君の気持ち
女子の県大会も明け、本格的な新体制が行われた。
新しい空気の中始まる部活のはずだが……
新女子剣道部部長日向が僕に話しかけてくる
「ねえ、あんたマジで変なことしないでね?わかってる、この万年素振り!」
ひどっ!言わないけど、素振りって超大事ですけど?
「わかってるよ。女子のことは何も言わない。男子は僕の管轄だろう?」
意外にも納得した?女子更衣室の方から楓が会話に入ってくる。
「二人とも、仲良しだね~」
それ言っちゃあ、僕が終わっちゃうよ……
「尚武?今週中、てか、この1年間話しかけないでくれる?」
無理でしょ。普通に新入生の勧誘どーすんの?
「で、できるだけ頑張ります………」
楓がやっちゃったーと呟き、僕の方を向く
「私が伝書鳩係になろっか?」
………誤解しか生まない
「大丈夫。僕がどうにかする。まあ、困ったときは頼むわ!」
嬉しそうに日向の後についていった。
僕は日向を見た……
小さい頃は仲良かったんだけどなあ。と思っていると
「よう!何見てんだ~?」
「………昇」
よりによって嫌なやつに嫌な所を見られた……
「ほ~ん。清水さん見てんのかー」
「悪かった?」
ニヤニヤしながらへーそうなんだーと言って去ってった。
誤解されるのが早い。あー、噂が広まったら僕死んじゃうよ………
ガラガラガラ………
「おい、尚武。何やってんだ?もう活動を始めろよ?」
あ、忘れてた。僕は一目散に剣道場に行った。日向が僕を呆れたよう見ていた……
シャワシャワシャワ…………
これで、稽古を終わりにします。 ありがとうございましたー!
ギシ……ギシ………
素振り、しないでの部活は久々だったな。僕は今日、みんなの練習を見ていた。楓
には「私も見ててよ!」と言われたが、日向と昇両方に睨まれたので丁重にお断りした。
ガラガラガラ………
僕は着替えがないのですぐ外に出る。
シャワシャワシャワ………
ガラガラガラ………
「昇?早いな」
「そうかあ、ていうか、作戦会議だ!」
なんの?今度の錬成大会のかな?
「そう!楓ちゃんと二人っきりで帰りたいんだ!」
ほえー。そこは錬成大会であってくれ。
「だから、お前も清水さんと帰れてWin-Winだろ?」
僕は日向のことが好きじゃないけどね……。恋愛的な意味での
「誤解してるようだから、僕、日向のこと好きじゃないから。まあ、でも、その作戦には乗ってあげるよ」
地獄確定演出すぎる……
「おー!まじか、サンキュー!ま、でも俺はそんな嘘信じねーけどな」
すごく嬉しそうにガッツポーズをする昇。嘘じゃないから
ガラガラガラ……
「楓と………日向」
おい、さっきまでの元気はどうしたんだ?
「ねえねえ~。さっきまで何話してたの?本田くんがすごく嬉しそうだったけど……」
昇くんて呼べよ。楓……。
「さっさと帰りましょう。こんな奴ら相手にしてたら日が暮れるわ」
もう暮れそうですけど。はあ、作戦実行するかー
「あー、そうだったー。やっべー今日新入生のオリエンテーション作らないとー」
日向がすごく焦ったようになる
「え?まじ?うわ、ほんとだ……じゃあ、ギリギリまで残んないと!楓バイバイ!」
というと、僕を引っ張って剣道場まで来たら。途端に態度を変えた
「あんた、昇の吹き込み?」
うっわあ……うっわあ……
「はい。昇が嬉しそうにしていたのもそれです……」
ため息を吐く。顔を歪めさせた
「楓が喜ぶから……楓と……本当は帰りたかったのにー!」
悪かったね僕で……
「まあ、別々で帰ればいいじゃん」
キッと僕を睨む
「私たちの家って三連続で並んでるじゃん?左から、楓、あんた、私。だから、見られるのよ!私たち、仲が良くないんだって!」
それはそうじゃん……
「はい……それで?」
「楓は私たちが仲良い方が喜んでくれるんだってこと!」
僕の顔はいつしか曇っていた
「楓、楓って日向、楓の親友ってだけだろ?友人関係まで楓って持ってくるのはおかしくない?素直に恋も応援してやれないなんて何?昇のこと好きなの?それとも……」
すごく久々に日向の泣き顔を見た。
「別に!尚武にも関係ないじゃん!」
ガラガラガラ………
「茂山、いたのかよ」
気まずそうに突ったている禿山が僕の方を見ている
「別れ話は外でしてくれ。追いかけなくていいのか?」
「あいつとはただの幼馴染です。ちょっと喧嘩しちゃっただけです」
ガラガラガラ………
まあ、結局さ、僕が追いかける形にはなっちゃうんだけど。昇と楓がキャッキャッウフフしてるのにさ、なんで僕が悪いみたいな喧嘩をしなきゃならないんだ。
僕はゆっくり歩き始めた砂利道がちょっと痛かった。




