なんで過去の僕が……
新入生が入ってきた。男子三人、女子四人。
「よろしく!僕が男子剣道部部長、鹿山尚武です」
……………
僕が日向を肘でつっつく
「あ、じゃし剣道部ぼちょうの清水日向です」
………クス……
僕が笑うとすごい勢いで睨んでくる。第一人称大事なんだってば……
「あの!なんで鹿山先輩は部長なんですか?」
うわ……あいついった……すげー……
一年生はザワザワしている
「僕はただ、みんなに部長させてもらってるんだ」
すると、昇が叫び出した
「なんでそんなこと言うだよ!俺にないもの持ってて、お前が全部掻っ攫ってた!」
顧問の茂山が動き出す
「昇!どうしたんだ、落ち着けよ」
昇は暴れ出す。茂山が昇を連行しながら僕を呼ぶ
「すまんが、この二人抜きで進めてくれ、三年生主体で二年生は一年生の見本になるように!」
………はい!!
昇を落ち着かせて座らせる。昇は僕を睨んだままだ。
ギイ……
「二人の方が話しやすいだろ?俺はあいつらがちゃんとできてるか見るからよ。存分に話し合え」
バタン………………
しばらく、沈黙があり、僕が破る
「楓のこと?お前、おかしかったよな、前から」
……………ガタン
「俺、楓ちゃんと紅葉デートに行けた時、マジで付き合えるかもって思った。だから、すっごく勇気を出して言ったんだ」
目に涙を溜めている。
「好きだって」
涙がこぼれ落ちてくる。
「そしたら、楓ちゃんは嬉しそうにした。でも……」
僕は言葉を振り絞った。でも出たのは……
「よかったじゃないか」
僕を憎らしく睨む。わかってるよ。これ以上聞きたくない
ガチャ……
背後から怒号が放たれた
「ちゃんと話を聞けよ!わかった風な顔して逃げんなよ!いっつも思ってることを飲み干して、気持ち悪いんだよ!」
僕は、至って冷静に返したつもりだった
「うるせえよ。怒りとかねーんだよ」
ガラガラガラ………
茂山がこちらを心配そうに見ている
「センセー、今はちょっと無理そうなんで帰ります。失礼します」
「ああ、昇は?」
僕は首を傾げて剣道場から逃げるように歩いた。
ピンク色の花びらが僕の視界を遮ってきた。




