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紅葉は僕をひらひらと笑う

ピンポーン………


インターホンの向こうには日向がダルそうに立っている。

「とにかく来て?」

「はい。行きます」


ギシ……ギシ……ガチャ……


「お待たせ、何?」

僕が息をつく間もなく

「紅葉、見にいくよ」

「へ?」


ガタンゴトン……ガタンゴトン……


隣に座るのが嫌で向いに座るのはないだろ……。なんで誘ったんだよ……。


ガタンゴトン……次は今紅葉が見どころの………


向かいの日向が立った。ここが目的地らしい……

「ねえ、日向……」

僕のことを無視していってしまう。


急に日向が止まった。

僕はその隙に日向の横に並ぶ

「どうしたの?」

無視するのが面倒になったのか今日初めて声を聞いた

「あの二人、今日デートすんのよ」

「えっ!どっちが誘ったの?」

驚きが隠せなかった。でも楓ならありえる。

「昇」

ぶっきらぼうに答えた。

「すごいじゃん昇!」

「変なことしたらぶっ飛ばす……」

女子剣道部エース、冷静さは?


カサカサ……カサカサ………


昇も緊張せずに話せてるみたいだ。

「大丈夫じゃない?これ以上さ、突っ込むのは野暮ってもんじゃない?」

二人の幸せそうな横顔を見て、僕に詰め寄る

「楓を一回泣かせた前科があるんだよ?そんなやつに!」

「落ち着けって……」

僕は、座ろうと促す

「落ち着いた。ちょっと僕にはきつい傾斜かな。でも、なんで僕を誘ったの?」

僕は二人の背中を見て、口が苦くなった

「紅葉で一人で来るなんて寂しいでしょ?」

……僕の休日返して……

「見えなくなっちゃったね」

僕を睨む

「あんたのせいね。もういいわ、後で聞く」

「プライバシーの侵害にならない?楓が言ってくれるのを待った方がいいと思うけど……」

僕を無視して人混みを逆流し始める

「ねえ、最後までいかない?」

僕の誘いは雑踏にかき消された……


ひらひらと舞う紅葉たちを僕は少し顔を曇らせた

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