025 シナプス 改稿前
ggggggggggg…
パチパチ!パチパチ!
地表を覆う金属が、鈍い光沢を放っている…
不気味に…不気味に…
その光沢を…地表を這う…
ソレラは規則的な集団としての本能を発揮して、その本分は奇跡的ですらある。
奇跡は奇跡を運び…
その奇跡はそのまた奇跡へと連続して…
奇跡は奇跡全体へと向かって巨大に…次第に…
!
増殖していく……
(装飾していく……)
宇宙にいまや数多く点在している機械惑星…
それらは皆一様に…ソノ奇跡の使節によって…
つぎつぎに施されるのであった…
群れ…
宇宙の、すべて、といまや言い切ってしまっても過言ではないソレラの増殖は…
その使い勝手もさることながら、しかし種の保存においての本能としての攻撃的なベクトルであった……
宇宙中に散蒔かれた…
ソレラは即ち…
!
溶接虫……!
溶接を本業とし、溶接を本望とするソレラ種の拡大と…
宇宙の…
産業とのリンクが、それらを含む宇宙の大商人組合における大談合……
ソレラ数しれぬ成虫の凍結と、有精卵は、安いボロロケットに乗せられて…
ぞんざいにも次元の断層へとぶつけられて…
宇宙の彼方と彼方を結ぶ永劫の線分を形成していった。
眠った意識の大渦…
大気圏突入、着陸…否むしろ…
爆撃の衝撃、破滅的高熱、空中の分解…
しかし…不思議にも、生贄のループ、実験体を乗せた冥界への飛行…
その淘汰淘汰の最終形の、大見得なる結晶……
結局は無謀なくらいの絶妙の成功が、全てへと向けられた全てにおいて、それらはもれなく成功した!
結果累乗的に覆っていくのは当然の成り行きで、それはさながら銀河の…更に遡れば宇宙自体の誕生のように堅固な抽象であった。
機械が宇宙へ同時的に誕生していった…
カオス…コスモス……インフレ…コスモス。
宇宙にコスモスが誕生ばかりしている。
カオスの漣に乗って…
人工的な、意図的な、ソレが宇宙の運命をも操縦して。
まるで定めのように。
僅か1センチばかりの魂の器。
躍動が、ダイナモが、可能性と未来が。
凝縮され、それぞれの意識の群れが…
やがて自動律を越えてゆき。
原子核の開放のような暴力を秘め、ソレはソレラに重なって…
幻影は幻影を呼び合い…
好み合い、愛し合い…
そう。
宇宙の縮図、それは、愛!
重なり重なって…幽霊は亡霊に返答する……
サラサラサラサラ…
溶接中はまた新たな地表へと降り立った。
スタミナが自ら拡散しているような留まることを知らない分散、奔走…
生真面目に鋳型の溶けた金属のように、その高次の本能は律動していく。
激走!
地表を鳴らす大波。それは黒光りする半透明だった。
まるでシナプス!
頭部と頭部を寄せ合っただけでソレラは中空に接触して、伝達物質は魔法みたいに遷移していった。
全体像は芸術家の意匠。
ジグソーパズルのワンピースのような立ち振る舞い。
ソレラは自動的に吸い込まれてゆく。
しかし能動的に、意のままに、思いの丈、時に我儘に!
単体が単体に結ばれて…鎖場に連なって…
惑星の地表を覆い込んで。
それから虫は活動を開始する。
ggggggggggg…
パチパチ!パチパチ!
溶接の妖精。
養成の養成。
交尾と増殖。
任務は至ってシンプルである。
故に強い。
空を見よ!
宇宙に漂う銀河の中で…人工的フォルム、色彩、質感である芸術の惑星…
いまや宇宙のシェアの主柱の一となりつつある…
機械惑星の表面には…
ギラギラと機械油にまみれた虫虫の機械的なシルエットがチカチカと占領している。
黒い渦のように……
そして黒い水脈は…
蚕のように…
美しい絹糸に綴じられて…
見事に往生して、昇天するだろう……
地表に墜とされた溶接中の体群…
地表を食い…暴飲暴食…そして得られたエネルギーによって。
それはたった一つのベクトルへと結集されて。
ジリジリと溶接を重ねて…
表面を美しい機械が覆い込む頃。
地表の下部から地底へ向かったその放射する進行は…
食いに食い尽くされてもれなく空洞化する……
そして表面を堅固な機械生命ががっちりと組み合わされて…いよいよパズルは完成する。




