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雪は積もっていく
冬に入った。僕の心は夏に置いてきた。
ザク……ザク……
積もったな……
ギイ………
白い粉まみれの中隣の家から楓が出てきた
「尚武……雪かきしながらでいいから聞いてくれない?」
僕は無言で頷く
ザク……ザクザク……
「よく、わからなくなっちゃった……」
昇のこと?
「何が?」
ザクザク……
「私ね、昇のことが好きじゃないのかもしれない」
やらかしたか昇。
「どうして?あいつはいいやつっちゃあ、いいやつだよ」
「私が剣道部に入った理由知ってる?」
ザク……
日向は僕と地元の剣道場に一緒に通っていた。
「日向?」
「違うよ、尚武だよ。かっこいいと思ったから、尚武が」
…………ザッ
僕は雪かきを止めた
「別にいいんじゃないかな?憧れてる人が変わるっていうのは」
昇と日向になんて言えばいい?
楓は白い息を吐いた
「私は誰が好きなんだろう……」
「昇じゃない?」
楓が僕を睨む。
「それは尚武の希望。私は…」
ガチャ……
僕の右側の家のドアが開いた。
「日向………」
真っ青だった。僕を睨む気力もないらしい。
「なんで?また、また、私だけ置いてかれる。尚武も楓も進んでるのに……。私は…わだじは……。進んでいかないで?楓も」
ハラハラ…ハラハラ……
白い粉が舞う。日向の心はまだわからない。日向のところへ行く時雪がギュギュ……と嫌な音を立てた




