情けない犬
ピーンポーン……
部活のない、日曜の昼下がり急な呼び出しに少し腹を立てた。
だが、それは一瞬にして消えた。
ガチャ……
「楓?どうしたんだ?」
僕は玄関から外へ出る
「ジャージ、ありがと。ちゃんと洗って返したかったんだ」
あー。確かに……貸したな。僕はジャージを受け取る。
「それだけ?」
「うん、それだけ。それじゃあ」
僕は無言で手を振った。
ガチャ……
楓が家のドアを開けた時
「ねえ、昇の様子見に行かない?」
ミ~ンミ~ン………
少し悩んだ末
「うん。行く。私が悪いことしちゃったのかな~ってすっきりしなかったんだよね」
なんでこんなこと言っちゃったんだろ……
「じゃあ、今から行っちゃおうか」
ミ~ンミンミンミー………
暑い中僕が切り出す
「あのお……なんで日向さんが……」
睨みをさらに効かし、僕を睨むだけ……
ミ~ンミンミンミー…… ッジジジジジジ…………
僕には口を聞かない気らしい……まあ、いいけど。
シャワシャシャワ………
ピンポーン……
昇のお母さんらしき人が顔を出す。
「はーい。あら、配達じゃないようね……。昇、かしら……」
僕たちは頷く
「昇~昇~お友達~」
……ドタドタドタ
ドアからちょこっと手を出し手招きする
「ちょ、昇。こい」
情けないやつだ……
「無理」
「いやなんでだよ!」
その拍子にドアを全開にしてしまったので、昇の姿は丸見えだった。
ミ~ンミンミンミー……
こんな情けないやつだったっけ
「あ~えっと、そのお………」
日向が何か言おうとするのを静止した楓
「私のこと、苦手ですか?」
ミ~ンミンミンミー………
「き、嫌いではないです」
おい、嫌いではないってなんだよ。
ミ~ンミンミンミー
「ありがと!」
楓は顔中花がさく。
ミ~ンミンミンミー……
ああまた……
「本田くん、顔赤いけど大丈夫?」
「あ、あー………」
ミーンミンミンミ~ん………
たまらず僕が声を上げる
「暑かったんじゃない?ほら、ね?」
僕は昇に合図する。昇はすごく首を縦に振っている。危ないやつめ……
楓が続ける
「やっぱり!じゃあ、このぐらいで解散しますか!」
楓、僕たちは何を開催してたんだ?
「昇、押しかけてごめんな。じゃあな!」
バタン……
無言で閉めるわないだろ…… まあ、今日僕との会話は無言の人がいるけど……
あっついので僕はアイスを買って行こうと思ったが、二人にたかられるのでやめた。
パピコ三人版が出たらいいのに。
そんなことを考えていると、二人からかなり離れていた。
やっぱり、遠出はきついな……




