ep.9 馬車襲撃~窮地の美少女
拙い文章ではありますが あなたの心に触れられたら 幸いです
「キャアアァァッ!!」
突如として上がった女性の悲鳴が、新たな異変を知らせる。
(なっ、何だ、あのデカブツは!?)
遠目でもはっきりとわかる巨体。小鬼とは対照的な大きな鬼――大鬼が馬車を襲撃している。
(あんなの、どこに隠れてやがった……!)
あれほど目立つ巨体なのに、手前の小競り合いばかりに気を取られ、今の今まで見逃していた。
二足歩行の生物として規格外のサイズであり、あまりにも非常識な存在を目撃して、精神の平静を保つために、意識の外へ追いやっていたのだろうか。
などと、オレが悠長に構えている間にも、馬車は脅威に晒されている。
余程の要人を乗せているのだろう。
その馬車は、豪奢な見た目に違わない頑丈な造りのようで、車体に大鬼の無骨な拳を叩き込まれても、外装が剥がれる程度の損傷で留まっており、まだ搭乗者は無事のようだ。
『グガッ!? ググググゥ……ッ!』
すると、短気な子供がなかなか開かないプレゼントの包み紙を前にして、癇癪を起したみたいに、大鬼は馬車を抱えて激しく揺さぶり始め……そして、ついにはひっくり返した。
その拍子にドレス姿の少女が車外へ投げ出され、大鬼の前で無防備を晒す。
その後を追いスーツ姿の紳士が車内から飛び出して来て、大鬼から身を挺して少女を庇うが、両者の対格差からして、とても守り通せるとは思えない。
頼みの綱であろう彼らの護衛と思しき兵士らは、小鬼どもの襲撃を凌ぐので手一杯のようだ。
そんな切迫した状況を目撃してオレが取った行動は――――。
絶体絶命の少女を前にして 少年の勇気が試される
ご高覧いただき ありがとうございました 次回へ続きます
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