ep.20 食文化と台所事情
拙い文章ではありますが あなたの心に触れられたら 幸いです
食は万人に欠かすことのできない要素であり、ゆえに民衆の生活や文化が如実に反映される。
中世の時代に相当するこの世界において、庶民の食事回数は3~5回に加え間食と質素ながら意外と多い。
逆に上流階級の人間は、贅沢でありながら昼と晩の2食しか摂らない。
これは日中の活動内容による違いであり、頭脳労働と肉体労働のどちらに従事するかによる。食事の頻度は社会的ステータスの現れでもあるらしい。
住居環境の問題により一般家庭で調理場を備えているのは少数で、庶民は食事を摂るのにわざわざ大衆食堂や屋台へ出向くそうだ。
貴族である男爵の館では、当然のように常勤しているお抱えのシェフにより、出来立ての料理が振る舞われる。
すぐさま消費してしまう食に関することに、金と労力を惜しまないのも、また社会的ステータスの現れなのだろう。
メニューは安価で出回っている魚肉の塩漬けや豆類ではなく、新鮮な鹿肉や方々から取り寄せた色とりどりの果物、それから混じり気のない小麦の白パンなどが並んだ。
味付けは貴重で贅沢品とされる胡椒を始め、南方の珍しい香草などがふんだんに使われているものの、化学調味料に慣れ親しんだ身としては、どうしても物足りなさを感じる。
(今日の朝食は何だろう? ジャンクフード……いや、米が恋しいな……)
オレは空腹を訴える腹をさすりながら、無駄に長い廊下を渡る。
ご高覧いただき ありがとうございました 次回へ続きます
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