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ep.13 蒼天直下

拙い文章ではありますが あなたの心に触れられたら 幸いです

 やがて、絶叫マシーンを遥かに凌(しの)ぐ、長いようで短い地獄の時間が終わる。



 さながら、天から降り注ぐ一筋の雷鳴が如く、轟音(ごうおん)をとどろかせ大地に落下。


 オレの脚が地面深くまで突き刺さり、高圧電流を食らったみたいな痺れが、足の裏から背骨を通って脳天まで突き抜けた。


「ぅ、ぐぎぎぃ…………ッ!」


 想像を絶する衝撃に一瞬悶絶しかける。


 歯が砕けんばかりに食いしばり、膝を限界まで曲げることで衝撃を逃がす。逃がす。逃がす。


(…………た、耐え、た……? ――信じられない! 耐え抜いたぞ!)


「――ハッ! おい君、大丈夫か!?」


 自身の生存を喜んだのも束の間、少女の安否が気掛かりだ。


 精一杯踏ん張って、抱えている少女を落とさずに済んだものの、オレを通してかなりの衝撃が伝わってしまったはずだ。


 馬鹿みたいに強靭(きょうじん)な肉体を持つ。そんなオレはともかくとして、普通の人間では到底耐えられそうにない衝撃だ。


 生存は絶望的だろう。


「ごめん……こんなはずじゃなかったんだ……」


 慙愧(ざんき)に堪えず、オレの口から意味のない謝罪の言葉が零れた。


 怪物から少女を守ろうとした。


 けれど、よりにもよって、自分の手で死なせてしまうだなんて思いもよらなかった。


「………………」


 だけど、これがオレの行動がもたらした結果だというのなら、目を背けていてはダメだ。


 まだ温もりが残る少女の亡骸を、恐る恐る確認する。


「あ、ありがとう……」


 すると、物言わぬ亡骸から想定外の返事が上がった。


 高高度からオレと一緒に落下した少女は、驚くべきことに生きていたのだ。


「無事なのか!?」


「このペンダントのおかげですわ」


 少女が首に下げている一粒の宝石が煌めく。


 いわく、そのペンダントは聖なる力を宿した魔道具なるもので、女神ナンチャラの加護により、月に一度だけ死亡に至る運命を覆(くつが)せるらしい。


「え、あぁ……そう…………」


(聖なるマドウグ? 何を言ってるんだ?)


 少女の説明は突っ込みどころ満載だったが、とにかく体は何ともないということなので、ひとまず保留にするとして……そんなことよりも、はっきりとさせておきたいことが他にある。


「そんなことよりも! あなたすごいのね! 先ほどの剣技といい、今の飛翔といい、まるで英雄譚(たん)に聞く伝説の戦士のような身のこなしですわ!」


 そう。それは、ずばりオレ自身の並外れた身体能力についてだ。


 原生林を楽々踏破した体力。


 平原を駆け抜けた走力。


 大鬼の腕を両断した膂力(りょりょく)。


 天高く飛翔した瞬発力。


 どれをとっても、もはやオレの知る人類の限界を超越しており、また少女が興奮気味に称賛するのを鑑みるに、この世界の基準からも逸脱していることが予想される。


 試しに肘を曲げ上腕二頭筋に力こぶを作る。膨大な力が満ち溢れてくる……ような気がした。



 ともあれ、この世界において、オレはスーパーヒーローのような超人の領域に立っているのかもしれない。

サブタイトルが決まりました


ご高覧いただき ありがとうございました 次回へ続きます



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