歯切れの悪い雪解け
春どけの季節。僕らの間に挟まった雪はまだ溶けていない。
ガラ………………ッガッシャーン
寒さで金属が強張っていたのか……
「部長ー!何やってんだよー!」
昇、いっつも見て欲しくないところを見てるな……
「おはよ、楓とはどう?」
「ん?んーまあ。それよりもとっておきの話題があってな…………」
楓の話になるとすぐに話題を変える。
「デート、したんだろ?」
顔が赤くなるどころか真っ青になった。
「やめろよ!詮索すんじゃねーよ!お前は……関係あるけど、ねーんだよ!」
「ご、ごめん」
僕が昇の気迫に押されていると
「わ、悪い、ちょっとカッとなっちまって……着替えてくるわ」
ガラガラガラ………
一年生、春休みが開ければ二年生が入ってきた
「おはよう!」
少し、ビクッとして
「お、おはようございます………」
ささーっと更衣室の方に行ってしまった。
僕はどかっと椅子に座る。
「ふーーっ」
何が起こってるんだ?
ーこれで稽古を終わりにする
部活動はみんな普通だ。
ダンダン………
廊下をイライラして歩いていると
大きい声が僕の背中に浴びせられていた
「おい、尚武。ちょっと、俺のほうに来い」
ギシギシギシ…………
威厳のある小さな声で話し始めた
「何イラついてんだ?」
僕はブスッとして返す
「先生には関係ありません。僕だけで解決します。」
「あのな、お前はもう十分に頑張ってくれてる。もっと俺を頼ってもいいんだぜ?」
十分?僕は剣道ができないから、それ以上に頑張らないといけない
「本当に大丈夫ですってば!」
バーーーン
茂山が持っていた竹刀がいつの間にか消えていた
「一年が二年が怖えって困ってんだよ!部長のお前までイラついてるからだろ?青春しようが構わんが、部のことも疎かにすんじゃねー!」
春の爽やかな風が吹く季節、顧問の怒号は風の便りを運んでいった。




