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烙印者 Prequel ~空白の1ページ~  作者: 日月
第3章 旅立ち
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45/50

ep.45 ボロ宿

拙い文章ではありますが あなたの心に触れられたら 幸いです

 どこからか埃臭い隙間風が入り込み、オレは自身のくしゃみで目を覚ます。


 薄い綿の入った粗末なベッドで休んでいたせいか、体を起こすと背中が痛い。

 これなら藁束の寝床のほうが、案外寝心地がよかったのかもしれない。

(やっぱり部屋のランクを上げたのは失敗だったか……?)

 先日のクエストによる報酬で懐に余裕があったので、相部屋より個室を選んだことに後悔する。

 どうせボロ宿なんだから、部屋が違ったところで大して変わりやしない。それなら割り増し料金を支払うだけ損だ。


(寝ている間に金をスられる心配をしなくて済むのは、助かるけど……)

 スリの多いこちらの世界では、金品が盗られたとしても、現行犯で捕まえでもしない限り自己責任だ。 

 盗んだ悪人より、盗まれた間抜けが悪いという共通認識らしい。

 だから庶民は、常日頃周囲を警戒し自己防衛を徹底する。

 中には、対策として奪われてもいいダミーの財布を用意していたり、現金を衣服に縫い付ける者までいるのだとか。

(修羅の国だな……)

 財布が尻ポケットからはみ出している人がいたり、鞄などを場所取りに使って席を立つ人がいるような国とは、民度が雲泥の差である。


 そんなことを考えながら、建付けの悪い窓を強引に開けると、空には太陽がてっぺんまで昇っていた。

 目覚ましのアラームはない。

 時間通りに起こしてくれるメイドさんもいない。

 寝付きが悪かったのも影響して、どうやら昼過ぎまで寝過ごしてしまったようだ。

 寝坊したことに気落ちしつつ、気だるい体を軋む椅子に預ける。


 そして、これまた軋む机の上で日記帳を開いた。


ご高覧いただき ありがとうございました 次回へ続きます

ご感想など お待ちしてます 活動の励みになります



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