第45話 新しい家族・2
毎度更新予告詐欺申し訳ありません!
お待たせしました!
これにて幼少期編が終わり、次は学園編が始まります!
それと、総合アクセス1万5千・ユニーク3千人突破しました!ありがとうございます!
これからも良ければ是非読んで下さい(^^)
帰って来たクラガお父様は直ぐにリビングにきて口を開く。
「ハヤト!ユーエ様に聞いてたけど、本当に無事に帰って来たんだな!ずっと心配していたぞ!」
「あ、うん。ただいま」
「少し大人になったか?背も伸びたんじゃないか?なんにしても無事で本当に良かったぞ!」
クラガお父様がそう言いながら頭をガシガシと撫でてきた。
少し力強い撫で方ではあるけれど悪い気はしない。それだけ無事に帰ってきたのが嬉しいのだろう。
撫でられながら俺は「ただいま!」と力強く答える。
ひとしきり撫でて満足したのか、クラガお父様は手を離してからリアンを見て真剣な顔をした。
「は……初めましてっ!リアン・ガナエリと言いますっ!」
リアンが自分を見られている事に気付いたらしく、クラガお父様に挨拶をしている。少し顔が険しいから緊張しているのだろう。
それに対してクラガお父様は目を瞑って沈黙を始めてしまった。
リビングには夕飯をテーブルに並べていたメニルお母様も居て、ヨガル兄を除いた家族全員が此処に揃っている。
ちなみにヨガル兄はイスタラ王都立騎士養成学園の寮暮らしで家には居ないのだ。
さて、クラガお父様のこの顔はおそらく既にリアンの存在は知っていたのだろう。つまり知ってて何と答えるのか考える為の沈黙なのだろうと思う。
そんなクラガお父様がついに目を開けて言葉を発する。
「……リアン・ガナエリちゃんと言ったね?」
「は、はい!」
「ガナエリ家は知っていた。双子が産まれていた事も、そして家を継がない双子の妹が魔眼を持っている事も……」
そういえばリアンが魔眼持ちである事をメニルお母様とミレニーに話していなかったな。
「魔眼の力は制御出来ているのかい?」
魔眼の制御?
「いえ……制御出来ずにまだ常時発動状態です……」
制御出来ないと何か問題があるのだろうか?聞いてみよう。
「クラガお父様、魔眼が制御出来ないと何か不味いの?」
クラガお父様は俺を見て一瞬目を見開いてから、メニルお母様に視線を向ける。
その視線に気付いたメニルお母様が笑顔で頷いた。一体なんなのだろうか。
「そうか……ハヤトは本当に男らしく成長したのだな……見た目はこんなに可愛らしいのに」
…………あっ、敬語忘れてた……それに可愛いのは自覚してるけど、嬉しいはずなのに最後のセリフの所為で何か腑に落ちない。
「それで魔眼の制御の話だったな……魔眼は『真理を読み解く眼』と言われているんだが、制御が出来ないと真理を壊すと言われているんだ。大昔に過去と未来を含めて最強と呼ばれた騎士が魔眼の制御に失敗したらしく、世界の何かが変わってしまったらしい」
「その変わった何かってどんな事だったの?」
「それはわからないと言われている。しかし、魔眼の制御に失敗して暴走する話は規模に違いがあっても災害レベルの歴史が残されているんだよ」
なるほど、つまりリアンの暴走の可能性を危惧しているのか。
ガナエリ家の当主であるガウル・ガナエリも魔眼を持っているけど、リアンには制御のやり方を教えていなかったのか?
少なくとも暴走の危険があるのならば、魔眼の制御くらい教えてもいいはずだ。なにせ話が本当なら暴走すれば自らも被害を受ける可能性が高いのだろうし。
「リアンはお父さんに魔眼の制御を習わなかったの?」
俺はリアンに問い掛ける。
「えっと、私の魔素量では暴走しないって言われて、教えてもらえて無いよ?」
つまり魔素が多ければ暴走の危険が高くなるのか……もしかしたら魔素が多くなる程に暴走した時の被害も大きくなるのだろうか?
「それなら心配無いと俺は思うけど、クラガお父様的にはどうなの?」
「うむ……今は問題無いのかもしれないが、この先がな……リアンちゃんはまだ若いから伸び代もあるだろう?」
ふむ……なら俺が魔眼の制御に協力するか。どうすればいいのかはわからないけど、師匠に聞けば何かはわかるだろう。
「なら俺が魔眼の制御訓練を手伝うよ。やり方はわからないけど、師匠に聞けばなんとかなると思うし」
最悪ガナエリ家に直接行って聞けばいい。魔眼で有名な家らしいから、門外不出の訓練法とかあるかもしれない……何か用意して行かなければ門前払いされるかもな。
「…………わかった。ちなみにユーエ様にはリアンちゃんがハヤトと一緒に暮らしたがるだろうと言われているが、リアンちゃんはどうしたいんだい?」
リアンは一度俺を見てから答えた。
「ハヤトくん……いいえ、皆様と一緒に暮らしたいです!」
その言葉を聞いたクラガお父様はメニルお母様を見る。
その視線に対してメニルお母様はクラガお父様を見ながら優しく微笑んだ。
「わかった。ならこれからは家族だな。何かあれば遠慮せずに言うんだぞリアン?」
名前の呼び方の変化に気付いたリアンは満面の笑みを浮かべて「はい!」と答えた。
「リアンちゃん?『はい』じゃなくて『うん』でしょ?もう娘なんだから敬語は要らないんだからね?」
メニルお母様が横から口を挟んだ事でリアンは少しぎこちない声で言い直していた。
なんにせよリアンが一緒に暮らせる事になって良かった。リアンは愛されずに育ってきた……だから幸せな家庭を知ってもらいたいのだ。
クラガお父様はリアンの頭を優しく撫でている。なんだかんだ悩みはしても、新しく家族が増える事が嬉しいのだろう。顔が緩みきっている。
ヴァーチ家の面々に認められたリアンが新たな家族となった訳だが、今後はしばらくリアンの魔眼制御訓練に付き合う事になりそうだ。
それからはしばらく魔眼の制御訓練をしたり、師匠とたまに訓練をしたり、色々と有意義な4年を過ごした。
こうして俺とリアンは12歳になり、学園入学を目前に控えるのだった。
明日から新章19時更新……の予定です!
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