引退式
ミーンミンミンミー………
禿山の頭はもう認めざる追えないぐらいまでいっていた。
「三年生の引退式だ。一人ずつコメントもらうぞー」
聞いてない。何を言えばいいんだ
「まあ、部長はとりだよな。隆二か昇、楓は先だな」
おうわ……早く終わりたかったのに
隆二が真っ先に手を挙げる
「こういうのは最初の方がいいんだよ!」
立ち上がりみんなの前へ出ていく
「俺は、ずっと自信がなかったんです。僕は初心者で入ってきて、同期は経験者で凄腕のやつばっかりで、ちょっとやめようかなと思ってました」
ハハっと力なく笑う。隆二……
「でも、尚武は一生懸命俺に向き合ってくれました。素振りの仕方、俺の癖全部教えてくれました。それでも劣等感が詰まってくばかりでした」
隆二が僕の方を向く
「尚武が怪我をした時、俺は、最低なことを考えました。見下しました。でも、すごいやつは凄いままなんだなと思い知らされました。なあ、尚武。ごめんな。お前さ、すっげえ最高なやつだぜ?」
拳を突き出してきた。それを僕も答えて拳を合わせた。
昇が難しそうな顔になっていた
「おい!最初から飛ばすんじゃねーよ。あとがやりづれーだろ?」
……パチパチパチ茂山が少し眉間に皺が寄っていた
「じゃあ、次楓な?昇、日向、尚武の順番で行くぞ?」
えー。なんで?日向の方がまとめられるよ?………あ、こういうところがダメなのか…
楓が前に出る。雰囲気が軽くなった
「県大会行きたかったー!以上です」
楓がいたって真面目だったので本当に終わりだった。
昇が少しデレっとしながら前に出る。顔がやらしい…
喋り始めるとすぐにキリッとする
「俺は尚武が嫌いだ!仲良いと思ってるやつはぶっ飛ばす!」
それで終わり?某アニメの暴君キャラみたいになってるけど……
「伝えたいことはそれだけかー?二人ともー」
茂山が退屈そうに声を挙げるが二人ともいたって真面目に頷く。
「まあ、それならいいんだけどな。じゃあ、次は日向だな」
日向が前に出る部長ってなだけで雰囲気だけはあるよな
「県大会、先輩たちに続いていけなかったね。私は貴女たちに託したいよ。二年生にも一年生にも。短い間だったけどありがとう。剣道サイコー!」
サイコー!
剣道部員全員が拳を天井へ突き上げている……「じゃあ、次はトリの尚武だね。きっといいこと言ってくれるよ?」
ハードル上げないで日向……
ミ~ンミンミンミー………
僕は覚悟を決めてみんなの前へ出た
「僕と剣道を繋げてくれてありがとう」
ミ~ンミンミンミー……………
拍手がくすぐったかった。茂山は涙腺が崩壊していた。
あと少しで夏が終わる。




