホールのグリーン上にいた。

ふと、前に行った大会での事を思い出した。ビューティーがティーショットを打った後、僕の目の前を歩いてくれた。僕の事を印象付けるチャンス!拍手をしながら声を掛けた。

「頑張って下さ~い!」

 僕の応援に、ビューティーがニッコリと笑顔を見せ、

「ありがとうございます」

 と言ってくれた。この上ない幸せ!

 ―やった~!ビューティーに声を掛けてもらった~!―

 僕のテンションが最高潮に上がり、最高の気分になれた。

そして今は、これからビューティーがパーパットを打つところ。パーパットを打ち、見事にカップイン。拍手に笑顔で応える。そのまま同行し、ビューティーがホールアウト。やはりスコアは今一つだが、さすがビューティー、爽やかな笑顔を見せる。

サインを貰えるエリアに移動。ビューティーが姿を見せる。既に多くの人がいて、サインを貰えそうにないが、懸命にサイン色紙を携え、思いっ切り手を伸ばす。すると、親切な人が僕のサイン色紙を受け取り、ビューティーに渡してくれた。僕のサイン色紙にビューティーがサインした。ここまでは良かった。問題はその後。衝撃的な出来事が僕を襲った。何と、そのサイン色紙を、一番前にいた悪人が、少し俯きながら、突然そのサイン色紙を掴んだ。ビューティーはその悪人のサイン色紙と勘違いし、そいつに渡してしまった。僕はあっけに取られ、その悪人の顔を見る事ができず、悪人は人混みに紛れて何処かに行ってしまった。

―え~!あの野郎、ビューティーのサインを横取りしやがった~!―

大ショックが僕を襲う。落ち込んでいる中、大会スタッフの声が聞こえ、スマイルがクラブハウスの前でサインしてくれるのが分かった。

 その声を聞き、すぐに走ってクラブハウスの前に移動。既に行列ができている。行列に並び、僕がサインを貰う順番。さすがスマイル、オーラを放ちながらもニッコリと満面の笑顔。スマイルのサインを貰い、声を掛ける。

「ありがとうございます。頑張って下さい」

「ありがとうございます」

 スマイルが笑顔で言ってくれた。めっちゃ嬉しい。先程のショックが少し和らいだ。

 それでもビューティーのサインを盗まれた憤りは消えない。しかもそのサイン色紙には思い入れがあった。僕には占い師の幼馴染みがいる。名前は優奈。ゆうなと読む。それ程有名ではないが、数回雑誌やテレビに出た事がある。僕は優奈の占いが好きで、時々占ってもらう。今回のサイン色紙には、僕とビューティーが上手くいきますようにと、優奈に願掛けをしてもらった。それだけに、ビューティーにサインしてもらった、そのサイン色紙を、悪人に盗まれてしまった事は、計り知れない程のショック。何とかして取り返したいと強く思う。

 まずは、会場のスタッフに聞き込みをする事にした。近くにいる女性スタッフに訊ねる。

「さっき、サイン会場で、ビューティーのサインを、誰かに盗まれたんですが、サイン会場から走り去る怪しい人を見かけませんでしたか?」

「え~!それは本当に申し訳ございません。そうですね~、そういう怪しい人物は、残念ながら見かけませんでした・・・」

 仕方なく、別の男性スタッフに訊ねてみたが、同じく見かけていないという返答。その後も何人かのスタッフに訊いたが、怪しい人物を見た人はいなかった。

 ―くっそ~!なかなかの知能犯やな~!よほどビューティーの事が好きな奴なのか―

 一旦、盗まれたビューティーのサインの事が気になりながらも、再び女子プロゴルファーのプレーを見る事にした。十八番ホールに行き、ティーショットからパッティングまで見る。またサイン会場に行き、サイン色紙を携えて手を伸ばし、貰えるサインを貰う。あまり貰えなかったが、ニックネームがプリティーという女子プロゴルファーが、

「大きく書いていいですか?」

 と言って、僕に気遣いを見せてくれた事が嬉しかった。勿論、

「はい!大きく書いて下さ~い!」

 と返答すると、プリティーが可愛らしい笑顔を見せてくれ、大きくサインを書いてくれた。

 ―なんて、可愛らしくて、気遣いのできる女の子なんや~!―

 まだ優勝した事がない選手だが、早く優勝できるように願った。

 優勝争いは、最終的にはプレーオフ六ホールという大熱戦になり、アメリカツアーに参戦している日本人女子プロゴルファーが、アメリカ人選手を下して優勝した。僕は、間近で応援した事もあり、少しは力になれたのかなと思い、嬉しかった。家に帰る道中、楽しかったという思いが強かったが、やはり大切なサインを盗まれた事が引っ掛かり、思い出すと腹立たしい。どうにかして取り返せないものかと考えた。

 ―大会のスタッフに訊いたけど、誰も分からへんかった。ビューティーのサインを僕から奪った悪人は、なかなかの知能犯なのかもしれへん。どうしたら取り返せるんやろ―

 暫く考え、名案と言えば名案を思い付いた。

 ―そうや!優奈に占ってもらったら、何かいい方法が出て来るかもしれへん。早速、優奈に電話して、占ってもらおう―

 運動疲れで、バスの中でも電車の中でも、割と長い時間眠ってしまった。

 大阪駅に到着。電車を降り、早速優奈に電話する。優奈はすぐに電話に出てくれた。

「お~、どうしたん?女子ゴルフ観戦行ってたんやろ?ちゃんと私が願掛けしたサイン色紙に、お気に入りの選手にサインしてもらえたん?」

「もしもし、優奈。女子ゴルフに行って、楽しかったし、ビューティーにサインしてもらえたんやけど、その大切なサインを、誰かに盗まれてしまったんや。どうしても取り返したくて、優奈に占ってもらいたいんや。今、占いの部屋にいてるん?」

「え~!それは災難やったね~。実は、一時間位前までは結構な人数のお客さんが来てくれたんやけど、今は全然いなくて、そろそろ今日の営業を終えようかと思ってたとこやねん。お腹空いたから、一緒に晩御飯食べようよ。食べながら、占ってあげるわ」

「分かった。ありがとう。今大阪駅の辺りにいてるんやけど、何処で晩御飯食べる?」

「大阪駅の辺りでいいで~。そっちまで行くから、新しくできたお洒落なビルの入口の前で待っていてよ。そんなに時間かからんと思うわ」

「あ~、あのビルか~。一回行ってみたかったし、ちょうどいいわ。了解。待ってるで」

 占いの部屋とは、優奈の仕事場である占いの店で、優奈が店長をしている。電話を切り、暫く歩いて目的地のビルの入口に着いた。日曜日という事もあり、たくさんの人が行き来している。入口の前で、スマホをいじりながら優奈を待つ。

 ―優奈に占ってもらったら、何かいい方法が出て来るかもしれへんけど、ビューティーのサインを見つけ出すなんて、雲を掴むような事やし、なかなか難しそうやな~―

 そんな事を考えながら待っていると、優奈が笑顔で手を振りながら来た。優奈はめっちゃ綺麗な顔立ちで、背が高くて、スタイルがめっちゃ良く、スレンダーでありながら、おっぱいとお尻がめっちゃ大きい。超絶なスタイル。正に絵に描いたようなセクシー美女。

「お待たせ~。思ったより早く着いて良かったわ~」

「優奈~、来てくれてありがとう。何食べたい?優奈の好きな店でいいで~」

「お~、ありがとう。とりあえず、中に入っていろいろ見て決めようよ」

「うん。分かった。初めて入るわ~。楽しみや~」

 二人で中に入り、まずはショップ案内のボードを見る。

「うわ~、いっぱいお店あるね~。迷うなぁ。まずは、地下一階に行ってみようよ」

「うん。いいで~。行こう!」

 エスカレーターで地下一階に下りると、お洒落な洋食屋や居酒屋等、いろいろな店が並んでいて、多くの人で賑わっている。二人で歩き、どの店が良いか考える。

「いっぱいお店があるね~。迷うなぁ~。何か食べたい物ある?」

「今日は、優奈が食べたい物を食べたいなぁ~。他の階も見てみる?」

「お、嬉しい事言ってくれるね~!そうやな~、三階に行ってみよっか」

 三階に上がり、良い店を探す。四階にも行ってみたくなり、行ってみる。歩き回って、悩んだ結果、三階にある有名な洋食屋に入る事になった。行列に約二十分並び、漸く順番が回って来て、店員に案内され席に座る。メニューには美味しそうな料理が並んでいる。

「お腹空いた~。何食べる?どれも美味しそうやな~」

「ほんまやな~。僕はオムライスとエビフライの定食にするわ」

「お~、それ美味しそう!私も同じのにするわ」

「うん。お酒何飲む?僕は生ビール中ジョッキにするわ」

「私も生中にする~。喉渇いちゃった~」

 店員を呼び、注文する。程なく、まずは生ビール中ジョッキが運ばれて来た。

「ではでは、かんぱ~い!」

「は~い!かんぱ~い!」

 乾杯し、二人でグイッとビールを飲む。優奈の飲みっぷりが豪快。

「あ~、美味しい~!やっぱ、ビールが美味いね~」

「うん。美味しい~!」

 少しの間談笑していると、二人分のオムライスとエビフライの定食が運ばれて来た。

「わぁ~、美味しそう~!いただきま~す!」

 優奈がオムライスを口に入れる。直後、優奈が満面の笑顔を見せる。

「美味しい~!こんなに美味しいオムライス初めてかも~」

「うん!美味しい~!この店のオムライス、最高やな~!」

 続けて、優奈がエビフライを食べる。サクッと音が鳴る。

「エビフライも美味しい~!このお店にして、ほんまに良かった~!」

「うん!美味しいな~!素晴らしい~!」

 談笑しながら、ビールを飲み干し、赤ワインをグラスで注文。赤ワインを飲みながら、オムライスとエビフライを食べ進める。殆ど食べ終わったところで、優奈が口を開く。

「じゃあ、そろそろ占いを始めよっか。カード持って来たで」

 優奈がカードを取り出し、机の上に並べる。

「この中から、二枚選んで、表側にひっくり返して」

 僕がカードを二枚選んでめくると、一枚目には左の矢印、二枚目には悪魔が描かれている。その二枚のカードを優奈が真剣に見て、次々とカードをめくっていく。めくったカードを見つめながら、何か呪文のような言葉を呟く。

 ―お~、さすが占い師。本格的やな~。どんな結論が出るんやろ~―

 ドキドキしながら優奈の言葉を待つ。呪文が終わり、優奈が口を開く。

「北海道に行くべきと出たわ。早速行こう。今度の土日、泊りがけで行ける?」

「北海道か~。行けるで~。めっちゃ久し振りやわ~」

「うん。分かった。私も行くわ。北海道広いし、現地で占ってあげる。飛行機とホテルを予約しとくわ。私も北海道久し振りやし、楽しみやわ~」

「うん。何から何までありがと~!ちゃんとお金払うで~。楽しみや~」

 占いが終わり、オムライスとエビフライの定食を平らげた。優奈が笑顔で言う。

「あ~、美味しかった~!じゃあ、そろそろデザート注文しようよ。何がいい?」

「そうやね~。僕はバニラアイスにするわ。優奈は何にする?」

「えっとね~、私はレアチーズケーキにするわ~」

 店員を呼んでデザートを注文。少しの間談笑していると、一人の女性が話し掛けてきた。

「もしかして、占い師の優奈さんですか?」

「はい。そうですよ~」

「わ~、本物や~。嬉しい~。前にテレビで観ました~。今度占いの部屋に行きますね~」

「ありがとうございます。お待ちしてますね~」

その女性がニコニコ笑いながら、優奈とのやり取りを終えて、店の出口の方へゆっくりと歩いて行き、店から出た。

「お~、さすが有名人やね~。結構いろんな人から話し掛けられるの?」

「そんなに有名とちゃうで~。テレビなんてほとんど出た事ないし、そんなに話し掛けられへんで~。さっきみたいなの、珍しいわ~」

「そうなんや~。僕は、優奈の占い、好きやで~」

「エヘヘ、ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいわ~」

 暫く談笑していると、デザートが運ばれて来た。優奈がレアチーズケ―キを一口食べる。

「お~、美味しい!このお店、デザートも美味しいわ~」

「うん。バニラアイスも美味しい!口の中が癒される感じやわ~」

「へ~、その表現いいね~。ちょっと貰っていい?」

「うん。いいで~。レアチーズケーキ、一口貰うで~」

 お互いのデザートを食べ合い、やはり美味しいと感じる。程なくデザートを完食。

「あ~、美味しかった~。そろそろ出よっか?」

「うん。今日はありがとうね。ここは僕に任せてよ」

「お~、太っ腹やね~。じゃあ、遠慮なく。ありがとう。御馳走様でした~」

 僕が会計を済ませ、店を出た。二人で暫くの間、談笑しながらテクテクと歩き、優奈が住んでいるマンションの前に到着。

「今日はありがとうね。めっちゃ楽しかったわ」

「うん。こっちこそありがとう。僕もめっちゃ楽しかったわ」

「じゃあ、今度の土曜日の飛行機の時間、決まったら連絡するわ。気を付けて帰ってね」

「うん。連絡待ってるで。じゃあね~」

 優奈が笑顔で手を振りながら自宅マンションに入って行った。僕も優奈の姿が見えなくなるまで手を振り返した。

 ―優奈、綺麗やわ!優奈と一緒に過ごしてると、めっちゃ幸せな時間を過ごせるな~―

 僕が幸せな気分で家路についた。一人で歩いていると、やはり優奈と一緒に歩いている時の方が楽しいと思い知らされる。暫くの間、歩き、家に着いた。

 うがい手洗いを済ませ、お風呂に入り、部屋でのんびり過ごしていると、優奈から電話。

「お~、優奈。早速電話ありがとう。飛行機とホテル取れたの?」

「お、さすが私の言いたい事を分かってるね~。そうやで~。取れたで~。午前九時の伊丹発新千歳着の飛行機やから、大阪駅近くのバスターミナルに七時半に待ち合わせでいい?」

「うん。いいで~。いろいろありがとうね~。楽しみにしてるで~」

「うん。私も楽しみにしてるわ。力になれるといいけどね~。じゃあね~。おやすみ~」

「うん。優奈の占い、力になると思うで~。おやすみ~」

 電話を切り、少しテレビを観ていると、そろそろ寝る時間。歯を磨き、トイレを済ませ、ベッドに横になって目を閉じると、程なく眠りについた。

それからの日々、土曜日を今か今かと待ち続けながら過ごす。時が長く感じる。早くビューティーのサインを取り戻したい気持ちと、優奈との北海道旅行を楽しみにしている気持ちが入り交じる。漸く金曜日の夜。翌日の朝は早い。早めにベッドに横たわる。目を閉じるが、なかなか眠れない。どれ位時間が経っただろうか、いつの間にか眠りについた。


 土曜日の朝、目が覚めた。カーテンを開けると、薄暗いながらも少し太陽の光が差し込む。雨は降らなさそうな天気で、ほっと一安心。テキパキと用意し、大阪駅近くのバスターミナルに向かう。到着して辺りを見回すと、まだ優奈の姿は無い。スマホをいじりながら待っていると、優奈が手を振りながら笑顔でやって来た。

「おはよ~!結構待った?」

「おはよ~。ううん。そんなに待ってへんで~」

 二人で楽しくおしゃべりしながら待っていると、高速バスが来た。乗客は思ったよりも少なく、悠々座れた。バスが動き出す。暫く優奈としゃべっていたが、朝早かった事もあり、いつの間にか眠ってしまった。目が覚めると、もう伊丹空港の近く。横を見ると、優奈が気持ち良さそうに眠っている。寝顔が可愛らしい。優奈の肩にポンポンと触れる。

「優奈、そろそろ起きて。もうすぐ空港に着くで」

 優奈が目を覚まし、まだ眠そうな表情で僕を見つめる。

「あ~、すっかり寝ちゃった~。お互いよく寝れたね~」

 そんな会話をしていると、伊丹空港に到着した。バスを降り、空港で搭乗手続を済ませ、ゲートインの時間まで椅子に座りながら待つ。ふと、優奈が口を開いた。

「そういえば、朝御飯食べた?私、まだ食べてへんねん」

「あ~、僕もまだ食べてへんわ。何か買って来よっか?」

「そうやな~、どうせやったら、あそこのカフェで食べよっか」

 空港のカフェで朝御飯を食べる事にした。カフェに入り、ホットコーヒーとサンドイッチを注文。僕が会計を済ませ、二人で席に座り、サンドイッチを頬張る。

「お、なかなか美味しいね~。空港のサンドイッチ、侮れんな~」

「ほんまやな~。美味しいわ~。朝御飯にサンドイッチ、いいね~」

 サンドイッチを一気に食べ、ホットコーヒーをゆっくり飲みながら談笑。いつの間にか、そろそろ搭乗ゲートに行く時間になった。

「あ、もう行かんとあかんで。優奈の分も片付けとくわ」

「お~、めっちゃ気が利くねぇ。ありがとう」

 食器を片付け、カフェを出て、急いでゲートに向かう。手荷物検査を済ませ、搭乗口に移動。椅子に座りながらアナウンスを待つ。

「九時発新千歳空港行きの飛行機にご搭乗のお客様、お待たせ致しました。只今よりご搭乗いただけます」

 係員の言葉を聞き、列に並ぶ。次々と客が入口を通る。僕と優奈の番が来た。チケットをかざし、通過して飛行機に乗り込む。チケットを見て座席番号を確認し、座席を探す。

「あ、ここや。窓際の席にする?通路側の席がいい?」

「窓側の席がいい~!ありがとう!」

 荷物を上部の棚に入れ、優奈が窓側、僕が通路側に座り、シートベルトを締める。

 暫くして、飛行機が動き出す。最初はゆっくり。定位置に着いて止まり、それから一気にスピードアップして離陸。窓から見える街並がどんどん小さくなり、海や山や雲が見えるようになってきた。優奈のテンションが上がる。

「わぁ~、海が綺麗~!雲の上を飛んでる~!」

 まるで子どものようにはしゃぐ優奈を見て、僕も少し笑顔になる。

「優奈、楽しそうやね~。高い所好きなの?」

「うん。高い所から見る景色、綺麗やし~」

 優奈を見ていると、どんどん時間が経ち、あっという間に着陸態勢に入った。飛行機がどんどん降下して着陸。ドーンと大きい音がして、徐々にスピードを緩め、ゆっくりと動きながら定位置に近付き、ピタッと止まった。シートベルトを外し、飛行機から出る。

 新千歳空港に入り、暫く歩いてゲートから出る。ランチにはまだ早い時間。まずは何処に行くか考える。優奈が僕に言葉を投げ掛ける。

「さ~、ここから何処に行くかは、これに決めてもらうで~!」

 優奈がそう言うと、鞄から小さい水晶玉を取り出した。

「占いの部屋では、もっと大きい水晶玉を使うんやけど、今回は携帯用の小さい水晶玉を持って来たで~。勿論、ちゃんと占えるから安心してね~」

 優奈が水晶玉を両手に乗せ、呪文を唱え始めた。真剣な表情で呪文を唱えている。真剣な表情の優奈も綺麗で、じ~っと見つめてしまう。急に優奈が僕の方を見た。

「あかん。何も見えへん。調子出ぇへんなぁ。とりあえず、電車に乗って札幌に移動して、ランチ食べてから占うわ」

 優奈が照れ笑いを浮かべながら言った言葉を聞き、ずっこけかけたが、それも優奈の魅力の一つ。言われた通り、電車で札幌に移動する事にした。

 電車に乗り、札幌に向かう。電車内は割と混んでいて座れない。二人で並んで立っていると、電車が揺れ、優奈が僕にもたれ掛かり、優奈の大きなおっぱいが僕に当たった。

 ―お~、ラッキー!優奈のおっぱい、柔らかくて気持ちいい~!―

 優奈が僕の顔を見て、クスクスと笑いながら言う。

「ウフフ、私のおっぱいが当たって、気持ち良かったんでしょ~」

 ドキッとした。さすが占い師。鋭い。表情を見ただけで分かるのかと感心する。

 暫くの間、電車に乗り、札幌駅に到着。電車を降りて、ランチを食べる店を探す。

「優奈、何食べたい?優奈が食べたい物でいいで」

「お~、ありがとう。そうやな~。ラーメン食べたいかな~。折角やから、北海道らしいラーメンがいいなぁ~。塩バターラーメンとか」

「いいねぇ~。ラーメン食べよう」

 二人の意見が一致し、ラーメン屋を探す。さすが札幌。たくさんラーメン屋がある。スマホで検索し、良さげな人気店に向かって歩く。程なく到着すると、それなりの行列が出来ている。並ぶとある程度の時間がかかりそう。

「優奈、そこそこ行列が出来てるけど、並ぶ?」

「うん。並んで食べると、より美味しく感じると思うで~」

 行列に並び、二人で談笑しながら待つ。二十分位経っただろうか。順番が回って来た。店員に案内され、席に座り、メニューを見ると、塩バターラーメンがある。

「優奈は、塩バターラーメンにするの?」

「もっちろん!初志貫徹やで~!」

「分かった。優奈を見てると、僕も塩バターラーメンを食べたくなったわ~」

 塩バターラーメンを二つ注文。少し時間が経ち、運ばれて来た。まずは優奈が一口。

「うん!美味しい~!塩バターラーメン最高!」

「ほんまや~!美味しい~!優奈に倣って塩バターラーメンにして良かったわ~」

 一気に塩バターラーメンを平らげ、混んでいる事もあり、ゆっくりせずに店を出る事にした。僕が会計を済ませ、店を出る。

「あ~、美味しかった~!ありがとう!御馳走様でした」

「うん。これから何処に行く?占ってくれるの?」

「う~ん、まだ調子出なさそうやし、時計台に行こうよ!一回行ってみたかったんや~」

「うん。いいで~。時計台か~。久し振りやな~」

 時計台に行く事にした。場所をスマホで検索し、時計台に向かって歩く。優奈と談笑しながら暫く歩くと、いつの間にか時計台の前に着いた。

「お~、これが有名な時計台か~。初めて見たわ~!綺麗~!」

「時計台、久し振りに見たわ~。優奈と一緒に見れて良かったわ~」

 優奈がスマホで時計台の写真を撮る。自撮りで時計台をバックにして僕と優奈が満面の笑顔で写っている写真も撮ってくれた。早速、僕のスマホに送ってもらった。

「お~、綺麗に撮れてるね~。ありがとう。優奈、綺麗やで~」

「エヘヘ。ありがとう。そう言ってくれて、恥ずかしいけど、めっちゃ嬉しいわ~!」

 時計台を堪能し、今度こそ占ってもらう為に、笑顔で優奈に言う。

「じゃあ、今度こそ、次は何処に行けばいいのか占ってや~。頼りにしてるで!」

「まぁまぁ、そう焦らんといてよ。私の気分が乗るように、次は大通公園に行きたいねん」

「そうなんか~。行きたい所いろいろあるんやな~。まぁ、いいで~。行こう!」

「やった~!ありがとう!嬉しい~!」

 大通公園をスマホで検索し、大通公園に向かって歩き出す。優奈が楽しそうにしゃべる。優奈の笑顔を見ていると、大通公園に行く事にして良かったと感じる。時計台からそれ程離れていないので、割と早く大通公園に着いた。

「わぁ~、これが大通公園か~!広~い!」

 はしゃぐ優奈を見て、僕も笑顔になる。優奈の笑顔がたまらなく可愛らしい。

 ―優奈、めっちゃ楽しそうやな~。何か、幸せな気分やわ~!―

「あ、今、幸せを感じてるやろ~。表情がニヤニヤしてるで~」

「お、さすが優奈やな~。確かに、優奈と一緒に過ごしていて、楽しくて幸せを感じてるわ」

 また鋭い指摘。さすが優奈。実際、優奈と一緒に過ごしていると幸せな気分になる。

「あ、あっちにテレビ塔が見えるで~。行こうよ~!」

 優奈が指差す方向に、テレビ塔が見える。

「うん。いいで~。行こう!」

 テレビ塔に向かって歩く。天気が良く、大通公園を歩くのが気持ちいい。楽しくおしゃべりしながらどんどん歩き進み、テレビ塔に到着。中に入って僕が入場料を支払い、エレベーターで上がって展望台に到着。優奈が大はしゃぎで言う。

「わぁ~!めっちゃいい景色~!綺麗~!凄~い!最高~!」

「うん!ほんまにいい景色やな~。でも、優奈の方が綺麗やで~」

「あはは、ありがとうね。ほんま、口が上手いね~。でも、嬉しいわ~!」

 暫くの間、テレビ塔の展望台からの景色を堪能。スマホで写真を撮り、優奈が御満悦。

「そろそろ下りようか。景色、最高に綺麗やったね~!」

「うん。一緒にテレビ塔に来れて、めっちゃ綺麗な景色を見れて良かったわ。ありがとう」

 エレベーターで下り、テレビ塔から出た。少し歩いて、大通公園で話す。

「いよいよ、占ってくれるよな?次は何処に行くかな~」

「ウフフ、実はね~、もう一箇所、行きたい所があるの~。さぁ、何処やと思う?」

「え~!いきなりそんな事言われても、分からへんわ~。何処なん?」

「エへへ、じゃあ、言うで~。私、あの有名な大学に行きたいの~!」

「へぇ~!あの大学か~!優奈がそんな事言うなんて、ちょっと意外やな~」

「ウフフ、勉強は嫌いやったけど、あの大学の中に、ポプラ並木があって、そこに行きたいの~。ねぇ、行こうよ~!」

「うん!いいで~!ポプラ並木か~。綺麗なんやろうな~。楽しみやわ~!」

 二人でルンルン気分で暫く歩き、大学に到着。中に入ると、大学生もいるが、観光で来たと思われる人もいる。皆、楽しそうに過ごしていて、賑やかで楽しい雰囲気。

「わぁ~、いい雰囲気の大学やな~!こんな大学に通ってたら、勉強やる気出てたかな~。まぁ、そもそも私の学力じゃ、入試に受からへんわな~」

「ははは、優奈がしっかり真面目に勉強してたら、もしかしたら受かってたかもしれへんで~。優奈、めっちゃいい占い師やし、頭いいと思うで~」

「お~、ありがと~!頭いいなんて言ってくれて、びっくりしたわ!嬉しい~!」

 二人で楽しくおしゃべりしながら少し歩くと、ポプラ並木が見えてきた。

「わぁ~!あれがポプラ並木か~!思ったよりも長い距離の並木で、めっちゃ綺麗や~!」

「うん!ほんまに綺麗やな~!綺麗な自然の風景って感じで、見栄えがするなぁ」

「うん!ねぇねぇ、ポプラ並木を、手を繋いで歩こうよ!」

 優奈の思いがけない言葉に、僕が一気にドキドキする。

 ―お~!優奈が手を繋ごうって言ってくれた!嬉しい~!勿論OKやで~!―

「うん!勿論いいで~!優奈と一緒に手を繋いで歩けるなんて、めっちゃ幸せやわ~!―

「やった~!嬉しい~!何だかドキドキしてきた~!」

 優奈がそう言って、僕の手をギュッと握ってきた。

 ―おぉ~!優奈の手、温かくて柔らかくて気持ちいい~!めっちゃ幸せやわ~!―

 二人で手を繋いで、ポプラ並木をゆっくりと歩く。両サイドにポプラの木が並んでいて、左右をキョロキョロ見て、時々上を見上げて歩く。歩き進めていると、優奈のめっちゃ大きいおっぱいが僕にムニュッと当たった。

 ―おぉ~!優奈のおっぱいが当たった~!凄い弾力で柔らかい~!最高~!幸せ~!―

 僕が嬉しそうにしていると、すかさず優奈が僕に言ってきた。

「ウフフ、嬉しそうに笑ってるね~。私のおっぱいが当たって、そんなに気持ちいい?」

「あはは、さすが優奈や。何でもお見通しやな~。優奈のおっぱいが当たって、気持ち良過ぎて、ニヤニヤと笑顔になったんや~」

「うん!正直でよろしい!私、おっぱい大きいもんね~!」

「ははは。褒められてるような気もするけど、喜んでいいのかどうか、複雑な気分やわ~」

 引き続き二人でゆっくりと歩き進み、ポプラ並木の端に到着。クルッとUターンして歩き、元の場所に着いた。

「ポプラ並木、一緒に手を繋いで歩けて、めっちゃ良かったわ~!ありがとうね~!」

「うん!僕も優奈と一緒にポプラ並木を歩けて、最高に幸せやわ~!ありがと~!」

 二人で大学の中を散策し、十分に満喫してから、大学を出た。僕が笑顔で優奈に言う。

「優奈、さすがにそろそろ次に何処に行けばいいか占ってくれるよな?期待してるで!」

「うん!漸く調子が上がってきた感じがするわ。任せてよ!」

 優奈が水晶玉を取り出し、真剣な表情で呪文を唱え始めた。しっかりと水晶玉を見つめながら、呪文を唱える。ふと、優奈が僕の方を見て、笑顔で言う。

「見えた!ここから一番近いゴルフ場や!何処にあるの?」

「お~、ゴルフ場か~。ここから一番近いゴルフ場は何処やろ。調べるわ」

 スマホで検索すると、札幌駅から地下鉄に乗り、地下鉄の駅からタクシーで行けるゴルフ場だと分かった。

「札幌駅から地下鉄に乗って、タクシーで行こう。早速行くで!ありがとう!」

「うん!何かいい手掛かりが見つかるといいね~」

 二人で札幌駅に向かい、地下鉄に乗る。駅に到着し、タクシーでゴルフ場に向かう。暫くの間、タクシーに乗り、ゴルフ場に到着。

 タクシーから降りて中に入り、ブラブラ歩きながら、ビューティーのサインの手掛かりを探す。ゴルフコースを見ると、何人かゴルフをしている人が見える。優奈が口を開く。

「ゴルフ場、広いね~。何か手掛かり見つかりそう?」

「そうやな~。コースを見ていても手掛かりが見つかる感じせぇへんからな~。何処に行こうかな~。まぁ、暫く歩き回って考えるか~」

 二人で楽しくおしゃべりしながら歩き回っていると、少し遠目にクラブハウスが見えた。

「このまま歩き回ってもしょうがないし、クラブハウスに行ってみようか。何か手掛かりが見つかるかもしれへん」

「お!クラブハウスに入るのか~!初めて入るよ~!ワクワクするわ~!」

 二人でクラブハウスに入る。久し振りのクラブハウス。良い雰囲気を感じながら、ビューティーのサインを見つける為に手掛かりを探す。

 周りを見回す。手掛かりになりそうな物は無い。そもそも、僕が考えてこのゴルフ場に来た訳ではなく、優奈の占いで来たのであり、ゴルフ場の何処に行けば良いかというのは、雲を掴むような感じである。

 ―う~ん、クラブハウスには手掛かりは無いかなぁ。そろそろ出ようかなぁ―

 そんな事を考えながら周りを見回すと、写真がズラリと飾られている壁が見えた。折角なので、写真を一枚一枚見る。その中に、ビューティーが写っている写真があった。ティーショットを打った直後の写真。キャディーと多くの観客も写っている。観客のほとんどは、それなりの年齢と思われる男性で、女性や若い男性の観客は少人数である。

 ―あれ、何故かこの写真が気になるなぁ。何でやろ―

 僕がビューティーの写真をジッと見つめていると、優奈が僕に話し掛けてきた。

「随分、この写真を見てるね~。この女子プロゴルファーに見とれてるの?」

「いやいや、そんなんとちゃうけど、何故か気になってね~」

「へ~、この写真に何かあるのかもしれへんけど、そろそろ行かへん?」

「そうやな。これ以上ここにいてもしょうがないし、そろそろ行こっか」

 念の為に、この飾られている写真をスマホで撮影し、ゴルフ場を出る事にした。タクシー会社に電話してタクシーを呼ぶ。タクシーが来て駅まで移動。地下鉄に乗り、再び札幌に到着。辺りはもう薄暗くなってきた。札幌の街を散策していると、そろそろ晩御飯を食べようかという時間。

「お腹空いた~!そろそろ晩御飯にしよう。行きたいお店があるねん。そこでいい?」

「お~、いいねぇ。優奈が行きたい店、僕も行きたいわ~」

 優奈がスマホを見ながら、お目当ての店を探して歩く。僕も優奈と一緒に歩く。暫く歩き、お洒落な雰囲気の店に着いた。

「このお店やねん。なかなかいい雰囲気やろ~。ネットで見たけど、料理美味しそうやで」

「お~、確かに綺麗な感じの店やね~。料理も美味しいなんて、いいやんか~」

 二人で店に入る。元気な店員に案内され、席に座る。

「まずは、何飲む?何でもいいで~」

「そうやな~、まずはビールを飲みたいな~。生中にするわ」

「うん。僕も生中にするわ。ビールで乾杯やな~」

 生ビール中ジョッキを二つ注文。談笑していると、すぐにビールが運ばれて来た。

「それじゃあ、かんぱ~い!お疲れ様でした~」

「は~い。かんぱ~い!」

 優奈がグイッとビールを飲む。良い飲みっぷり。僕もビールを飲む。

「あ~、美味しい~!やっぱり、いっぱい動いた後のビールは格別やね~!」

「うん。美味しい~!丁度、喉が渇いてたんや~」

 どの料理を注文するか考える為、メニューを見る。美味しそうな料理が並んでいる。優奈が楽しそうに考えながら、僕に言葉を掛ける。

「う~ん、迷うなぁ~。ジンギスカンとじゃがバターは食べたいなぁ。サラダは海鮮サラダにしよっか~。他に何食べたい?」

「そうやな~、お寿司美味しそうやな~。ウニといくらとサーモンと中トロがあるし、お寿司の盛り合わせなんてどう?」

「お~、いいねぇ!お寿司美味しそう!じゃあ、注文しよう」

 店員を呼んで注文。二人で談笑していると、次々と料理が運ばれて来た。早速、二人でハイテンションで口に入れる。

「うん!美味しい~!やっぱ、北海道の食べ物は美味しいわ~!」

「ほんま、美味しいわ~!優奈に従って、この店にして良かったわ~!」

 料理が美味しくて、酒と食事が進む。二杯目の酒をどうするか。

「次は何飲む?何でもいいで~」

「そうやな~、次はワイン飲みたいな~。赤ワインをボトルで注文しようよ」

「お、赤ワインいいねぇ~!飲む気満々やんか~!」

 赤ワインをボトルで注文。程なく運ばれて来て、グラスに注ぎ、優奈がグイッと飲む。

「うん!赤ワイン美味しい~!このお店、何でも美味しいね~!」

 優奈の良い飲みっぷりに、嬉しさを感じる。僕も赤ワインを口に運ぶ。

「うん!美味しい~!優奈と一緒にお酒を飲めて、最高やわ~!」

「も~、ほんまに口が上手いね~。でも、そう言ってくれて嬉しいわ~」

 二人で赤ワインを飲み進め、デザートまで食べ終え、赤ワインを飲み干した。僕も優奈も、すっかり酔いが回っている。そろそろ店を出る事になった。

「あ~、美味しかった~!そろそろ出よっか。勿論、僕が払うで~!」

「うん。ほんまに美味しかった~!ここも払ってくれるんやね~。さすが、太っ腹!ありがと~!御馳走様でした~!」

 僕が会計を済ませる。思ったよりも金額が安くて、ほっと一安心。二人で店を出る。


優奈がスマホで今日泊まるホテルを検索する。ふと、優奈が笑顔で手を繋いできた。突然の優奈の行動に、心臓がドキドキする。優奈が口を開く。

「今日泊まるホテル、この近くやで~。ちゃんと案内してあげるで~。楽しみやわ~」

「うん。ホテル取ってくれてありがとう。どんなホテルか、ワクワクするわ~。そういや、北海道では一般人に話し掛けられへんかったな~」

「そうやな~。北海道では、私はまだまだ有名とちゃうわ~」

 二人で楽しくおしゃべりしながら暫く歩くと、あっという間にホテルの前に着いた。

「着いたで~。なかなか綺麗な感じのホテルやろ~」

「そうやな~。中はどんな感じなんやろうな~。楽しみやわ~」

 ホテルに入ると、広々としたロビーがある。フロントに向かい、チェックインの手続きを済ませる。朝食付きという事で、朝食も楽しみ。ホテル代は既にカードで支払い済み。部屋はダブルルーム。どんな部屋なのか聞かされていなかったので、同じ部屋という事でドキドキし、期待感が増す。

 カードキーを受け取り、エレベーターに移動。一○○三号室なので、エレベーターで十階に上がる。上がっている間、ドキドキ感がどんどん増してくる。

 十階に到着。エレベーターから降り、廊下を歩く。すぐに一○○三号室に着いた。カードキーをかざす。エラーを示す赤いランプが灯り、ちょっと焦る。僕の様子を見て、優奈がクスクスと笑う。笑顔がたまらなく可愛い。もう一度かざすと、カチャッと音がした。ドアノブを捻り、ドアを向こう側に押して、二人で部屋の中に入り、優奈が鍵を閉める。

「わ~、思ったより広~い!いい部屋や~!」

 優奈がはしゃぐ。はしゃいでいる姿も可愛い。

「広くていい部屋やね~。さすが優奈。ありがとう。嬉しいわ~」

「うん。窓の外の景色はどんなんやろうな~」

 優奈が窓の前に行き、カーテンを開けると、札幌の街の煌びやかな夜景が広がっている。

「お~、夜景めっちゃ綺麗や~!ビルの明かりがいっぱいあるね~」

「ほんまや~!綺麗や~!でも、優奈の方が綺麗やで~」

「またまた~、ほんまに口が上手いね~。でも、嬉しいわ。ありがとう」

 暫く二人で夜景を堪能し、カーテンを閉める。優奈が真剣な表情で僕を見る。僕も優奈を見つめる。見つめ合いながら、時が流れる。ふと、優奈が僕に言う。

「ねぇ、私、あんたの事が好きや。今日、一緒に泊まりたかってん」

 優奈からの告白に、心臓が破裂しそうな位ドキドキする。

「ありがとう。僕も優奈の事が好きや」

 優奈が満面の笑顔になり、僕に抱き付いてきた。僕も優奈をぎゅ~っと強く抱き締める。

 暫く二人でぎゅ~っと強く抱き締め合い、優奈が目を閉じて口を少し開く。

 ―このシチュエーション、キスしていい雰囲気やな~―

 僕の唇を優奈の唇に濃厚に合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。濃厚にディープキス。ピチャピチャと音が部屋中に鳴り響く。暫くの間、ディープキスを続け、ゆっくりと唇を離す。

「先にシャワー浴びて来るね。ちょっと待っていてね」

 優奈がそう言って、ゆっくりと服を脱ぎ、下着姿になった。

 ―おぉ~!綺麗な下着姿や~!おっぱいでかいし、お尻大きいな~!―

 僕が優奈の下着姿に見とれていると、優奈が恥ずかしそうに言う。

「も~、そんなにジロジロ見つめられると、恥ずかしいわ~」

「あはは。あまりにも優奈の下着姿がセクシーで、見とれてしもうたわ~」

 優奈が下着姿のまま、浴室に入って行った。少し時間が経ってから、シャワーの音が聞こえる。優奈のシャワー姿を想像してしまい、どんどん興奮度が増す。

 ―あ~、今、優奈がシャワーを浴びながら、おっぱいやお尻をしっかりと洗ってるんやな~。一緒に入れば良かったな~―

 いろいろ想像していると、シャワーの音が鳴り止み、裸にバスタオルを羽織っている優奈が浴室から出て来た。

「お待たせ~。シャワー浴びて来てよ」

「うん。その姿、めっちゃ綺麗やわ~。ササッと浴びて来るわ」

「も~、恥ずかしいわ~。ちゃんと洗って来てね」

 一気に服を脱ぎ、急いでシャワーを浴びる。バスタオルを腰に巻くかどうか少し迷ったが、まぁいいかとバスタオルを巻かずに、裸で浴室から出た。

「早いね~!しかも裸やんか~!びっくりしたわ~!」

「ははは。早く優奈と愛し合いたくて、めっちゃ急いだわ~」

 優奈のおっぱいのところの結び目をほどき、ゆっくりとバスタオルを取る。優奈のめっちゃ綺麗な裸が僕の目の前に現れた。

「優奈、めっちゃ綺麗な裸やな。おっぱいもお尻もでかくて、見とれてしまうわ」

「も~、ありがとう。何か、めっちゃドキドキしてきたわ~」

 優奈をぎゅ~っと熱く強く抱き締める。優奈も僕をぎゅ~っと熱く強く抱き締める。唇と唇を熱く重ね合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合う。ピチャピチャと音が部屋中に鳴り響く。二人でそのまま勢い良くベッドに雪崩れ込んだ。

 唇と唇を熱く重ね合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。優奈の極上の裸を、じ~っと見つめる。

「優奈、ほんまにめっちゃいい身体やな。おっぱい、めっちゃ大きくて形がいいし、乳首もいい形してるし、お尻もめっちゃふっくらとしてるし、スレンダーでちゃんとくびれがあるし、肌がめっちゃ綺麗やし、最高の裸やわ。ほんまに見とれてしまうわ。こんなにも最高のボン・キュッ・ボンとしたスタイルの優奈を抱けるなんて、僕は世界一の幸せ者やわ!優奈、愛してるで!」

「ウフフ、私の裸をめっちゃ褒めてくれるね~。恥ずかしいけど、めっちゃ嬉しいわ!ありがと~!私も幸せやで!愛してるで!」

二人で熱く激しく無我夢中で時間が経つのを忘れてひたすら濃密に愛し合いまくる。僕も優奈も興奮して汗が噴き出て、あまりにも気持ち良くて大きな声を上げ、二人だけの天国にいるかのような極上の幸せな時間をじっくりと味わいながら、熱く激しく無我夢中で気が狂ったようにひたすら濃密に愛し合いまくった。

 ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合いながら、最高に幸せな気分で余韻に浸る。

「ウフフ、めっちゃ気持ち良かったで。ありがと~!最高やわ~!幸せ~!愛してるで!私達、もう世界中で一番愛し合ってる恋人同士やな~」

「うん。僕もめっちゃ気持ち良かったわ。ありがと~!最高や~!幸せ~!愛してるで~!僕と優奈、世界中で一番愛し合ってる恋人同士か~。めっちゃ嬉しいわ~!」

 唇と唇を熱く重ね合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。二人でベッドに横になり、再び唇と唇を合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合う。熱く激しく無我夢中でひたすら愛し合いまくる。何度も濃厚にディープキス。舌と舌を濃密に絡め合う。ふと、僕が満面の笑顔で優奈に言う。

「段々眠くなってきたわ。いつ寝てもいいように、もう言っとくわ。おやすみ~」

「もう眠くなってきたんやね~。私ももう寝ちゃうかもしれへんな~。おやすみ~」

 唇と唇を熱く重ね合わせ、舌と舌を濃厚に絡め合い、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合いながら、いつの間にか心地良い眠りについた。

 翌朝、目が覚めた。横には裸の優奈がいて、まだ気持ち良さそうに眠っている。

 ―優奈の寝顔、めっちゃ可愛いな。愛おしい!―

 僕の唇を優奈の唇に合わせる。暫くの間ディープキス。優奈が目を覚ました。

「おはよう、優奈。寝顔めっちゃ可愛かったで」

「ウフフ、おはよう。あんたに抱かれながら寝られて、幸せな気分やわ」

 唇と唇を合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合う。暫くの間、ベッドで愛し合い、浴室に移動。二人でシャワーを浴びる。ボディーソープを手に付けて身体を洗い合い、シャワーで流す。バスタオルで身体を拭き、浴室を出る。優奈が下着を手に取る。下着を着ている優奈をじ~っと見ていると、優奈が笑いながら僕に言ってきた。

「も~、何ジロジロ見てんのよ~!早く服着てや~」

「ははは。優奈が下着を着ける仕草がめっちゃ色っぽくて、思わず見とれてもうたわ」

 僕もパンツを履き、服を着る。優奈も服を着た。

「早く朝御飯食べに行かなあかん。美味しい食べ物無くなったら大変やで~」

「うん。行こう行こう。楽しみや~!」

 唇と唇を合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合う。

 二人で部屋を出て、エレベーターで一階に下りる。朝食会場に着くと、既に多くの人が来ていて、朝食バイキングを楽しんでいる。

 席を確保し、食べ物を取りに行く。美味しそうな食べ物が並んでいて、優奈がはしゃぐ。

「わ~、どれも美味しそう~!何から取ろうかな~」

「ほんまや~!美味しそう~!迷うなぁ~」

 優奈が思いのまま、どんどん料理を皿に乗せていく。さすが優奈、ちゃんとサラダも取っている。僕もどんどん料理を皿に乗せていくが、やはりボリュームのある料理が中心になる。優奈はバランス良く取っている。

 二人で席に戻り、取った料理を並べる。優奈が笑顔で僕に言う。

「いっぱい取って来たね~。ちゃんと野菜も食べなあかんで~。ハンバーグとフレンチトースト、美味しそうやね~。私も取ったで~」

「うん。野菜はプチトマトしか取らんかったわ。優奈はバランス良く取ったんやな~。さすがやわ。見習わなあかんけど、どうしても鶏の唐揚げとか、いろんな揚げ物をいっぱい取ってしまうわ~」

「まぁ、気にせんとどんどん食べようよ。いただきま~す!」

 まずは優奈がサラダを口に運び、ハンバーグを箸で切って食べる。

「うん!美味しい~!朝食バイキング、最高やわ~!」

 僕も食べ始める。どうしても我慢できなくて、いきなり鶏の唐揚げを食べる。続いてハンバーグを箸で切り、口に入れる。

「美味しい~!鶏の唐揚げとハンバーグ美味しいわ~!朝から贅沢やわ~!」

 優奈が僕の食べっぷりを見て笑顔になり、ホイップクリームとメープルシロップをたっぷり付けたフレンチトーストを頬張る。

「お~!フレンチトースト、甘くて柔らかくて、めっちゃ美味しいわ~!」

 優奈が満面の笑顔になる。優奈の様子を見て、僕もフレンチトーストにホイップクリームとメープルシロップをたっぷりと付けて、口に入れる。

「うん!ほんまに美味しい~!朝から優奈と美味しい物を食べられて、幸せやわ~!」

「あはは。大げさやな~。でも、そう言ってくれて嬉しいわ~」

 二人でどんどん食べ進め、デザートとホットコーヒーを取りに行く。フルーツとヨーグルトと小さくカットされたケーキを皿に乗せ、席に戻って食べる。

「デザートも美味しい~!ここのバイキング、何でも美味しいね~!」

「ほんまや~!美味しい~!優奈と一緒に食べられて、ほんまに幸せやわ~」

 デザートを食べ終え、ホットコーヒーを飲み干し、暫くの間二人で楽しくおしゃべりする。ふと、優奈が笑顔で僕に言う。

「あ、もうこんな時間や。そろそろ行かないとあかんな」

「ほんまや~。楽しい時間はあっという間に過ぎるな~」

 二人で手を繋いで歩き、朝食会場を出て、部屋に戻り、外出の用意を済ませる。化粧をバッチリ決めた優奈が、部屋に差し込んだ太陽の光に照らされ、眩しく輝いている。ふと、僕が思い出し、優奈に照れながら言う。

「そういや、まだ旅行代金払ってなかったな。払うで。いくらなん?」

「お、思い出してくれたか。ありがとう」

 僕が旅行代金を優奈に支払う。大体思った通りの金額だった。優奈が口を開く。

「じゃあ、そろそろ行こっか。一緒に過ごしてくれて、ありがとうね。愛してるで」

「うん。こっちこそありがとう。僕も愛してるで」

 僕と優奈がじ~っと見つめ合い、唇と唇を濃厚に合わせ、舌と舌をグリグリと絡め合い、時間の許す限り、ぎゅ~っと熱く強く抱き締め合った。

 二人で部屋を出てエレベーターに乗り、一階に到着。名残惜しいが、ホテルから出た。僕が優奈の方を向いて尋ねる。

「優奈、今日は何処を探せばいいかな?占ってくれる?」

「もっちろん!任せてよ!早速、水晶玉で占うわ!」

 優奈が水晶玉を取り出し、真剣な表情で呪文を唱える。真剣な表情がめっちゃ綺麗。

 ―占いをしている時の優奈、めっちゃ綺麗でかっこいいなぁ。やっぱ見とれてしまうわ。今日は何処に行けばいいんやろ~―

 優奈に見とれていると、優奈が不思議そうな表情で僕を見て、言葉を掛けてきた。

「また、昨日のゴルフ場が見えたわ。やっぱりあのゴルフ場に何かあるんかな~」

「え~!昨日のゴルフ場か~。昨日探した時は、気になった事なんてあったかな~」

 昨日のゴルフ場での出来事を思い返してみると、ふと思い出した。

「そういや、飾られていた写真の中で、一枚気になった写真があったんや。ビューティーと、キャディーと、たくさんの観客が写ってたんや。何で気になったんやろうなぁ」

「そうなんや。単に矢部美咲に見とれてた訳じゃなかったんやね。もしかしたら、写ってた人の中に、サインを盗んだ犯人がいるのかもしれへんなぁ」

「どうやろうな~。犯人がいるというか、何か別の事で気になったような気もするし、何で気になったんか分からへんなぁ。まぁ、今日も占いで、このゴルフ場が出て来たんやし、何かあるんやろうけど、これから行っても、新たな手掛かりは見つからん気がするなぁ。いろいろな事を思い出しながら、気になった写真との関連を考えてみるわ」

「分かった。何か大きな手掛かりが見つかるといいんやけどね~。念の為、もう一回占ってみるわ。今度は違う物が出て来るかもしれへんし」

 優奈が再び水晶玉に向かって呪文を唱える。暫くしてから、こっちを見た。

「あ~!やっぱり昨日のゴルフ場が出て来た~!たぶん何かあるで~!」

「優奈、もういいで。占ってくれてありがとう。僕なりにいろいろ考えてみるわ。まぁ、折角北海道に来たんやし、観光でもするか。何処か行きたいとこある?」

「お、いいねぇ!二回占って、ちょっと疲れたところやし、楽しく観光しよう。そうやな、小樽に行ってみようよ。一回行ってみたかってん」

「うん。いいで~。行こう。楽しみや~」

 札幌駅に向かい、小樽に移動する為に電車に乗り、二人で座席に座る。

 電車が動き出した。札幌の都会の風景から、徐々に自然の風景が目立つようになり、綺麗な景色が窓の外に広がっている。優奈が笑顔ではしゃぎながら僕に言う。

「わぁ~、北海道らしい景色やね~。綺麗やわ~」

「ほんまやな~。こんな自然の風景、久し振りに見たわ~」

 優奈の笑顔を見て、僕も笑顔になり、幸せな気分に浸る。

 ―優奈の笑顔、可愛いなぁ。一緒に北海道に来て良かったわ~―

 二人で楽しくワイワイおしゃべりしていると、窓の外に海が見えてきた。

「わぁ~、海や~!太陽の光に照らされて、輝いてるわ~!」

 海を眺めている優奈に、僕は見とれていた。海よりも輝いて見える。

「も~、私ばっかり見てないで、海も見てよ~」

 僕の視線に気付いた優奈が、恥ずかしそうに言ってきた。

「あはは。優奈があまりにも綺麗で、海よりも優奈を見てしまったわ」

「ウフフ、ほんまに口が上手いね~。でも、嬉しいわ~。ありがとう」

 更に電車が進み、小樽駅が近くなってきた。僕と優奈は、手を繋ぎながら、いつの間にか眠っていた。僕の頭は、優奈の肩にもたれかかっている。

「御乗車ありがとうございました。間もなく小樽に着きます」

 車内アナウンスで、僕も優奈も目が覚めた。慌てて電車を降りる準備をする。

 小樽駅に到着。二人で手を繋ぎながら電車から降りて改札を通ると、雰囲気がある小樽の街並が、僕と優奈の眼前に広がっている。優奈が満面の笑顔で僕に言う。

「お~、これが小樽か~!初めて来たわ~!お洒落な感じの街やね~!」

「そうやな~。優奈と一緒に来れて、めっちゃ嬉しいし、幸せやわ~!」

「エヘヘ、ありがとう。私もめっちゃ嬉しいし、幸せやで!さぁ、ブラブラ歩こうよ」

 二人で手を繋いで楽しくおしゃべりしながら歩く。天気がめっちゃ良く、絶好の小樽観光日和。優奈が満面の笑顔で口を開く。

「ねぇねぇ、小樽運河に行ってみたい!小樽運河に行こうよ~!」

「小樽運河か~。いいで~。久し振りやわ~。優奈と一緒に行くの、楽しみや~」

 まずは、小樽運河に行く事にした。スマホで乗り場を検索し、テクテク歩いて向かう。

「あ~、使われてへん線路がある~。こんな所にあるんやな~」

 優奈が使われていない線路を発見し、小走りで向かい、線路の上に立つ。

 ―優奈、無邪気にはしゃいでいて、めっちゃ可愛いな~―

「ねぇ、こっちに来てよ!一緒に写真撮ろうよ!」

 優奈に誘われ、僕も線路に向かい、優奈と一緒に線路の上に立つ。

「じゃあ、写真撮ろう!私のスマホで自撮りするわ」

 優奈がスマホを携えながら、腕を伸ばしてシャッターボタンをタップしようとしたが、上手く二人と背景が入らなく、苦戦していると、一人の男性が声を掛けてきた。

「あの~、良かったら、撮りましょうか?」

 思いがけない手助けの声に、優奈が返答する。

「ありがとうございます。お願いします。ここをタップして下さい」

 優奈がスマホを見せて説明し、その男性に手渡しした。

「分かりました。じゃあ、いきますよ~。はい、チーズ」

 カシャッとカメラのシャッターを切る音がした。男性が優奈にスマホを渡して言う。

「上手く撮れたかどうか、確認していただけますか」

 優奈と僕が、男性に撮ってもらった写真を確認する。優奈と僕と線路がちゃんと写っていて、優奈も僕も満面の笑顔になる。

「大丈夫です。ありがとうございました」

 優奈が御礼を言った直後、男性がはっと気付いた感じで優奈に言葉を掛けてきた。

「もしかして、占い師の優奈さんですか?」

「はい。そうですよ~。小樽で気付かれるなんて、驚きです~」

「やっぱり~。僕、この前、優奈さんに占いの部屋で占ってもらったんですよ~」

「え~、え~と、あ~、思い出した!そういえば、占いましたね~。確か、好きな女性にどうやって告白したらいいかを占いましたね~」

「そうです、優奈さんに言われた通り、カフェに誘って、ホットコーヒーを飲んでる時に告白したら、上手くいきました。ほんまにありがとうございました」

「そうですか~。それは良かった。お役に立てて嬉しいです」

「ただ、その後、一週間で振られちゃいました。元々、他に好きな男性がいたみたいで、迷ったけど、やっぱりその人の事が好きと言われました。まぁ、少しだけやけどその女性と付き合えたし、優奈さんの占いはバッチリ当たったんやし、優奈さんにはめっちゃ感謝してます。ありがとうございました」

「そうなんですか~。まぁ、他にも女性はい~っぱいいますから、すぐに新しい彼女できますよ~。良かったら、また占いの部屋に来て下さい。しっかり占いますよ~」

「はい。必ず行きます!今は、気分転換に大阪から飛行機に乗って、北海道を一人で旅行してるんですよ~。優奈さんは、こちらの方と旅行してるんですか?」

「はい。小樽初めて来たんで、新鮮で楽しいです~」

「それは良かったですね~。それじゃあ、失礼しますね~。ごゆっくり~」

 その男性がペコリとお辞儀して去って行った。僕が優奈に言う。

「今の人、お客さんなんやね~。小樽でたまたま会うなんて、偶然やね~」

「そうやな~。でも、お客さんの誰かにばったり会いそうな予感はしてたんや~。ほんまに会ったから、びっくりしたわ~。やっぱ、占い師の能力やな~」

「ほんまやな~。さすが優奈や~!占いも当てたし、凄いわ~!頼りにしてるで~」

「エヘヘ、ありがとう。自信が付いたわ~」

 優奈が撮れた写真を僕のスマホに送信し、僕がスマホに届いた写真を確認。暫くの間、使われていない線路を歩き回ってから出て、小樽運河に向かって歩き出す。すると、今度は女性が優奈に話し掛けて来た。

「もしかして、大阪の占い師の優奈さんですか?」

「はい。そうです~。私の事、知ってるんですね~」

「わぁ~、本物だぁ~。会えて嬉しいです~。私、札幌に住んでるんですけど、この前、雑誌で見まして、綺麗な占い師だな~、大阪に行ったら絶対占ってもらおう~って思ってたんです~。あ、今旅行中ですよね。邪魔しちゃ申し訳ないので、失礼しますね。今度、絶対に占いの部屋に行きますから、占って下さいね~」

「はい。ありがとうございます。お待ちしてます」

 その女性が笑顔で歩いて行った。現地の人に声を掛けられ、優奈の知名度に驚く。

「お~、北海道の人にまで声を掛けられたやんか~。優奈、有名人やな~」

「え~、有名人って程とちゃうけど、北海道の人に私を知ってもらえていて、嬉しいわ~。私、自分で思ってるより有名かもしれへんな~」

 二人で手を繋ぎ、談笑しながら小樽運河に向かって歩く。暫く歩き、小樽運河に到着。

「着いた~!これが小樽運河か~。風情があるね~」

「ほんまやな~。久し振りに来たけど、優奈と一緒に来れて、テンションが上がるわ~」

「ウフフ、ありがと~!あ、あそこに船の乗り場があるで!船に乗ろうよ!」

「うん。乗ろう。船から見る景色、綺麗やと思うで~」

 船乗り場に行き、僕が二人分のチケットを購入。少しの間待ち、時間が来て船に乗る。

「わぁ~、何か、ドキドキするわ~。楽しみ~」

 笑顔ではしゃぐ優奈を見て、僕も楽しくなり、幸せな気分。暫くの間、二人で席に座りながら談笑していると、程なく船が動き出した。二人ではしゃぎながら言う。

「お~、船から見る景色、上から見る景色と全然違っていて、いいね~」

「そうやな~。綺麗やわ~。優奈と一緒に見れて、嬉しいわ~」

「ウフフ、ありがとう。私も嬉しいわ~。一緒に来て良かった~」

 二人で楽しくおしゃべりしながら景色を見る。どんどん船が進み、雰囲気のある建物に優奈が感動。はしゃぐ優奈があまりにも可愛くて、思わず見とれてしまう。楽しい時間は過ぎるのが早く、あっという間に元の船着き場に着いてしまった。

「もう着いたんやな~。ほんまに楽しい時間は過ぎるのが早いね~」

「ほんまや~。あっという間やな~。景色綺麗やったし、優奈に見とれてしもうたわ~」

「そんなに私の事見てたんや~。恥ずかしいわ~。でも、景色綺麗やったし、嬉しいわ」

 二人で船から降り、次は何処に行こうか考える。

「優奈、次は何処に行きたい?何処でもいいで~」

「そうやな~、お腹空いてきたし、ランチ食べようよ」

「お~、確かに昼御飯まだやったな~。楽し過ぎて、お腹空くのも忘れてたわ」

「あはは。何やそれ。私はお腹ペコペコやわ~」

 周囲を見回し、綺麗な雰囲気の和食店を発見。店に入り、二人で海鮮丼を堪能。北海道の海の幸の美味しさに感動。僕が会計を済ませ、店を出た。さて、次は何処に行くか。

「あ~、美味しかった~。さぁ、何処に行きたい?優奈が行きたい所でいいで~」

「お~、ありがとう。そうやな~、え~と、あ、そうや!オルゴール館に行きたいわ!」

「いいねぇ。優奈らしいね~。行こう行こう」

 スマホでオルゴール館の場所を検索。思ったよりも近い。二人で手を繋ぎながら、オルゴール館に向かって歩く。天気が良く、会話が弾む。

「優奈、オルゴール好きなの?」

「特別好きって程とちゃうけど、有名やし、オルゴールの綺麗な音色を聞いてみたいねん」

 二人で手を繋いで楽しくおしゃべりしながら歩き、程なくオルゴール館に着いた。

 二人でオルゴール館に入ると、小さいオルゴールから大きいオルゴールまで、様々なオルゴールが、僕と優奈を迎えてくれた。綺麗な音色を奏でている。

「わぁ~!いろんなオルゴールがある~!凄~い!綺麗な音色~!」

「優奈、嬉しそうやね~。そんなに喜んでもらえて、僕も嬉しくなるわ~」

 優奈がはしゃぎながら歩き回り、いろいろなオルゴールの前で音色を聴く。目を閉じながらオルゴールの音色を聴いている優奈に、思わず見とれてしまう。

 一時間位歩き回り、ありとあらゆるオルゴールを堪能。大きいオルゴールの前に立ち、あまりの迫力に圧倒される。

「こんなに大きなオルゴール、初めて見たわ!迫力あるし、いい音奏でてるし、最高!」

「うん。ほんまに大きいオルゴールやな~!音色いいし、作るの大変やったやろうな~」

優奈はすっかりオルゴールを気に入ったようなので、僕が優奈に言ってみる。

「優奈が気に入ったオルゴール、一つプレゼントするで。あんまり高いのはあかんけど」

「え~!やった~!嬉しい~!ありがと~!」

 二人でお土産店を歩いて物色する。優奈が真剣な表情でオルゴールを見定める。

 ―ああ言ったものの、一体どんなオルゴールを選ぶんやろうな~―

 少し心配しながら待っていると、優奈が笑顔で僕に言葉を掛けてきた。

「決めた!これにするわ。可愛いし、音色が綺麗やし、そんなに高くないと思うし」

 優奈が小さくて可愛らしいオルゴールを手に取った。いかにも優奈らしいオルゴール。確かにそれ程高くなく、ほっと一安心。レジに向かい、僕が代金を支払い、満面の笑顔で優奈に手渡すと、優奈が大喜びで僕に言ってきた。

「めっちゃ嬉しい~!ありがと~!大好き~!愛してる~!」

 優奈が笑顔で僕に抱き付いてくれた。優奈の大きなおっぱいが僕に当たり、ドキドキする。おっぱいの感触がたまらなく気持ちいい。

 ―こんなに喜んでくれるなんて、買って良かったな~―

「こんなにも喜んでくれて、僕も嬉しいわ。僕も愛してるで~!」

 オルゴール館を出て、次はガラス館に行ってみた。綺麗なガラス製品が並んでいて、ここでも優奈のテンションが上がる。優奈のはしゃぎぶりを見て、ついつい買ってあげたくなる。可愛らしいグラスを一つ買って、優奈にプレゼント。優奈が嬉しそうに僕に抱き付き、満面の笑顔で僕に言う。

「ありがと~!太っ腹やね~!大好き!愛してるで~!」

「うん。そんなに喜んでくれて、僕も嬉しいわ。愛してるで!」

 ガラス館から出て、時計を見ると、思ったよりも遅い時間になってきた。

「あ、そろそろ空港に向かわんと、時間やばいわ。駅に少し急いで行こう」

「え!時間やばいんや。分かった。早く行こう」

 二人で手を繋ぎながら小走りで小樽駅に向かう。すぐに小樽駅が見えてきた。更に歩き進んでいる、その時、急に体格が大きい男性が、優奈に声を掛けてきた。

「ねぇねぇ、君、すっごく綺麗でスタイルいいね~!俺と一緒に遊ぼうよ~」

 ―うわっ!ナンパや!さすが優奈、めっちゃ綺麗でセクシーやし、そりゃナンパされるわな~。それにしても、この男、僕に気付いてへんのかな~。見てるだけじゃあかん!優奈を守らないとあかんで~!―

 優奈が驚いた表情を見せながら、その男に対して、少し笑顔を浮かべて言う。

「ごめんなさいね~。今、彼氏とデート中なの~。これから帰るとこで、急いでるの~」

 僕もその男に対して、引き締まった表情で言う。

「そうやで。この人は僕の大切な彼女やねん。急いでるから、もう行くで」

 優奈と僕の言葉を聞き、その男が一気に怖い表情になって、怒鳴ってきた。

「そうか、お前達、関西弁をしゃべってるって事は、大阪から来たのか。ふん!ひ弱な感じの男だな。そんな男より、俺の方が強いし、逞しいし、筋肉隆々だぞ!後で、俺の物凄く筋肉質な肉体を見せてやるよ!さぁ、俺と一緒に来い!そこの男、何処かに行っちまえ!さもないと、ボコボコにしてやるぞ!」

 ―うわ~!この男、身体がでかいし、強そうやな~。まともに戦ったら、間違いなく負けるなぁ。でも、ここで逃げたら男が廃る。ボコボコにされても、優奈を守り抜くぞ!―

「うるさい!逃げる訳ないやろ!絶対に僕の大切な人を守るぞ!」

「フン!お前に勝ち目は無いぞ!望み通りボコボコにしてやる!覚悟しろ!」

 その男が、僕に物凄い形相で近付いて来る。僕は微動だにせず、その男を睨み付ける。その時、優奈が声の限り叫んだ。

「キャ~!この男、無理矢理私を連れ去ろうとしてます~!誰か助けて~!」

 優奈の声が響き、小樽駅に近い場所という事で、人が多く、注目を集める。

「う・・・くそっ!もういいや。他にいくらでも、いい女はいるしな~」

 その男が吐き捨てるようにそう言って、向こうの方に歩き去って行った。

「あ~、怖かった~。それにしても、強烈な感じの男やったな~。私を守る為に、あの男と戦おうとしてくれて、ありがとうね。益々好きになったわ~!」

「うん。僕も怖かったけど、ボコボコにされても優奈を守る思いやったわ。優奈、機転を利かせて叫んでくれて、さすがやわ。ありがとう。もし次にこんな事があったら、戦って勝って優奈を守れるように、身体を鍛えとくで~!僕も愛してるで!」

「ウフフ、ありがと~!頼もしいね~!頼りにしてるで~!」

二人で気を取り直して再び歩き、小樽駅に着くと、丁度電車が来た。二人で慌てて電車に乗り、手を繋ぎながら席に座り、一安心しながら言う。

「良かった~。間に合った~。もう大丈夫やわ~」

「お~、良かった~。ちょっと焦ったで。まぁ、これで安心やな~」

「うん。空港の駅に着くまで時間あるし、いっぱい寝れるで~」

「ほんまやな~。優奈、眠くなったら、僕の肩に頭を乗せて寝ていいで~」

 二人で楽しくおしゃべりしていると、すぐに電車が動き出した。さっき見た景色が広がり、程なく優奈がコクリコクリとなる。寝顔がめっちゃ可愛い。少し時間が経ち、優奈の頭がゆっくりと僕の肩に乗った。

 ―優奈、気持ち良さそうに寝てるなぁ。優奈の髪、いい匂いするなぁ。幸せな気分や―

 優奈の頭に僕の頭を少しもたれさせ、目を閉じる。程なく僕も眠りに落ちた。

 電車の適度な揺れが心地良く、二人でいっぱい寝る。ふと、もうすぐ新千歳空港の最寄り駅に着くという内容のアナウンスが車内に響き、僕も優奈も目が覚めた。

「うわ、もう空港の近くに来たんやな。早いな~」

「ほんまやね~。めっちゃ気持ち良く眠れて、幸せやわ~」

 二人で電車から降りる準備を進め、準備が完了した直後、駅に到着。スムーズに電車を降りる事ができた。

 新千歳空港に入り、搭乗手続きを済ませる。飛行機の時間までどうするか。

「まだ結構時間あるね~。晩御飯どうする?もうここで食べる?大阪で食べる?」

「そうやな~、折角北海道に来てるんやし、空港の店で食べようか」

 空港のレストランフロアを歩き回っていると、優奈が笑顔で僕に言ってきた。

「あ、このお店がいい!お肉美味しそう!」

「そうやな~、肉が恋しくなってきたし、この店にするか~」

 肉料理が美味しそうな店に入り、ステーキの定食と生ビール中ジョッキを二つずつ注文。暫くの間、二人で談笑していると、すぐに料理とビールが運ばれて来て、優奈がはしゃぎながら、満面の笑顔で僕に言ってきた。

「わぁ~、美味しそう~!じゃあ、乾杯するで~!かんぱ~い!」

「ほんまやな~。かんぱ~い!」

 まずは二人でビールをグイッと飲み、ステーキを口に運ぶ。優奈がとびっきりの笑顔を見せながら僕に言う。

「あ~、美味しい~!北海道はステーキも美味しいわ~!最高~!」

「うん。美味しい~!優奈と一緒にステーキを食べられて、嬉しいわ~」

 北海道での楽しかった出来事について楽しくおしゃべりしながら、ビールとステーキを堪能。あっという間に時間が経ち、楽しい食事を終え、僕が会計を済ませ、二人で店を出ると、優奈が満面の笑顔で僕に言ってきた。

「あ~、美味しかった~!ありがと~!御馳走様でした~!そろそろ北海道を出発か~。ほんまに楽しかったわ~!」

「うん。僕もめっちゃ楽しかったわ~。優奈と過ごしてると、時間が過ぎるのが早いわ」

 北海道に名残惜しさを感じながら、二人で飛行機に乗り、ビールを飲んでいた事もあり、いつの間にか眠ってしまった。目が覚めると、間もなく着陸態勢に入るところ。飛行機が徐々に高度を下げ、伊丹空港に着陸した。優奈が笑顔で口を開く。

「めっちゃ楽しかったし、幸せやわ~。ほんまにありがとうね。愛してるで!」

「うん。僕もめっちゃ楽しかったわ。ありがとう。僕も愛してるで!」

「ありがと~!でも、盗まれたビューティーのサインを見つける為の有力な手掛かりは掴めへんかったね。お役に立てなくてごめんね~」

「そんな事ないで~!気になる写真が見つかったんや。優奈のお陰やで。あの写真について、僕なりにいろいろ考えてみるわ」

「そう言ってくれて嬉しいわ。何か分かるといいねぇ。応援してるで~」

「うん。ありがとう。優奈の応援は、ほんまに心強いわ」

 二人で伊丹空港を出て、バスに乗り、大阪駅近くのバスターミナルに到着。

 二人で楽しくおしゃべりしながら歩く。すっかり遅い時間だが、楽しい時間は過ぎるのがめっちゃ早い。あっという間に優奈のマンションの前に着いた。優奈が僕に言う。

「送ってくれてありがとう。次の土日は、占いの部屋を開けなあかんけど、必要なら、いつでも占ってあげるで」

「分かった。ありがとう。また占ってもらうと思うわ。頼りにしてるで」

「うん。しっかり占うで。じゃあね。気を付けて帰ってね。また連絡するわ」

「うん。ありがとう。僕も連絡するで。じゃあね」

 優奈が目を閉じ、口を少し開けて少し上を向く。僕の唇を優奈の唇に合わせ、舌と舌を絡め合い、ぎゅ~っと強く抱き締め合った。

 唇をそ~っと離し、優奈が手を振りながらマンションに入って行く。僕も手を振り返す。また優奈が手を振る。優奈が見えなくなるまで、優奈に手を振り返した。

 僕も家路につく。歩きながら、いろいろな事を考える。

 ―あ~、楽しかったな~。優奈とする事ができて、優奈と恋人同士になれて、ほんまに嬉しいし、幸せやわ~。盗まれたビューティーのサインを探し出す為の手掛かりは、あまり多くは見つけられへんかったけど、気になる写真は見つかったし、あの写真を思い出しながら、いろいろ考えたら、何か大きな事を掴めそうな気がするわ―

 ふと、夜空を見上げると、珍しく星がたくさん見える。オリオン座を発見。他に何か星座があるかな~と考えながら歩いていると、思ったよりも早く家に着いた。

 うがい手洗いトイレを済ませ、少しのんびり過ごしていると、そろそろ寝る時間。ベッドに横たわり目を閉じると、すぐに眠りについた。


 ≪Vol.2に続く≫

 主人公は、大切なビューティーのサインを何者かに盗まれてしまいましたが、北海道で手掛かりを掴む事に成功し、美しい幼馴染の優奈と、恋人関係になる事ができました。果たして、大切なサインを見つける事ができるのでしょうか?

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