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烙印者 Prequel ~空白の1ページ~  作者: 日月
第零章 ――
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ep.02 幕間~胡蝶の……

生きるって残酷


拙い文章ではありますが あなたの心に触れられたら 幸いです

ヒラヒラと宙を舞う1頭の青い蝶が、倒れている少年の鼻先に降りる。



運命のいたずらか、その蝶は羽化不全を起こしていた。

胴体は立派な成虫なのに、頭部が未熟な幼虫のまま変態してしまっていた。

口吻(こうふん)もないので蜜を吸えず、体力は刻一刻と衰えていく。



蝶として輝かしい世界へ羽ばたいた時、皮肉にも未来は閉ざされていたのだった。

この有様では(つが)いを見つけ、生命の本懐たる子孫を残すことなど夢のまた夢。

ならば、肉食性の昆虫や動植物の餌にでもなれば、無残に思えるその命に意義が生まれるだろうか。

死して他者の養分となり命を継ぐことで、せめてもの意義が生まれるだろうか。



何のために生まれ、何のために死ぬのか。


蝶にはもう答えを出す猶予も、再び飛び立つ体力すら残されていない。

それでも、遺伝子の奴隷たる生命は『生きろ』『増やせ』という本能の声に従って懸命に足掻く。



すると、まるで息吹を吹き込まれたかのように、物言わず横たわっていた少年の(まぶた)がゆっくりと開いた。


それでも 希望はあると信じたい


ご高覧いただきありがとうございました 次回へ続きます

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