ep.15 リザルト画面だ連打連打
拙い文章ではありますが あなたの心に触れられたら幸いです
遅れること数秒後、頭部を失った胴体が糸の切れた人形のように崩れ落ち――――そして大鬼は絶命した。
オレが放った渾身の一撃は、大鬼の顔面を捉え頭蓋を粉々に破壊したのだった。
(うえぇ……や、やり過ぎだ……)
想像以上にグロテスクな結果に、オレはげんなりする。
大鬼の返り血に塗れている姿は、とてもじゃないが少女を怪物から救ったスーパーなヒーローとは言い難い。
「――――なる清流よ。彼の者の穢れを濯ぎ浄化したまへ――」
後方に控えていた少女が、祝詞めいた言葉を呟いたかと思うと、どこからともなく発生した水流が、オレの頭上から降り注ぎ、体に付着した返り血を洗い流した。
「ップハァ! 驚いた……君がやったのか、どんな手品だ?」
「えっ、手品? 普通に水魔法ですけれど……」
マホウ――まほう――魔法。たぶん、この認識で正しいはず。馴染みがあるようで、日常的には使わない単語であり、フィクションにおいて、お約束のそれだ。
普通なら驚いたり懐疑的になったりするところだが、怪物が跋扈する世界ならさもありなんといったところか。それに実際に使うところを目の当たりにしては、その存在を認めざるを得ない。
(というか、この子はこの惨状を見ても平然としてるのな……)
清楚な印象の少女が、大鬼の無残な死体を前にして、悲鳴を上げるどころか顔色ひとつ変えないでいるのは意外だ。
戦争。流行り病。家畜の処理。時代背景から想定して、きっと死が身近にある世界だから、そこに住まう者として、ある程度グロ耐性でもあるのだろうか。
一方のその手のことにナイーブな現代人のオレが、平然とは言わないまでも取り乱さずに済んでいるのは、やはり現実味のないこの展開を、どこか他人事のように俯瞰しているからだ。
(――え?)
そのとき、不意にオレの頭の中に軽快なファンファーレが鳴り響く。続いて機械的な音声がレベルアップを告げ、視界の隅に半透明のタブが表示されると、ステータスやスキルなどといった、いつかどこかで見聞きしたことのあるようなワードが列挙された。
(いや、いやいや冗談だろ? これじゃまるで……)
オレはひどく既視感のある展開に鼻白む。
意識が喪失する前に見た最後の光景は交通事故。
未知の世界で目覚め、そして手に入れたのはチート能力。
それはいつか見た、いくつもの物語の設定に酷似している。
そう、この展開はまるで異世界転――。
ご高覧いただき ありがとうございました 次回へ続きます
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