第52話 イオ第2学園に入学・7
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@akira_kouno0918
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「なんでそんなに『限定解除』に拘るんですか?」
そりゃ限定解除は莫大な魔素を使えるようにはなるけどさ、こんなリスキーな魔法をわざわざ使う必要が無いと思う。
え? 俺は使うよ? 慣れて、もう殆どリスク無いし。
俺の問いに対してフォンダ校長は険しい表情を作る。
「……サーシャ・ナーギストは知っておるな? 言うてしまえばお主の姉弟子だの」
「ああ、知ってますね」
そりゃまあ会った事もあるしな。ていうか今思い出したわ。自称神様のイカれ女だ。、
「そのサーシャが何か行動を起こすまで、あと4年なんじゃ」
そういやそんな事言ってたな。あれ? その前に俺と会うって言ってたけど、結局まだ会って無い。まあ、会いたくないけど。
あの人は得体が知れない怖さがあるんだよな。……ああなるほど、サーシャが何か始めた時の為に、少しでも戦力の底上げをしたいのか?
「つまりサーシャへの対抗手段の一つとして『限定解除』が欲しいってわけですか?」
「その通りじゃ。サーシャと会った事はあるかの?」
「ありますよ。ペンドラ騎士団の遠征の時に突然現れました」
「ならわかるじゃろ? あの者は異常じゃ。力だけじゃなく、内面においても……な」
確かに、世界滅亡に俺を誘って来たし。会話が成り立つ気がしなかった。なんか思い出したら寒気がして来たな……近くにサーシャが居るんじゃないだろうか? そんな気さえしてくる。
しかしどうしようか。俺が『限定解除』を教えれば、使えるようになる人間も出て来るだろう。でも人間向き不向きがある。魔素の制御が苦手な人間がやったら、それこそ死んでしまう可能性すらあるよな。
俺が考え込んでいると、見兼ねたリアンが口を啓いた。
「私が使えそうな人を選別すればいいんじゃないかな? それならある程度リスクは抑えられるだろうし」
確かに……リアンの魔眼で魔素制御の上手い優秀な人物だけを選別して貰うなら、リスクはそんなに無いかもしれない。少なくとも死ぬなんて結果にはならないだろう。
「そんな事が出来るんかの? ……いや、確か……ガナエリ家には魔眼を持った双子の妹がおったんじゃったの。つまり君がその双子の妹か」
「ですね。リアンは魔眼を持ってますし、完全では無いにしろ『限定解除』を使えますしね」
リアンが使えると聞いて、フォンダ校長は目を見開く。
「それは本当かの!?」
「ええ。リアンの『限定解除』でもかなりの魔素になりますよ」
『限定解除』なら元々保有する魔素量が関係無くなる。ただし……通常時に使っていない量の魔素を扱うわけだから、慣れるまで赤子同然のコントロールになる。
ていうか、なんか教える流れになってないか? 正直面倒臭いのだが。
「でも、それとこれとはべ…………」
「ありがとうのう! 協力に感謝するわい!」
このジジイ……やってくれたな。これじゃあもう断り辛いじゃないか。フォンダ校長が勝ち誇ったような顔をしてやがる。……はあ、まあいいか。
「わかりました。ある程度は協力します。リアンもそれで問題無いか?」
俺は諦めて協力する旨を伝える。リアンも問題無いと見て取れるように頷いた。
「本当にありがとうのう。人選はこちらで絞っておくから、入学式が終わった後にでも選別をお願いするかの」
「わかりました」
入学式は今が3月32日だから……3日後の4月3日か。
「じゃあ入学式の日にまた会おうぞ。おっと、忘れておったな。お主は主席じゃから入学式に新入生代表として挨拶して貰うぞい?」
あ、異世界でもその風習あるんだな。ていうか面倒臭い……それもこれも全部タニストが悪いよな。ああ、今日は本当にイライラする事が多い日だ。
帰ったらミレニーたんに癒して貰おう。
「わかりました。挨拶の内容は自分で考えた内容ので良いんですか?」
「うむ、主ならそれで問題無いじゃろう。今日はありがとうの。もう今日は帰っても構わんぞ」
「じゃあお疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
俺に合わせてリアンもお辞儀をする。さあ帰るか。
俺とリアンは職員棟を出て校門を目指す。すると正面から俺の方に向かって歩いてくる女性が居た。
なんだあの巨乳。胸が超デカイし、白衣でなんかフェロモンむんむんな際どい服装してる。保険医か何かか? でもこっち見てるし……なんだろうか?
俺とリアンは校門に向かって歩き続けていたが、巨乳白衣のお姉さんが俺とリアンの前を塞ぐように立ちはだかる。
「久しぶりね。ハヤト……くんだったかしら? ちゃん?」
久しぶり? 俺はこの人と会った事があったか? ……いや、こんな巨乳な女性なら忘れるわけが無い。でも俺の名前を知っているという事は人違いでも無いだろう。
「すいません。何処かでお会いしましたっけ?」
俺がそう言うと、巨乳白衣のお姉さんは胸を支えるように腕を組んで口を開く。
「姉弟子を忘れちゃったの?」
姉弟子? ……この人から魔素が感じられない…………まさかっ、サーシャ・ナーギスト!?
「気付いたようね? そんなに警戒しなくてもいいじゃない。その子の手が潰れてしまうわよ?」
そう言われてリアンを見る。すると苦痛に顔を歪めていた。俺は無意識のうちにリアンの手を力強く握っていたらしい。
「すまないリアン……だが、手を放すなよ?」
そう言って俺は手を握る力を弱める。いざとなったら転移で即脱出しなければ……
「わ、わかった」
「だからそんなに警戒しなくていいってば。この身体は私のじゃないし、一時的に乗っ取ってるだけで大した力も使えないわよ?」
乗っ取っている……だと? 身体の持ち主は大丈夫なのだろうか。そもそも何故人の身体を使ってまで接触を図ったんだ?
「心配しなくてもこの身体の持ち主は問題無いわ。それにしても……こんなデカイの持ってて肩凝らないのかしら? いや、そんな事はどうでもいいの。やはりダメね、他人の身体だと精神の負荷が凄くて私を維持出来ない……」
相変わらず頭のネジが飛んでそうな雰囲気がある。正直言えば直ぐに逃げ出したい……しかし、逃してくれるとも思えない。大した力も使えないと言っていたが、感じる威圧感は命を握られているような気さえする。
「なんの……用ですか……?」
俺がそう口に出すと、他人の身体を使ったサーシャは笑顔になる。
「先ずは入学おめでとうと言っておこうかしら? 今日会いに来たのは貴方の成長具合いを確認したかったのと、一つ良い事を教えてあげようと思ってね」
良い事? いや、イカれた自称神の言う事を真に受ける必要なんて無い。
しかし動く勇気も無いので、言葉を発せずに俺は押し黙ってしまう。
「学園魔法全国大会……通称では魔法祭ね。それに必ず出なさい。君が会わなければならない人物がそこに居るはずよ? 会わなければきっと貴方は後悔する。要件はそれだけよ」
俺が会わなければならない人物だと? どういう事だ? そもそも誰の事を指して言ってるんだ?
「ああもう……時間みたいね。また会いましょう? じゃあまたね、ハヤトくん」
そう言って目の前で喋っていた女性は突然気を失い倒れそうになる。すかさず俺が移動して受け止めた。
柔らかい……いや、事故だからね? だからリアンそんなに睨まないで。
明日も同じ19時頃に更新です
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