幼馴染と僕と
総体が終わった。女子は県大会進出をしたらしい。
蒸し暑い夏が始まる
剣道場に一番乗りで着くと、今来た楓に話しかけられた
「わー!尚武が一番乗りか~。私が一番乗りだと思ったんだけどな~」
「女子、県大会行くんだって?おめでとう」
顔にはすごく嬉しそうな花が咲く
「そうなんだ~!先輩たちすごいよね~!」
男子の先輩だって負けてないよ
楓が照れたように聞いてくる
「ね、ね、昇くんは活躍してた?」
……ある意味では活躍してたけど……
「あいつの実力は楓が一番知ってんだろ?」
「そうだね。なんで県大会に行けなかったんだろ?調子悪かったのかな?」
僕の顔が曇る
「いろいろあるんだよ。男子だってさ、ほら、みんな来るよ。変な誤解を招くと日向に睨まれるから」
少し、物足りなそうに楓は女子更衣室に向かってく。
ガラガラガラ………
「日向……」
日向がすごい気迫で僕に迫る
「何喋ってたの?」
そんなに怒ることじゃあないじゃないか……
「総体での昇の話と」
「それで?」
話を途中で止めるなよ……
「雑談だよ」
あまり納得していないようだった。僕が嘘をついてるでも?
「もういいわ、あんた信用ないから。楓に聞くわ」
いつ信用無くしたんだよ……。
ガラガラ……ピッシャーン
怖っ
シャワシャワシャワ………
ブンブン……
「よう、尚武」
少しこそばゆかった
「よう、昇」
それ以上は交わさなかった
メ~ン ドオー コテエエー メーン メエエ~ン
ブンブン……
ガラガラガラ……
「おい、もう終わりっつただろ?」
「ごめんなさい」
ガラガラガラ……
なぜか禿山、茂山は剣道場の戸を閉めた
茂山の優しい雰囲気が消えた
「なあ、昇のことどう思う?」
どうってそりゃあ問題児ですよ
「頑張ってますよ。隆二の倍頑張ってました。あいつは今恋に浮かせれてるんです。今は隆二の方が伸び代しかないです」
そうか。と小さく呟くと大きい体をさらに大きく伸ばしていた
「お前を部長に指名する!」
…………なんで?
「僕はもう!剣道ができません!そんな僕を指名するなんてみんなが黙ってないですよ?」
ガラガラガラ……
「俺はお前がいいと思うぜ尚武」
昇……。お前が一番嫌がると思ってたのに
「やっぱあ、俺にはこいつらを引っ張ってやれねー。だから、お前に託すんだよ」
……なんだ?嫌味か?僕が剣道をできないのを哀れに思ったか?
部長が優しく微笑む
「何か皮肉なことを考えただろう?ま、俺が言えることじゃないな」
隆二が少し照れくさそうに言った
「俺、お前の友達なのにさ、昇と一緒にお前のこと貶して悪かった。俺のこと、一番見てくれてたのは」
………ジジ……
ため息をついた。希望を込めて
「やるよ。やらせてもらうよ」
ただ、ただ、恥ずかしくて、空の方を見てた。一雫、目に入ってきた。
全く、空気読めよな………




