第53話 イオ第2学園に入学・8
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俺とリアンは気絶して受け止めた巨乳白衣のお姉さんを職員棟に届ける為に戻っていた。
俺がお姫様抱っこでお姉さんを運んで居たのだが、リアンがずっと不機嫌そうにしている。身長の問題で背負ったりとかすると引きずっちゃうんだから仕方無いじゃん?
俺だって本当は背負いたかったよ? そうすればきっと背中で至福の感触を味わえたと思うし。
それにしてもサーシャ・ナーギストが言っていた内容……俺が魔法祭で会わなければならない人物が居る、か。一体誰の事で、何の目的があってそんな事を言うのだろうか。
ていうか俺がイオ第2学園に入学するつもりで居る事をあの自称神はどうやって知ったんだ? 俺は監視されているのか? …………いや、考えても結局確認のしようが無いよな。
「着いた、か……なあリアン。サーシャの事をフォンダ校長に話した方が良いと思うか?」
俺は職員棟をノックする前に、立ち止まってリアンの考えを確認する。
「……言わない方が良いかもしれない。このお姉さんがただの被害者だったとしたら、何もしていないのに疑われて尋問とかされるのを考えたら可哀想じゃない? 魔眼で視てたけど魔素の塊がこのお姉さんから抜けてったのが視えたから、本当に乗っ取られてたんだと思う」
なるほど。確かに可哀想だよな。学園の校長が『限定解除』を欲するくらいに危険視している相手だ。実際サーシャは相当ヤバい人だと思う。それ故に尋問も……下手すれば監禁などもあり得るか?
「わかった。ならこのお姉さんは此処に置いていこう」
「え? ああ……まあその方が余計な疑いも持たれないかもね」
その通り。このお姉さんが教職員ならば、仕事中に何を寝てるんだと叱られる可能性は高い。だが逆に言えばそれだけで済むはずだ。お姉さんの体調に関しては問題無さそうだしな。
「じゃあ置いていく。そしてさっさと帰ろう」
俺はもう疲れたよ……なんとかラッシュ……おっとこれは流石に不味いか? まあ何にしても今日は本当に疲れた。
俺は職員棟の入口横にお姉さんを座らせるように置いて、リアンと一緒に校門を目指して歩き始めた。
何事も無く校門を通り抜けたと思ったら、今度は校門の陰に隠れていた誰かが俺とリアンの跡をつけてくる。
本当に今日はなんなんだ? もう勘弁してくれよ。そこそこの距離を歩いているんだが、一瞬チラッと見えた追跡者は受験生っぽい男が二人だった。
ナンパか? ナンパなのか? いやまあ俺もリアンも可愛いけれど、残念俺は男だ。ていうかリアンを何処の誰とも知れん奴には任せられん。
「リアン、つけられてるから転移するよ」
そう言って俺はリアンの手を握る。リアンも気付いていたらしく、素直に頷いた。
リアンの手を握った俺はすかさずに転移を唱えて移動する。場所は校門前だ。まさか俺達が戻るだなんて予想も出来まい。
「……なかなか学園から離れられないね?」
リアンがそんな事を言う。確かに現状はその通りだ。
「いや、もう『限定解除』使って転移するよ」
もうね、疲れたの。さっさと帰りたいの。ミレニーたんが俺を癒してくれるはずなの。
俺は「限定解除」と唱える。周囲の魔素がごっそりと消える。そしてリアンの手を握って今度は「転移」と唱えた。
転移先は俺とリアンが住む我が家の庭だ。俺とリアンはそのまま玄関まで歩き、扉を開ける。
「ただいま」
「ただいまです」
二人で帰宅の声を掛けるとミレニーが声に気付いてリビングから顔を覗かせる。
「お帰りハヤトにぃ、リアンねぇ。受験どうだったの?」
ああ……ミレニーたんマジ女神……見てるだけで癒やされるわ〜。
「ハヤトにぃ? ……リアンねぇ、ハヤトにぃどうしちゃったの?」
「受験は問題無かったよ。ハヤトくん今日は色々と疲れてるみたいだからきっとミレニーちゃんに見惚れて心を癒してるんだよ」
「ふーん? よくわかんないけどハヤトにぃもリアンねぇもお疲れ様!」
ああ……どうしてミレニーはこんなに可愛いのだろう。ミレニーの存在に感謝を……
俺は無意識でミレニーの横まで歩き、頭を撫でていた。ミレニーは少し恥ずかしそうにしていたが、そのまま撫でられていた。
「……ハヤトにぃ! そろそろ正気に戻って!」
「…………はっ! 俺は一体何を?」
ミレニーの声で正気を取り戻した俺は、自分の手がミレニーの頭の上にある事を確認する。
なるほど。俺はそんなに疲れていたのか。
「ありがとうミレニー」
そう言って俺はもう一度ミレニーの頭を撫でてから手を離す。
「どいういたしまして!」
ミレニーはにっこりと笑いながらそう言った。そういえばメニルお母様が居ないな。
「メニルお母様は?」
「今はお買い物に行ってるよ? 多分もうそろそろ帰って来るんじゃない?」
「そっか。なら俺は少し部屋で休んでるよ」
「そうだね。私も疲れたから休もうかな」
「うんわかった。二人ともお疲れ様!」
そう言って俺とリアンはそれぞれの自室に移動した。
俺はベッドに横になって今日の出来事を思い出す。
まずタニスト。勝負には勝ったけど、あの感じだとまだリアンを諦めて無さそうだよな。また何かやって来ないとも限らない……学園ではリアンを一人にしないように気を付けておこう。
次はフォンダ校長か。『限定解除』を教える事になってしまったな。ある程度人選はフォンダ校長がやっといてくれるみたいだから、俺とリアンは入学式が終わった後にその選ばれた人達から更に選別する。
万が一にも『限定解除』で死なれたりすると後味が悪いからね。魔素制御の上手い人をリアンの魔眼で判断して貰う予定だ。
そして……サーシャ・ナーギスト。自称神で頭のネジがイカれている俺の姉弟子。学園魔法全国大会、通称で魔法祭に必ず出場しろと言われた。
俺が会わなければならない人間がそこに居るという。会わなければ絶対に後悔するとも言われた。一体誰に会わなければならないのだろうか。そして会わなければ何を後悔するのだろうか。
サーシャに関しては師匠に話した方がいいか? フォンダ校長には説明しなかったけど、師匠ならばあの巨乳白衣なお姉さんにも配慮して行動してくれるだろう。
…………大きくて柔らかかったな。何がとは言わないが。
よし、明日はリアンと一緒に師匠に会いに行こう。合格したら報告しなさいとも言っていたしな。うん、そうしよう。
今日は本当に疲れた。少し……眠いかな。
俺はそのまま睡魔に誘われるように目を閉じた。
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